「終わりの鳥」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
病に侵され余命わずかな15歳の少女チューズデー。彼女の前に、ある鳥が現れる。それは地球を周回して生きものに命の終わりを告げる「デス」という名の鳥だった。チューズデーはデスに話を聞かせ、外出中の母ゾラが帰ってくるまで自分の命を引き延ばす。やがて帰宅したゾラは鳥を愛する娘のもとから遠ざけるべく暴挙に出るが。
というお話です。
余命わずかな15歳のチューズデーの前に不思議なコンゴウインコが現れる。喋って歌って変幻自在なその鳥は、地球を周回して生きものの”終わり”告げる、その名も「デス」。彼が舞い降り、その羽を一振りすると命が消えるのだ。デス自身は死にゆく人々の声がいつも聞こえてくることにうんざりしていた。
チューズデーは母親に電話がしたいとデスに頼み電話をするが、母親は電話に出ない。仕方なく彼をジョークで笑わせ、話を続けることで留守の母親ゾラが帰宅するまで自身の最後を引き延ばすことに成功する。
やがて家に戻ったゾラは、鳥の存在に恐れおののき、愛する娘を取られまいと、「デス」を全力で遠ざけるべく戦うが簡単には勝てない。普通に戦ったのでは勝ち目がないと解り、デスと2人で話をしたいと外に出て、罠にハメて、デスを殴り火をつけて消滅させ、少し残っていた部分を口に入れて食べてしまう。
デスは消えたと安心したゾラだったが、彼女の身体の中から何かが動き出す。一方、デスを失った世界はおかしくなり、人が死ななくなってしまう。首だけの犬に吠えられた看護師がチューズデーの介護に訪れ、外の混乱について話す。そして…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ。簡単に言えば、このコンゴウインコの”デス”くんは死神なんです。死ぬ運命にある人間の前に現れ、羽を一振りすると命が消えるんですね。そしてチューズデーという余命少ない15歳の少女の前に現れるんです。何故かチューズデーはその鳥が死神だと気が付いて、母親と連絡が取れるまで待って欲しいと頼みます。デスは、その頼みを聞いて待っているんです。
何故デスが待ってくれたかというと、チューズデーの目の前に現れた時、彼女が彼に向って面白い話をしてくれて、随分と長い間言葉を発していなかった彼が会話をしたからなんです。デスは命を消す鳥なので、会話をすることなんて何年も無かったようなんです。世界のどこを飛んでいても”死にたくない””死にたい””痛い””苦しい”というような言葉しか聞こえてこず、その人間のところに行って羽を振るだけ。孤独に仕事をこなしていたんです。
そんなデスが出会った少女チューズデー。15歳なのに余命僅かで苦しんでいました。母親は彼女を死なせたくないと思っていますが、仕事を無くし、無職でお金に困っているようでした。治療費もかさんだのだと思います。それでも娘を生かすことが自分の使命のように思っている母ゾラは、デスが現れて困惑します。慌ててデスを追い払おうとしますが、デスは自分の大きさを変えられるし、頭もよいので勝てません。
それでもゾラはデスに娘の命を消されるのを拒み、デスを騙して殺すことに成功します。殺すというか燃やしちゃって、動いていた燃えカスを消すために、何故か口にいれて食べてしまいます。これ、あり得ない!と引きました。訳の分からないモノを食べるってどーよ。私は絶対に出来ないな。手で触るのも無理です。いやぁ、気持ち悪かった。こればかりは理解出来ませんでした。
ゾラはやったぁ~!と喜びますが、チューズデーはうろたえます。ゾラは全然娘の気持ちを考えていないんですよね。ただ死なせたくないという自分の希望だけ。チューズデーの身体はボロボロで酷く苦しんでいるのに、そんな娘の状態は見ていないんです。そりゃ家族なら生きていて欲しいけど、苦しめるだけなら送ることも考えるべきでしょ。苦しいだけで治る見込みがないのなら、楽にしてあげることも家族が出来ることなんじゃないかと私は思いました。
デスを殺しちゃってからの展開は、ネタバレしたくないのであまり書きませんが、ちょっと笑っちゃうような展開でした。死を考える内容なのに、コメディっぽくて面白かったな。あまり重くせずに軽い感じで笑いながらも死と対峙した時の人間を描いていて、上手い脚本だなと思いました。あまり今までに観たことが無い感じです。私は好きでした。
命を消すコンゴウインコって面白いですよね。通常なら死神というと、大きなカマを持って黒装束でガイコツのような顔をしているイメージでしょ。そしてカマを振り下ろすと命が消えるのですが、デスは大きな羽を振り下ろすと命が消えるんです。そして大きさを変えることが出来て、人間の何倍もある大きな姿になったと思ったら、手に収まるくらいのサイズに縮んだり面白いんです。
デスとの会話でゾラが、神が転生させてくれるのかもと言う話をすると、君たちの神という存在はいないけど、それに近い存在はいるということを言うんです。デスがいう神に近い存在とはなんなんでしょうね。きっと命は続いていくし、命が消えてもまたどこかで命が生まれて、繰り返していくのでしょう。
少子化と言っているけど、年寄りが死なないと魂がガフの部屋に行かないから子供は生まれないよね。魂の数は決まっているだろうから、どこまでも人口が増えていくなんてあり得ないんです。何でそういう事に気が付かないのかなぁ。ある一定数になったら現象に転じるって解るでしょ。地球の大きさは変わらないんだからねぇ。
このお話、良かったです。デスくん、ずっとこんな仕事させられていたら嫌になるよね。本当に辛そうでしたし、顔や羽もボロボロだったもん。チューズデーにお風呂に入れて貰って、やっと綺麗になって嬉しそうでした。「黒執事」のアンダーテイカーも、きっとこのデスと同じように命を消すだけの仕事にうんざりしたんじゃないかな。境遇が似ていそうな気がして、ちょっとワクワクでした。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。これは良い映画でした。よく出来たファンタジーだと思います。もしデスのような死神がいるのなら、時々羽を休める場所を作ってあげたいな。これじゃメンタルが壊れてしまいます。こういう仕事だけど、デスはとても優しい鳥なんだと思いました。ある程度仕事をしたら、天国の鳥としてゆっくり暮らせるご褒美を貰えるのかな。癒してあげたいと思いました。この映画、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「終わりの鳥」