「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」大奥のとても悲しい女性たちの運命が描かれていて泣けました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

モノノ怪・唐傘との闘いからほどなくして、大奥に再び薬売りが姿を現す。大奥では歌山の後任である大友ボタンが厳格な差配を行っており、天子の寵愛を受ける御中臈・フキとの溝が深まっていた。やがて、突如として人が燃えあがり消し炭と化す人体発火事件が相次いで発生。モノノ怪の仕業と考えた薬売りは、大奥にうごめく闇へと足を踏み入れていく。

というお話です。

 

 

モノノ怪・唐傘との壮絶な戦いから程なくして、再び大奥に現れた薬売り。その大奥内では、先の事件の余波で変化が生じていた。総取締役だった歌山の後任となった名家の出身・大友ボタンは、規律と均衡を重んじて厳格な采配を振るう。その結果、天子の寵愛を一身に受ける叩き上げの御中臈・フキとの間に亀裂が生じる。

 

天子の正室である御台所の幸子が産んだ赤子の後見人選定が進む中、フキに訪れる状況を一変させる大きな事態。表を取り仕切る老中大友にとって都合の悪い火種である “望まれぬ子”を身籠ったフキに、男たちの策謀が次々と迫る。

 


 

錯綜する思惑、やがて暴走する“火消し”の策略。時を同じくして、突如として人が燃え上がり、消し炭と化す人体発火事件が連続して発生。モノノ怪の仕業とにらんだ薬売りは事態を収めようとするが、群れで行動し、神出鬼没の怪異に手を焼く。

 

この怪異の正体は「火鼠」の子供たちで、彼らはただ人を襲うだけではなく同時に母を探しているようだが、本体である火鼠の母親はなかなか姿を見せない。火鼠は何故、赤子を狙うものたちを襲うのか。自らを燃してもなお止まらぬ火鼠の情念がもたらす悲劇とは。薬売りはその謎を解き、モノノ怪を斬るための三様【形・真・理】を突き止めるべく大奥に巣食う闇へと足を踏み入れていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

モノノ怪、大奥篇の第2章は「火鼠」。今回は泣けるお話でした。「唐傘」も良かったんだけど、より話が深くなり、大奥のドロドロした部分を描いていました。今回描かれた部分は大奥の”肝”というか、跡継ぎ問題は大奥が存在する理由なので一番大切な部分ですよね。子供を産めるかどうかで、その”家”の運命が決まるんですから、そりゃ、どの家も必死ですよ。

 

でも産む女性にとっては、自分の子供が一番ですから跡継ぎになろうがどうしようが、大切な子供を無事に出産することが目的で、それに対して何かしてくる人間がいたら何としてでも排除しようと考える。当たり前のことなんですけど、そう簡単にはいかないんです。身内を簡単に切ることなんて出来ませんからね。

 

 

その悲しい大奥の運命が女性を苦しめていくことが描かれていて、私は結構、泣けました。これは可哀相でした。こんなことはあってはいけないことだし、天子様の子どもならば、何があっても無事に誕生させなければいけない。家柄も大切だろうけど、それ以上に跡継ぎは必要だし、裏方の思惑だけで生き死にを変えられてはいけないんです。

 

何故、火鼠が現れることになったのか。そこが肝心なんだけど、今回は薬売りも何度も火鼠と対峙して大変そうな戦いでした。最後の最後まで”理”が見つからないんです。ストーリーが上手く出来てたなぁ。これだけしっかりと作られていると、本当にドキドキワクワクして楽しめます。脚本が上手いですね。とても満足出来ました。

 

 

今回は坂下の過去も描かれていて、30年も使えているんだと言っていたから、この大奥は本当に昔からドロドロした世界だったんだなということが解りました。そんな昔から女性が苦しむことが続いていたのかと思うと、何故、誰も改革をしようとしなかったんだろうと思うけど、”お家大事”というのが第一に掲げられて、女性を子供を産む道具としてしか男たちが見ていなかったという現実に腹が立ちました。

 

今現代でもそういう考えを捨てきれない人間がいるようで腹が立ちます。タツノオトシコみたいに、女性が妊娠したら男性のお腹の中に入れなおして男性が育てるという事が出来るようになればいいよね。人工授精も出来るようになってきているのだから、それなら男性の腹の中に入れて、産めばいいんだよ。10ヵ月もお腹の中に入れているんだから、その苦しみを味わって欲しいし、産む苦しみを体験して欲しい。妊娠は病気じゃないけど、命に係わる大仕事なんです。

 

 

そんな事を感じるストーリーで、とても感動的でした。薬売りが今回も火鼠を退治するんだけど、なんか切なかったなぁ。成仏して楽になって、天に昇ってくれたならいいんだけどな。”唐傘”でも悲しい女性が消えていったけど、”火鼠”はそれ以上に苦しんで悲しんだ女性のお話だから辛かったです。

 

 

そして次回作の”蛇神”も発表されました。2026年春公開予定だそうです。2作通して、ガッツリと大奥の裏のドロドロを描いてきて、きっと3作目でその根底に流れる水との対決になるのでしょうね。大奥の水を司っている溝呂木北斗との対決になるだろうと思います。だって声が津田さんですもん、重要人物でしょ。

 

この大奥はもちろん天子様の跡継ぎのためのものだけど、それを操っているのがこの溝呂木だと思うんです。大奥に入ったらその水を飲みなさいと言われて、大奥の下の女中たちはみんな表情が無くなってますもんね。そして天子様の母親・水光院が溝呂木と組んでいるんじゃないかな。なんたって水光院という名前ですからね。どういう関係なのか、とても楽しみです。

 

 

この2作品のエンドロールで背景になっているのが、この水の宮殿らしきところでしょ。そして唐傘では、その井戸に女中を落としてたじゃないですか。死んだ女中たちのエキスが入っているって、マジで怖いっす。もう期待が膨らんじゃって、来年春まで待てないです。

 

火鼠ちゃん、可愛かったですよ。ねずみは子だくさんだから縁起が良い動物とされていて、ねずみグッズが大奥で人気なんです。そんな中で、坂下がある人物から貰ったねずみ柄の手ぬぐいをいつもクビから下げていて、それと同じものがグッズ販売されていました。ああー、あの手ぬぐいなんだと思ったけど、私は買わずに帰ってきちゃった。買えば良かったな。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これはよく出来ていたと思います。まず脚本が本当によく出来ています。そして映像は言うまでもなく、あの美しい絵が続いていて雰囲気がとても良いんです。とても満足出来る作品でした。海外アニメも頑張ってきているけど、やっぱりこの絵を見てしまうと、日本はダントツだなと思わざるを得ません。素晴らしいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」