「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」
を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
ヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタで生まれ育ったパレスチナ人の青年バーセルは、イスラエル軍の占領が進み、村人たちの家々が壊されていく故郷の様子を幼い頃からカメラに記録し、世界に発信していた。
そんな彼のもとにイスラエル人ジャーナリスト、ユヴァルが訪れる。パーセルのSNSを見ていたひとりだった。非人道的で暴力的な自国政府の行いに心を痛めていた彼は、バーセルの活動に協力しようと、危険を冒してこの村にやってきたのだった。
同じ想いで行動を共にし、少しずつ互いの境遇や気持ちを語り合ううちに、同じ年齢である2人の間には思いがけず友情が芽生えていく。しかしその間にも、軍の破壊行為は過激さを増し、彼らがカメラに収める映像にも、徐々に痛ましい犠牲者の姿が増えていくのだった。
という内容です。
この映画、ドキュメンタリーなのにまるでドラマのように目の前で人が撃たれて倒れたり、軍が一般人を逮捕したり、凄いことが起きるんです。あれ?これはドキュメンタリーだったはずだけど、と思ってしまうほど恐ろしい映像でした。今まで何十年も住んでいた場所からパレスチナ人が追い出されるという事なんです。
この問題、簡単に理解するのは難しいです。元々はエルサレムを聖地とするイスラム教徒の国パレスチナがありました。第一次世界大戦時にイギリスが資金集めのためにユダヤ人の国をパレスチナに作るのを手伝いますと言って資金調達したらしいんです。そしてユダヤ人がキリスト教の聖地でもあるエルサレムの場所にイスラエル(ユダヤ人の国)を設立しますと宣言してしまい、イギリスも承認してイスラエルが出来てしまいます。
これ酷いでしょ。日本で言えば、埼玉にクルド人が住んでいて、政府に沢山賄賂を贈ってここにクルドの国を作るぞ!と宣言してしまい、国民が政府に文句を言っても賄賂を貰っているから何も対処してくれないという事です。恐ろしいでしょ。
なのでパレスチナの人たちは、いきなりここがユダヤ人の国でイスラエル???となったと思うんです。その頃は情報手段が人伝えくらいしかないので、そりゃ寝耳に水だったと思います。そんな風にイスラエルになってしまったけど、そこには何代も一族が住み続けていたと思うのよ。だから何度も内戦が起こっているんです。
イスラエルになる前は、無法地帯で土地の権利とかされてなかったんじゃないかな。国として立ち上げるには”検知(土地や田畑の測量)”をして土地の持ち主の確定をしなければ、国としての面積も何もわからないし、そもそも税金を取れないでしょ。だからパレスチナの人々も悪いのよ。国として成り立ってなかったんだから。そこへ此れ幸いとユダヤ人が来て、自分たちの国だぞって宣言しちゃったから、取り返しがつかなくなったんだと思います。
イギリスを筆頭にヨーロッパの国々は、第二次世界戦争でドイツがユダヤ人迫害をして大量虐殺という悲劇を起こしてしまって、何かユダヤ人に優遇をしないとどうしようもない状況だったんだと思うんです。ヨーロッパじゃない場所にユダヤ人がまとまってくれるなら、それが一番都合が良かったんじゃないかな。
ユダヤ人は「ヴェニスの商人」でも解るように”金貸し”などをしていて金持ちだけど迫害されていた歴史があるので、ヨーロッパから出てくれるのが一番だと思ってエルサレムに建国と言ったときに諸手を上げて送り出したんじゃないかな。汚いよね、自分たちには何の影響もないんだから。困ったのはパレスチナの人たちだけ。今も扮装が続いていて、この映画のように家を追い出されていくところが無くなる人が続出しているんです。
日本だってこれだけ中国人が入ってきて、その上クルド人まで入ってきて、それぞれが建国とか言い出したらどうするんでしょ。その自治区だけで政府とかが作られたら、ちょっとしたことで内戦ですよ。日本人はあっという間に殺されちゃうか、奴隷のように使われてしまいます。
イスラエルのやり方は酷く強引で自分勝手だけど、それを許してしまったパレスチナの人々の責任でもあります。でもこの時代にしっかりした政府があるでもなく、パレスチナの方々は本当に知らない内に国を取られてしまったという事なのでしょう。”人の振り見て我が振り直せ”というけれど、日本だっていつ同じように中国などに国を奪われるかもしれません。能無し政府では国を売ってしまうかもしれない。気をつけないとね。
なんか、この映画についての感想じゃなくてごめんなさい。映画の感想を書かなきゃ。とにかく衝撃的な内容で驚きました。イスラエル人記者のユヴァルとラヘルがパレスチナ自治区へ入り、ネットで知り合ったパーセルとハムダーンと共に映像を撮り始めます。
パレスチナ自治区にはいくつも村があり、人々が住んでいます。とつぜんに国がイスラエルになってしまい、パレスチナ自治区と銘打たれたけど、それはイスラエル政府が勝手に決めたこと。土地はイスラエルとなってしまったので、土地の権利を持っていないんです。ということは不法占拠と見なされ、ブルトーザーで来て強制撤去されてしまいます。
いやぁ、凄いですよ。小学校の中で生徒が勉強していたのに、突然に来て子供たちを追い出して、建物を解体撤去するんです。これは驚いた。凄く簡単に壊れるんですよ。ユンボでガシッとしたらすぐに壊れちゃうの。日本家屋のように木造建築とかじゃないのよ。でも子供が勉強しているのに壊すなんて酷いよね。
もしかしたら何度もイスラエル政府から撤去しますよって通告されていたんじゃないかな。映画では映って無かったけど、何の警告も無く取り壊しに来るなんて酷いことをするのかな。いくらユダヤ人でも、そこまで常識が無いとは思えないんです。この映画はパレスチナ人側から撮影されているので、全面的にこれを信じてよいのかは判りません。そこら辺は自分でバランスを取らないと、全て信じてしまうと偏った考え方になってしまいます。
酷い映像がいくつもありました。これはそのままで良いとは思えません。だけど、同胞が大量虐殺されたユダヤ人が自分たちを守るために厳しく強い体制を作っているのも解らないわけではありません。どうしてもトラウマがあるのだと思います。そのトラウマを取り払って安心して住める国になれば、もしかしたらパレスチナ人とも並んで生きることが出来るのかもしれません。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。凄い映画ですが、イスラエルとパレスチナの現在の政治状態と歴史を考えたうえで判断しないと、ただ”かわいそう”と騒ぐ映画になってしまいます。こうなっている現況を理解してから判断すべき映画かなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」