「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
を観てきました。
ストーリーは、
1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。フォークミュージックシーンの中で、次第に世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」などと祭り上げられるようになるが、次第に違和感を抱くようになる。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。
というお話です。
1961年、ボブ・ディランは、難病で入院しているウディ・ガスリーに会いに行こうと、ヒッチハイクでニューヨークへ向かう。ディランは病院でガスリーと彼の親友ピート・シーガーに会う。ディランはガスリーのために書いた曲を演奏し、ピートはディランを家に招き泊まらせます。
ピートはディランを音楽仲間に紹介し、そこでシルヴィ・ルッソと出会い付き合い始め、彼女のアパートに引っ越します。同じ頃、ジョーン・バエズとも出会い、彼女のライブでピートはアルバート・グロスマンにディランを紹介します。グロスマンは直ぐにディランに目を付け、まずカバー曲でレコードを発売する。しかしレコードはあまり売れなかった。
シルヴィはヨーロッパへの旅行に出る前に、ディランにオリジナル曲を聞いて貰った方が良いと促し、彼もライブなどで自分のオリジナル曲を披露するようになりファンを増やしていく。バエズもディランのオリジナル曲を聞き、彼を認め、コラボを始めることにするが、私生活でも関係を始めてしまう。旅行から帰ったシルヴィは、バエズとの親密な姿を見て2人を疑い別れることに。
一気にスターに躍り出たディランだったがフォーク歌手としての彼に期待をしているファンばかりで、ディランのやりたい音楽は認めて貰えない。バエズとの共演も音楽性の違いが出てしまい上手く行かなくなる。
ディランは自由に自分の曲をやりたいと願い、1965年のフェスティバルで、周りからエレキギターを使うなという指示を無視し、自分のやりたい音楽を演奏してしまう。観客からのブーイングとフェス開催者からの中止命令を無視して演奏を続け観客を黙らせた。彼は自分の音楽を認めさせたのだ。
後は映画を観てくださいね。
この映画、凄く良かったです。私、”ボブ・ディラン”という名前は知っていたのですが、音楽をほとんど聞いたことが無くて、映画を観ていても曲は全く知りませんでしたが、とても気持ちが良い曲が多くて嬉しくなりました。この映画、ライブ部分がとても多いので、良い曲を聞いて気持ちよくなって寝てしまいそうになりましたよ。もちろん寝ませんでしたし、曲の部分だけ気持ち良くなったのでお話は面白く観させていただきました。
あまり気にしたことが無かったのですが、フォークソングのファンはロックを聞かされると怒るんですか?どちらも良い曲なら、気持ちよく乗れると思うんだけど頭が固いのかしら。ディランの曲はどれも気持ちよく聞こえて、私にはロックでさえも子守歌のように聞こえましたよ。
この曲でノーベル賞を貰ったというのがあまりにも凄くて驚きます。ノーベル文学賞ってミュージシャンにもくれるんだね。作詞の部分に対してくれたようですが、それまでは人間の心理、戦争、差別や偏見、不条理などを歌詞にして人の心情に訴えた音楽は無かったようで、それが認められたようです。そんなに素晴らしい歌詞だったんですね。
映画はディランの伝記映画なので、彼の1961年から1965年の動きを追って映画化されていました。写真を見たら、ボブ・ディランの若い頃って、本当にティモシー・シャラメに似ていて驚きました。こんな美青年だったんですね。今はお爺ちゃんだから解らないけど。でも素敵なお爺ちゃんですよね。お元気そうで何よりです。
映画ではライブ場面が本当に多くて、すべてティモシー・シャラメが歌っているようなのですが、これが上手いんです。私は本当のボブ・ディランさんの曲を知らないから、シャラメさんの歌が本物に思えて感動しました。最初にも書きましたが、聞いていて本当に気持ちが良いんです。ずーっと聞いていられるなと思いました。
なので、実は映画館を出た後すぐに、Amazonを開いてこの映画のサントラを購入してしまいました。もっと聞きたくなっちゃったんです。すぐに届くみたいだからスマホに入れなくちゃ。これは映画だけでなく音楽も魅力の一つだと思います。もちろん映画も良かったんだけど、曲が良かったなぁ。
お話としては、歌手のウディ・ガスリーを訪ねて一人の青年ディランが現れます。自分で曲を作って歌っているというので聞いてみるとこれが良くて、ガスリーの友人のピートがディランの面倒をみて有名になって行くというお話でした。ウディ・ガスリーさんは有名なフォーク歌手だったようです。
もちろんミュージシャンですから女性関係は派手で、色々な女性と浮名を流したようです。映画では2人の女性が出てきました。シルヴィ役のエル・ファニングが可愛かったなぁ。私ならどう考えてもジョーン・バエズではなくシルヴィを取るけど、音楽の感覚がバエズとは合ったのかな。歌は素晴らしかったです。
エドワード・ノートンがピート役で出演していました。このピート・シガーさんも有名なフォーク歌手なんですね。フォークソングだけで生きていたようなので、そりゃディランが突然にロックを歌い始めたら慌てるよなぁ。ピートはディランを止めようとしましたが、それはフェスの主催者や観客に対しての礼儀であり、きっとディランがロックに動かされていくのも良しとしていたのだと思いました。温かく見守ってくれるような人でした。
他にも色々な人が出てきたり、ディランの経歴や名前についても少し触れていましたが、あまり人物に対してはスポットを当てていない映画でした。彼の曲に対しての姿勢とライブを中心に描いていく映画なので、ディラン自身や周りの人物の詳しいことが知りたい方はWikiで調べてください。
ボブ・ディランというのは本名ではありません。本当はロバート・アレン・ジマーマンというという名前だったそうです。でも途中で改名したらしいです。映画の中でも描かれますが、出てきた時からボブ・ディランと名乗っていて、元の名前が嫌だったのか、後々、本当に戸籍上の名前も変えたそうです。何があったのかは判りません。
それにしてもティモシー・シャラメさん、歌が上手かった。今までミュージシャンの伝記映画を何作も観てきましたが、あまりにも歌が上手くて、映画館を出て直ぐにサントラを注文したというのは初めてです。それくらい衝撃的に上手かったんです。これからしばらくは、このサントラで生活するかなぁ。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は最高でした。映画としてはもう少し人物の詳しい経歴なども入れて欲しかったとは思うけど、でも、これだけボブ・ディランという人を認識させてくれたのは素晴らしいです。面白かったし、音楽が最高でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
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