「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」テューダー調のクズ王に聡明な王妃が勝てるかお楽しみ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ファイアーブランド 
ヘンリー8世最後の妻」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

16世紀の英国、テューダー朝。君主ヘンリー8世は、これまで5人の妻を処刑や追放、出産による死亡などで容赦なく切り捨ててきた。そんな彼の6番目の妻キャサリン・パーは、イングランド国教会を設立したヘンリーに反して、プロテスタントの信念に基づいて英国を光ある未来へ導きたいと願う。

というお話です。

 

 

16世紀の英国、テューダー朝。君主ヘンリー8世はこれまで5人の前妻を斬首、追放、出産死亡と絶対権威のためには容赦なく王妃を切り捨てていた。そして現在の王妃は、ヘンリー8世と望まぬ結婚をした6番目の妻キャサリン・パー。

 

イングランド国教会を設立したヘンリーに反して、キャサリンはプロテスタントの信念に基づき血塗られた国を光ある未来に導きたいと願っていた。国王と対立する立場であることを告発されてしまったキャサリンは、あらゆる政治的陰謀が絡み合う宮廷で”異端の証拠探し”に巻き込まれる。

 

 

キャサリンは以前の王妃の息子や娘を引き取りヘンリーの後継者として愛情深く育てており、子供たちはキャサリンの味方をしたがヘンリーは話を聞かずにキャサリンを幽閉してしまう。子供たちは反抗し、特にエリザベスはヘンリー王の考え方を否定していた。

 

キャサリンは前妻たちのように国王に首をはねられるのか、それとも病に蝕まれた国王が先に死ぬか。息を呑む生存をかけた戦いが始まる!後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、映画自体のお話はそれほど面白いとは言えませんが、この時代の歴史が凄く面白いんです。まずヘンリー8世の妻であるキャサリンが産んだ娘がメアリー王女、エリザベス・ブラント(愛妾)の子供がヘンリー王子、メアリー・ブーリン(愛妾)は2人の子供を、アン・ブーリンは結婚しなければ関係を持たないと言い、キャサリン妃と離婚して追放し、アン・ブーリンは王妃となりエリザベスを産みます。

 

このアン・ブーリンとの結婚のためにローマ教皇と対立し、イギリス国教会を設立してしまいます。何故なら離婚が許されなかったからです。このアン・ブーリンのお話は映画にもなっているので、そちらを観てください。そしてアンの娘のエリザベスはのちのエリザベス女王1世となるので、そちらも映画で確認してください。

 

 

アン・ブーリンは処刑され、その後2人の女性と結婚離婚を繰り返し、最後にキャサリン・パーとの結婚をします。このキャサリン妃はとても聡明な方で、今のイギリス国教会は間違っているということを理解していたので、正しいキリスト教の教えにそった考え方に変えようと動いていたんです。それを咎められて窮地に立たされることになります。

 

だっておかしいでしょ。離婚してはいけないと言っていたから、それならと言ってイギリス国教会を勝手に作って離婚はOKです、やりたいようにやって良いですという教えに変えてしまうんです。でも聖書を崇めているんですよ。おかしいでしょ。聖書に書いてあるのに、その部分だけを見ないことにして、他は一応聖書に沿った教えにしているなんて。

 

キリスト教でも現代では離婚は出来るんじゃないかな。カトリックはダメでプロテスタントはOKだったかしら。私は信者ではないので判りませんが、現代では随分と考え方が緩和されていますよね。でも、昔は厳しかったのだと思います。なのでローマ教皇と決裂して、イギリス国教会の発足となったのだと思います。

 

 

キャサリン・パーは頭の良い女性で、イギリス国教会を信仰している振りをしながら、隠れてプロテスタント関係の本を読んだり、自由な考え方を子供たちに教えるんです。彼女の教育により、メアリーはカトリックを信仰し、エリザベスはプロテスタントを信仰し、イギリス内では宗教戦争のようなことが起こり、王位の変換が起こります。

 

メアリーが王位についた時はカトリック、エリザベスが王位についた時はプロテスタントと、イギリスの国教会は変わっていくんです。この時代の王位と宗教の関係のお話はとても面白いので、ぜひ、ケイト・ブランシェットさんが主演の映画「エリザベス」を観て欲しいです。

 

 

この映画はあまり宣伝も無かったし、上映館も少ないようですが、イギリスの歴史で一番面白い”エリザベス”の時代の前に何があったのかを描いており、イギリスの歴史を楽しむにはぜひ観るべき映画だと思います。このヘンリー8世はめちゃくちゃダメダメな王だったようですからね。大体、6度も結婚して、離婚するために冤罪で死刑にしたり、追放したり、とんでもないんですよ。

 

現代でもいるでしょ。若い彼女が出来たから離婚してくれと言う男。そんな勝手が通るのは君主になってからにせーよ。大した年収も貰ってないのに何が彼女だよ。アホかって思っちゃう。慰謝料と養育費が払えるなら良いけど、年収から考えて新しい奥さんに子供が出来たら払えなくなるんじゃないの?浮気するなら考えてやれよと思うけど、このテューダー調時代は離婚したくなったら奥さんを冤罪で死刑にしちゃうとか凄いやり方ですよね。やるなぁ~と思いました。心底クズだったんですね。

 

 

そんなクズ役をジュード・ロウが演じていて、おーい、その顔でクズなんかいっ!と思っちゃった。私は若いダンブルドアのイメージが強いので、ちょっと悲しかったです。ま、役だから仕方ないんですけどね。もちろんクズ役をやってもジュード・ロウは好きですよ。見捨てたりはしません。

 

とにかくこの映画、面白いです。この映画だけを観るのではなく、ここに出てくる人々に関する映画を観て、歴史を考えることで凄く面白くなるんです。この映画だけだとクズ男が妻は味方じゃなかった~って騒いで殺そうとするけど、失敗するというお話にしか見えないので、膨らまして観て欲しいです。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。但し、「エリザベス」「ブーリン家の姉妹」「ふたりの女王」という3作品を一緒に観ていただけると、この時代の歴史が凄く面白く観れるようになります。併せて観て欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」