「Four Daughters フォー・ドーターズ」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ドキュメンタリー映画なので内容は、
チュニジアの母オルファと4人の娘たちの平穏な暮らしは、長女ゴフランと次女ラフマの突然の失踪により崩れ去る。後の衝撃的な発見があり二人はIS(イスラム国)に身を投じていたのだ。
まだ15歳、16歳だった姉妹は、母オルファが出稼ぎに出ている間、最初はガングロ的な化粧で日本で言う不良のような遊びをし始めましたが、母親が帰ってきて凄く怒り叩いてから、おかしな方向に向かってしまったようでした。ヒジャブで全身を隠し、目のみ見えるようにして暮らし始め、時にはトランス状態になり倒れたりしていたようです。下の妹たちは怖がっていました。
そして突然にゴフランが失踪し、ラフマもその後を追って失踪したんです。喪失感を抱えて生きる母と残された姉妹の物語に、一人の映画監督が光を当てる。姿を消した姉たち2人を女優が演じることで、記憶は新たな形で蘇っていく。
カメラの前で、家族は笑い、涙し、そして心の深くに封印した想いと向き合っていく。しかし心の傷は癒されていない。
というお話です。
チュニジアの家族のお話でした。母親と4人の娘で暮らしており、父親はもちろんいたのですが母親の考え方がキツくてあまり寄り付かなくなったのかなと思います。母親のオルファは結婚した時から夫にSEXをさせず、お金が欲しい時だけ求めに応じていたようです。”お金のためにやらせてやるんだ。”というような事を言っていて、ちょっと常識外れかなと思いました。
そんなに嫌なら結婚しなければ良いし、まして娘を4人も産んでおいてよくそんな事が言えるなと思いました。チュニジアはリビアや他のイスラム教国よりかは開かれていて、衣服はほとんど西洋と同じで、ヒジャブはほとんど着る人がいないような国です。ですので、宗教的に無理やり女性が結婚させられることもないし、まして2021年に初の女性首相が誕生しているほど女性の強い国です。そんなに結婚が嫌なら断ればよいんです。
結婚しておいて夫にSEXは嫌だと言い、お金が欲しい時だけやらせたとか言うのって、娘たちに酷いと思いませんか。もう、最初にオルファのこの言葉を聞いたことで、そりゃ、あなたの娘がイスラム国に入ったのはあなたの教育のせいですよと言いたくなりました。母親がお金のために父親と寝ていたとか聞いたら娘はショックを受けますよね。そう思っても、娘には聞かせるべきじゃありません。
そんな衝撃的な母親の話から始まったドキュメンタリー映画。それだけじゃなく、もっと衝撃的な話がいくつも出てきます。4人の娘たちはそんな母親に育てられ、母親の元には父親ではない男性が一緒にいたようです。娘たちはそれが自分たちの父親かと思っていたようで、心を許していたようなのですが、ある時から母親が目的ではなく、娘に悪戯をしていたようです。それを涙ながらに娘たちが話しました。おいおい、どう考えても母親のオルファがダメダメな母親でしょ。毒親ですよ。
オルファは何か問題があると娘たちに口だけではなく暴力も振るっていたようで、それも娘たちの教育に悪い影響を与えたのかなと思いました。ゴフランはイスラム教に狂信的になり、ヒジャブを毎日着て、何か罪を犯した場合にはベルトで鞭打ちをし始めます。妹たちも打って、自分も罪を犯したら自分で身体を打っていたようでした。もうちょっとおかしいですよね。
ゴフランは突然に倒れてひきつけを起こし、まるで悪魔に憑かれたようになるんです。イスラム教のエクソシストのような人が来て悪魔祓いをしていましたが、15歳くらいの女性で思春期に宗教などを妄信してしまうと、自分が罪を犯すのは悪魔が入っているからだと思い込んで、こんな状態になったりするのかもしれません。ヴァチカンのエクソシストでも言っていましたが、悪魔憑き現象と言われるほとんどが精神的な問題なので、このゴフランもそうだったのだと思います。
2人の姉妹は家から失踪し、イスラム国で指導者らしき男の妻となり子供まで産んで、リビアにて逮捕されて収監されたようです。そのニュースが映画の中でも流れますが、ゴフランが産んだ子供は8歳くらいになっていたのかな。
母親のオルファは娘たちを取り戻したいと思っていたようですが、妹のエヤとテイシールはもう戻ってきて欲しくない、自分たちに関わって欲しくないと思っているようでした。この気持ち、凄く解ります。下の2人の妹は、姉が誘拐しにくる恐れがあると言われてしばらくは施設に保護されて生活をしていました。恐ろしいですよね。姉が妹たちも洗脳して連れていこうとしていたなんて。ゴフランが妹のラフマを洗脳して連れて行ったのだと思いますよ。
この映画、ご本人の役は本人が演じて、居なくなった姉2人の役は役者が演じていました。なので、とてもリアルです。どこから狂信的に変わってしまうのか。何が原因だったのか。イスラム国の誰かが無理やり連れて行ったのではなく、彼女が自分の考えでわざわざイスラム国の仲間がいる所まで行ったのですから、何か原因があるはずですよね。そしてこの映画を観ていると、身勝手な母親が少なからず原因を作っているのではないかと考えました。
母親には母親の人生があるし、オルファは娘を愛しているんだろうけど、どこか違うんです。彼女の考え方が娘たちを追い詰めていったような気がしました。でもオルファ自身はそのことに気付かないんでしょうね。振り回される娘たちは可哀相だなと思いました。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。皆さんにも観ていただいて考えて欲しいんです。チュニジアはイスラム教国の中でも緩い方で女性にも自由がある国です。と言いながらイスラムの教えを守り続けており、母親のオルファは娘が悪いことをすれば注意をしますがその怒り方が何か違う気がしました。娘は何が正しくて何が間違いなのか分からなくなったのではないかと思います。可愛そうなお話でした。でももう誰のせいとかは言うべき時期じゃなく、そんな女性たちを助け出す手立てを考えるべきですよね。考えさせられました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「Four Daughters フォー・ドーターズ」