「ベイビーガール」自分の性癖を隠して生きるのは辛いと思うから解放してくれる人は神様に思えるよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ベイビーガール」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

ニューヨークでCEOとして成功を収めたロミーは、舞台演出家の夫ジェイコブや子どもたちに囲まれ、幸せな生活を送っていた。ある時、ロミーはインターンの青年サミュエルが気になり、彼はロミーの欲望を見抜いて近づいてくる。止めようとするが、逆に主導権を握られ、2人のパワーバランスは逆転していく。
というお話です。

 

 

ニューヨーク市にあるロボット自動化企業の最高経営責任者であるロミー・マティスは演出家の夫ジェイコブや子供たちに囲まれてしあわせな生活を送っていたのだが、ジェイコブとの性生活には不満を抱いていた。

ある日、仕事に行く途中、会社の前で犬に襲われそうになりますが、若い男が立ち止まって犬を落ち着かせます。ホッとしたロミーは社に入りインターンの訪問を受けます。そのインターンの中に犬を沈めた青年サミュエルがいることに気が付きます。

その日からロミーはサミュエルが気になり、サミュエルはロミーをインターン中のメンター(助言者)に指名します。インターンとメンターは個人面接時間が儲けられ、仕事に関しての質問などをする権利がありますが、サミュエルはロミーに近づき、ロミーも求められるままにキスをしてしまいます。



 

ロミーは自分がCEOだからサミュエルが無理をして行為に答えたのではないかと心配しますが、サミュエルはパワハラとして訴え出ることが出来る自分の方が力を持っており、ロミーが自分に従うべき状況なのだと言います。そしてホテルに呼び出し”服従したいんだろ”と支配的なSEXをしてロミーを満足させます。

 

その日から2人は行為を重ねていくが、ある日、サミュエルがロミーの秘書であるエスメと付き合い始めたと告白し、ロミーはサミュエルに自分だけのモノでいて欲しいと訴えますが…。後は、映画を観てくださいね。


 

うーん、この映画をどう説明したらいいのかなぁ。性の不一致で若い男に手を出しちゃったCEOってことで真剣な話ととるか、笑っちゃう話と取るかは人それぞれかもしれないけど、私は何だこれ!?と笑ってしまいました。男と女のパワーバランスと年齢差の感覚の違いが顕著に描かれていて、面白いなぁと思いました。

 

主人公のロミーは色々な企業のオートメーション化を請け負って、ロボット化して経費削減などを進める企業らしいんです。人を使うのではなく、人間に従うロボットを使っての仕事を進める人間です。その上、自分はCEOなので全てを従えている人間。トップオブトップなので、自分は一切従う事が無いんです。

 

 

それってあまり理解して貰えないけど、凄いストレスなんですよ。上から抑えつけられることも無く、自分が選択をして決定しなければならない。従う方が凄く楽なんです。言われることをやっていればいいんですから。もちろん下の者が意見を言ったりするけど、それに決定を下すのはCEOでしょ。部下は言いたいこと言うだけで責任はない。

 

能力のある人間に多いと思いますが、自分は成功してきたけど、何でこんなに成功したのか分からない。いくつもの助言は受けてきたし、人に世話にもなってきたけど、誰もこうしろああしろと命令した人はいなかった。なので、ふわっとした感じでCEOになっちゃったという人の方が成功してますよね。努力して考えて争ってCEOになった人って、あまり大成しないんです。

 

このロミーもそんなに苦労をしたCEOじゃないと思うんです。能力がある人物なので、思い通りに行動していたら成功したんじゃないかな。だから人を引っ張っていくと言うのには長けているんだけど、引っ張ってくれる人に出会ってこなかったから、それも性癖に出たんじゃないかと思いました。

 

 

ロミーは私と同年代くらいの意識なのかな、古い考え方が頭に残っている人なんだと思います。だからどこか男性より1歩引いているし、SEXなどに関しても女がこうして欲しいという要望を言うのはみっともないという意識があるんじゃないかな。だから、夫にこうして欲しいとかが言えないんだと思うんです。

 

一方、若いサミュエルは、男女など関係なく欲望を前面に押し出していいじゃないかという考え方なんじゃないかな。彼は人間に対しても犬に対しても、少し上に立って包み込んで助けてくれるようなオーラがあるのだと思います。だから犬も一瞬で大人しくなったのだろうし、具合が悪い人も落ち着かせることが出来るのだろうと思いました。

 

このサミュエル、ロミーには理想の男性象だったと思います。優しいけど上に立って彼女を支配し、ロミーは彼に言われた通りに動くしかないという気持ちにさせてくれる。これSMとは違うんですよね。虐める方と虐められる方という構図じゃなくて、ロミーは気持ち的に縛り付けられるというのが快感なんじゃないかと思うんです。相手に支配されるのが快感なんです。それを満たしてくれるサミュエルは良かったんだろうなぁ。

 

 

でもロミーはCEOだし、部下に手を出したとなればその役職を追われるかもしれない。だからそんな事は出来ないと言いながらも、そのスリルにハマっていったんじゃないかな。ホラー映画で怖いけど観たいっていう欲望があるじゃないですか。あれと一緒で、怖いけどやってみたいという気持ちだったんじゃないかな。

 

今も昔もだけど、あまりSEXでこうしたいとかああしたいとかって言いにくいと思いませんか?若い人は言えるという人もいるけど、それならもっと女性相手の風俗が増えてもいいだろうと思うのよ。ストレートになってきているとは言え、やっぱり言いにくいよね。でも行為に入ったら女性が主導権を握ってもいい時代になったんじゃないかな。

 

まぁきっと、これからもロミーは強く生きていけるんじゃないなと思いました。あまり詳しくは書けないけど、最後の方で重役の男性に対して、”何を言おうが怖くない。部屋から出ていけ。”と言い放っていたので、いいぞいいぞ~!って思っちゃった。何を言われようが、欲望を出すことは間違っていた訳じゃないと解って、また一つ大きくなったんじゃないかな。

 

 

いやぁ、なんかカッコいいように描いているけど、途中で何度も笑っちゃうのよ。例えば”おすわり”と言われた犬が、最初はウロウロしながらも最後にはご主人様の前にピタッと座る感じをニコールが演じているんです。それに夫ジェイコブをバンデラスが演じていて、こちらも不整脈が出た時にサミュエルに”よーしよしよし”と言われるとなんか頭をくっつけて懐いて落ち着いてしまうという犬家族になっていて、笑っちゃったなぁ。

 

もうサミュエルは犬の訓練学校の先生みたくなっちゃうのよね。エロティックスリラーといいながら、犬の訓練校みたくなっていて笑っちゃいました。でもこの時に、もしかしたらサミュエルは2人の妄想の中の人で、2人がお互いを理解し合うために作ったのかもしれないと思うほどでした。まぁ、実際にいた人物だとは思いますけどね。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。面白かったし、性癖がこうなんだって言えちゃっていれば、こんな問題は起きていなかっただろうけど、一人、外からの男性が入ったことで、一気に夫婦仲が良くなったねって思えば、まぁ、良かったんじゃないかな。なんだか笑っちゃう内容でしたが、これ、真剣に観た方が良かったのかなぁ。私はクスクス笑えて楽しかったです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ベイビーガール」