「ベルサイユのばら」
を観てきました。
ストーリーは、
将軍家の跡取りで“息子”として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。隣国オーストリアから嫁いできた王妃マリー・アントワネット。オスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ。容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。18世紀後半のベルサイユで出会った彼らは、激動の時代に翻弄されながらも、それぞれの人生を懸命に生きぬいていく。
というお話です。
将軍家の跡取りで、“息子”として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。男子のいなかったジャルジェ家は末娘のオスカルを女ながら男として育て、のちにルイ16世の妻となられる方の従者となるため近衛連隊に所属させていた。
隣国オーストリアから嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット。その類まれなる美しさは国民の称賛を得ていた。マリーの従者となったオスカルは、常に彼女の近くに控えており、彼女を守りながらも寂しい王妃の話し相手にもなっていた。
ある日、退屈したマリーは宮殿の外の舞踏会へ行きたいと言い出し、止めることが出来ず、オスカルは護衛としてついていった。するとその舞踏会で容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンと出会う。マリーに話しかけようとするフェルゼンを遮ったオスカルは、マリーアントワネット様には謁見で話すようにと促す。
そんな出会いから始まったオスカルとマリーアントワネットとフェルゼン。3人はのちにフランスの動乱に巻き込まれていくとは、今は想像もつかない。そんなオスカルを支えるオスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ。彼もまた、オスカルへの苦しい思いを胸に秘めていた。
彼らは栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで、時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を美しく生きる。後は、映画を観てくださいね。
いやぁ、ベルばら久しぶりですねぇ。何度かアニメ化されていて、一度、実写化もされました。実写は酷かったけどね。TVアニメはクオリティも良くて、必死で観ていました。そして今回の映画です。背景などは美しいんだけど、時々、キャラクターの顔が崩れていて違和感がありました。MAPPAが制作だから大丈夫だと思っていたんだけど、時々崩れましたね。あれ、反転画像を使ってたんじゃないかな。バランスが悪いのよ。
そんな映像もありましたが、全体的には満足出来る映像でした。そしてお話なのですが、今回はメインがオスカルで、オスカルの一生のダイジェスト版という感じでした。まぁ、2時間であのボリュームを描けるとは思っていなかったけど、これ、原作漫画ありきの内容でしたね。デュバリー婦人の事件も一瞬で終わりましたし、マリーアントワネットの処刑までのお話はナレーションだけで終わりました。原作を読んでいないと全く解りません。
まぁ、ベルばらを読んでいない人が映画を観に来るとは思っていないんだと思うので良いんですけどね。それにしても、この原作漫画は1972年に描かれたもので、もう50年以上前の作品なのに今観ても全く色褪せないという事に驚きます。観ていて本当に面白いですもん。ルイ16世やマリーアントワネットは歴史上の人物ですが、オスカルとアンドレは想像上のもので、よくこの時代にジェンダーモノを描いていたよなぁと驚きます。
オスカルは男として育てられ、マリーアントワネットの近衛隊として宮廷に仕えています。段々と政治的状況が悪くなり、国民の不満が溜まり革命へという流れになって行くのですが、その時に王室に付くのか、国民に付くのか、貴族として生きてきたオスカルがどう決断するのかという展開が面白いんですよね。これは本当に名作です。日本の漫画なのに、フランスの歴史小説を越えているよなぁといつも思っています。だって、この漫画が無かったら、フランス革命なんて覚えてませんから。
そんなオスカルメインの今作、ストーリーはもちろん素晴らしいし、漫画を読んでいる人向けということでしたら、このダイジェスト版でも問題ありません。人物の絵が崩れていたのが気になったことと、時々ストップモーションでキラキラお花が舞い、少女漫画ですっ!と主張するような絵に笑ってしまいました。確かに昔はそういう絵にトキめいていましたが、映画で見ると笑えるなぁ。つい、ブハッを吹いてしまいました。
そんなこんな文句も書いていますが、ベルサイユのばらが、今アニメーションとして制作されて映画で公開されるという事に驚きと喜びを感じます。昔の少女漫画は素晴らしかったんですよ。今のようなベタなラブストーリーばかりでは無かったんです。歴史上の事実などを盛り込んで描いていたり、SFもレベルが現在とは格段に違いました。
あの頃の少女漫画を題材にしてアニメ化や実写化が出来たなら、面白い作品が沢山出来るんじゃないかな。でも、現代だとコンプラ違反になる作品が多いのかしら。ベルサイユのばらを筆頭に、キャンディキャンディ、はみだしっ子、はいからさんが通る、エースをねらえ、ポーの一族、ファラオの墓、地球へ、妖精王などなど、上げたらキリがありません。どれも素晴らしい作品で映画化されれば凄いと思うんですけどね。
話を戻して、今回のベルばら、良かったです。こんなオバサンになっても、子供の頃に読んだ素晴らしい漫画が画面で観れるなんてしあわせです。私のように半世紀生きた人間をも、こんなに楽しませてくれるなんて、本当によい時代だと思います。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。但し、原作を読んでいて、この時代の少女漫画に思い入れのある私の感想なので、違う年代の方にはどうかなと思います。少し絵も崩れますし、文句を言う方もいらっしゃるかもしれないけど、私は楽しめました。お目目キラキラの少女漫画を読んでいた昔の少女諸君には喜んで貰えるかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ベルサイユのばら」