「遺書、公開。」序列に支配され、お互いにけん制し合う人間たちの汚さが描かれています。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「遺書、公開。」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

新学期の春、私立灰嶺学園の2年D組に、生徒24人と担任教師の明確な順位を記した「序列」が届けられる。犯人が解らないまま半年が過ぎたある日、誰もが羨む序列1位の姫山椿が、校内で謎の死を遂げる。葬儀の後、クラスの全員に姫山から遺書が届き、生徒らのドス黒い本性が次々とあぶりだされていく。

というお話です。

 

 

1学期の春、2年D組の生徒にSNSで送られてきた【序列】。そこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。タチの悪いイタズラだとしたら、誰が何のために決めたものなのか?犯人が分からないまま時は過ぎ、ある日、誰もが羨む序列1位の姫山椿が学内で自殺した。

葬儀の次の日、クラス全員に姫山からの遺書が届く。朝、机の上に遺書が置いてあったのだ。死んだ姫山の遺書がなぜ教室に? 1位の彼女はそもそもなぜ自殺したのか? 遺書は本当に姫山が書いたものなのか?

 


 

衝撃の事態の中、姫山の自殺の真相に迫るべく、25人全員が自分の遺書をクラスメイトの前で公開することになる。だが彼らは知らなかった。その日から、学級崩壊までのカウントダウンが始まってしまったことを。死者から明かされる衝撃の真実を、あなたは知りたいですか?


それでは、遺書公開を始めます。24人の生徒と担任が次々と遺書を読んでいく。どの遺書にも賛辞と礼が書いてあったが、その内容に深い意味があることに生徒たちは気が付いていない。何人も読む内に遺書に隠された裏の真実が暴かれ、やがて「序列」を作った本人が開かされていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、同名コミックを実写映画化したものです。高校2年のD組にクラスでの序列が送られてきたことが発端となります。そもそも序列とは何ぞや?となりますが、どーもクラスで誰が総合的に見て魅力的なのかというランクのようでした。人に好かれて成績が良く、容姿も良くて万能、みたいな人がランク1番になるのかな。その基本に沿って26人(25人の生徒と担任)の順番が決められたようです。

 

でもね、これ誰が決めたのか解らないし、勝手に決めた序列でしょ。それをクラスの生徒が全て納得して、半年間もこだわって過ごしてしまっているというのが不思議でした。こんなリストが貼られたらムカつくでしょ。それなら今度は自分が納得いくような内容のリストを作って貼りだす、って事をするんじゃないの?クラス全員が自分が思うリストを作って、クラスの掲示板に貼るってことをしそうなきがするんだけどな。

 

 

私なら、すぐに自分が考える序列のリストを貼りだすと思うんだけど、このクラス、誰も自分でリストを作ろうとする人がいないんです。半年前に勝手に貼りだされた序列を信用して、姫山に1位だもんねと褒めながらも裏でドロドロとした嫉妬のようなものを抱いているんです。

 

なので姫山は半年間ずっと嫉妬の気持ちをぶつけられていたということなんです。怖いでしょ。よく我慢していたと思います。何故、序列1位の姫山が自殺したのかというけど、この状況なら当たり前かなと私は思いました。姫山を殺したのは序列を作った人物なんです。

 

そして自殺した姫山が遺書をクラス全員に当てて書いていたんです。そんなもの受け取ったらゾッとするよね。恨み言が書いてあるかもと思って、私なら見たくないと思います。でも、もしかしたらこの遺書を読んでみれば、何故彼女が自殺をしたのかという理由が解るかもと言って、クラスみんなで全員に当てられた遺書を読んでいくんです。

 

 

はっきり言って良い事ばかり書いてあり、さようならという手紙でした。でもね、それぞれ個人の状況が解ってくると、その内容が実はその人物を批判していたり、バカにしていたりするんです。いつもクラスメイトとニコニコ話をして、人あたりが良く悪口なんて決して言わなさそうな姫山でしたが、実はクラスメイトの裏の顔を知っていて、酷い当てつけのような言葉を書いているんです。

 

それが解ってくると、この遺書、本当に姫山が書いているのかということになってきます。あまりにもみんなが抱いていた姫山の姿と内容が違い過ぎるからなんです。あまり姫山と絡んでいなかった人は解らないけど、いつも傍にいた人たちは、遺書の内容に違和感を感じたんです。

 

このクラスで序列が作られ、半年後に自殺したクラスメイトが全員に遺書を残した。これどう考えても繋がっていると考えるのが普通でしょ。序列を作った人間が遺書にも関わっているんじゃないかと思うでしょ。私なら思うけどな。でも池永がそれを言うまで誰も気が付かないんです。何で”この遺書はおかしい”と思わないのかなと凄く不思議でした。

 

 

密室劇で面白い構成だと思いましたが、ちょっと内容に違和感があったかな。面白い内容なんだけどこの序列という考え方が、私のような昭和生まれの人間にはシックリこなくて、違和感が残りました。私の年代はというか私は、人との優劣に無頓着で誰かと比べてということに興味が無く、何が出来るのかということにばかり気を取られていたので、他人はどうでも良かったと言うのが本音です。

 

もちろん学生時代はコニュニケーションを取らないと孤立してしまうし友達もいましたが、だからって誰かと比べることは無かったな。今もですが、申し訳ないけど他人はどうでも良いんです。今自分が出来る事、自分は人よりもこれが上手く出来ていると感じていることを続けていて、劣等感を感じることは一切ありません。もし自分より上手い人がいれば、凄いなと尊敬するだけでそれ以上はありません。

 

なので、序列ってなんだよって思うのよ。1位だからって成績が良くもなく美人でもなくスタイルが良くもなく運動神経が良いでもなく、考えていくと飛びぬけて素晴らしい人間でもないのに何で1位なの?そしてそれを受け入れているの?私なら序列を見ても私が一番なのになと思ってすぐに興味を失くすけど。

 

 

人の言葉を真に受けて、それを受け入れてしまうって悪い癖だと思います。自分の考えを優先して良いんですよ。傲慢な考え方と言われようとずうずうしいと言われようと、別に他人に良く見られなくてもいいじゃん。自分を好きでいることが一番です。自分が好きなら自殺は無いでしょ。でも、もし苦しくてどうしようもなかったら自殺の選択肢もありですよ。逃げることは悪くないです。まぁ、自殺をする前に他の逃げ方も探して欲しいけどね。

 

この映画、遺書の公開によってクラスの生徒たちがいかに人と比べて生きているのかということが解るお話でした。今の子はこんなに人と比べているんだね。自分は自分人は人なんだから、他人を気にして生きる必要は無いんだよ。そこに気が付いて欲しいと思いました。

 

最後に、この出来事を全て仕掛けた犯人が解るのですが、私はサイコパスだなと思いました。人を殺したりするんじゃないけど、人を苦しませて楽しめるという性癖はサイコパスでしょ。こういうヤツ関わりたくないな。まず序列が貼りだされた時点でもっと調べて良いと思うんだけどね。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。現代の高校生くらいの子たちが、こんなにも人との優劣を気にしているのかということが解ります。これは教育方針が悪いんじゃないかな。もっと個人を大切にするような教育を進めるべきなんじゃないの?親が他の子と比べるからこうなっちゃったんじゃないの?子供の自殺が増えている現代、考えるべきことだと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「遺書、公開。」