「嗤う蟲」相手が一人なら何とかなるけど村人が集団で迫ってくる恐ろしさは尋常じゃありません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「嗤う蟲」

 

を観てきました。

 

ストーリーは

田舎での暮らしに憧れるイラストレーターの杏奈は、脱サラした夫・輝道とともに麻宮村に移住する。自治会長の田久保を信奉し、お節介を焼く村民たちに辟易しながらも、2人は新天地を満喫する。ある日、村民の中に田久保を畏怖する者がいることを知った杏奈は、次第に不信感を抱くようになっていく。

というお話です。

 

 

田舎暮らしに憧れるイラストレーターの杏奈は、脱サラした夫・輝道と共に都会を離れ、麻宮村に移住する。杏奈はリモートワークで仕事は続けられるし、夫は無農薬野菜を栽培したいと農業を勉強しながら続けていく決意をしていた。そんな2人を喜んで受け入れてくれた麻宮村の村民たちは、自治会長の田久保のことを過剰なまでに信奉していた。


二人は、村民たちの度を越えたおせっかいに辟易しながらも新天地でのスローライフを満喫する。そんな生活のなかで杏奈は、麻宮村の村民のなかには田久保を畏怖する者たちもいることに気が付き、不信感を抱くようになっていく。

 

 

そんな時、杏奈の妊娠が発覚する。2人は喜び、一応、田久保に報告をすると、村を上げてのお祝いとなり、以前にもましておせっかいが酷くなる。田久保の妻は杏奈に付きっ切りとなり、田久保は輝道に畑以外に田久保の仕事を手伝わないかと誘われる。最初は断るのだが、どうしても断れなくなり手伝うことに。


輝道は仕事を手伝うようになり、麻宮村の隠された<掟>を知ってしまう。辞めてしまいたいが、家族に危害が及ぶことを恐れて何もすることが出来ない。杏奈も輝道もどんどん自由が無くなっていき、まるで村民に監視されているようになって行く。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、怪物が出てきたり、幽霊や霊が襲ってきたりするのではありませんが、凄く怖いホラー映画で人間の怖さがよく描かれていました。それに気持ち悪いんですよ。人間ってマジでキモち悪いと思っちゃいました。演技だけでこんなにも怖く感じるんですね。驚きました。

 

主人公の杏奈と輝道は、スローライフを求めて田舎に移住します。都会と同じような感じで村に来た2人は、村独特の暮らし方に少し驚きます。都会では、近所付き合いなどほどんどなく、他人の生活に口出しをするなどは許されませんよね。プライバシーの侵害になってしまうので、その暮らしぶりに物申すなんてやってはいけないことだと、この2人は思っていたのだと思います。

 

 

ですが、この村に来たら、口に戸は立てられないと言うように、誰かに話すと次の瞬間には村人全員が知っているというような様子なんです。村長の田久保さんが中心になり、村は一つにまとまっていて、何をやるにも田久保さんに相談をしているようでした。凄く怖いですよね。他人が家の中まで勝手にずかずかと上がってくるんですよ。

 

それでも田舎生活に憧れていた2人は良い方に考えていて、心配で助けてくれているんだと思っていたんです。だって、引っ越し祝いだと言って”妊娠検査薬”をくれたり、田久保さんや奥さんが子供はまだかと毎日のように聞いてくるんです。完全にハラスメントでしょ。でも、村人たちはハラスメントなんて言葉を知らないんじゃないかという様子でした。

 

 

杏奈たちの家のお隣に住んでいる三橋さんも良くしてくれるのですがどこかおかしくて、何か不思議だなと思っていると、どーも田久保さんと上手く行っていないようだと解ります。移住してきたけど子供が生まれず、三橋も不器用な人間のようで、田久保さんに嫌われていたようなんです。この三橋、大変なことになって行くのですが、それは観て確認してください。怖かった。

 

そして村の本当の秘密はネタバレになるので書けませんが、確かにこんなこともあるのかもしれないなぁと考えてしまいました。農業だけでは食べていけず、大した産業も何もない田舎で、何で村人が暮らしていこうかと考えた結果、こういう事もあり得るような気がします。悪いことなんだけど、でも死活問題ですから村人が全員でグルになっていれば出来るのかなと思いました。

 

 

それにしても、主人公の杏奈は凄い豪快な性格だなと思いました。通常、怖くて出来ないようなことを平気でしていたので驚きました。でも杏奈が頑張ったから家族3人とも助かることが出来たのかなと思います。あ、助かるって言っちゃったけど、まぁ、この映画は助かるまでの内容が重要なので、ちゃんと助かりますとだけ書いておきます。

 

いくら村人だからって、警察官までもがグルになっていたらどうしようもありませんよね。誰にも訴えられないからどうしたら良いんでしょう。村から出て訴えるしかないと思うけど、輝道は田久保さんに仕事を手伝わされていて、連れ出したら怪しまれるし、子供は生まれたばかりなので守らなきゃいけない。杏奈の行動力は素晴らしいと思いました。あなたのおかげで家族は生き残ったのよ。母ちゃん凄い!

 

 

杏奈はリモートでイラストレーターの仕事をしていますが、ネットは快適に繋がっているようで、それなら結構発展している村なのかなと思いますよね。スマホも使えて、ネットも快適というなら、もっと外部との情報が行き来していて、村の秘密も外部に漏れそうな気がするけど、見た感じは本当に孤立している村のようでした。ちょっとそこら辺は不思議でした。

 

田久保を演じる田口トモロヲさんが怖いんです。優しそうに笑ってくれるんだけど、裏に黒い影があるようで恐ろしいんです。この田久保が村人を先導して、裏切り者が出ないように統制していたと思います。田口さんの演技が怖くて、いつ何をされるかと思って村人がビビっている様子が直ぐに解るんです。

 

深川さんと若葉さんの若夫婦が、本当にそこら辺にいる夫婦のようで真実味に溢れていました。本当に普通の夫婦が住む場所によってどんどん変わっていくというのも怖かったです。もし、そこに引っ越さなかったら、当たり前の夫婦として農業で生活をしていけたんじゃないかな。引っ越すなら色々と調べてからじゃなきゃいけませんね。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。面白くてよく出来ていると思いました。ホラー映画なので、幽霊が出てきたり、ゾンビが襲ってきたりしちゃうのかなと思ったら、全く違って、人間の集団の怖さが描かれていて、本当に怖かったです。え?どうなっちゃうの?!という感じで、いつ何をされるのかドキドキしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「嗤う蟲」