「ロード・オブ・ザ・リング
ローハンの戦い」
を観てきました。
ストーリーは、
誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラは国民守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。
というお話です。
偉大な王ヘルムに護られ、人間の国ローハンの人々は平和に暮らしていた。ある日、ダンランドの領主フレカが、ヘラの幼馴染である息子ウルフとともにヘルム王の館にやって来る。フレカはローハンの王位を奪うためにヘラをウルフと結婚させろと強要するがヘルム王は拒み、フレカとの素手での一騎打ちを望む。
ヘルムとフレカは館の外で殴り合いを始めるが、ヘルムは意図せずフレカを一撃で殺してしまい、ウルフは打ちのめされ、復讐を誓い、ローハンを去ります。しばらくして狂ったように迫ってくる象に遭遇したヘラ。何かの伝染病にかかっているようでサウロンの戦士も同じく伝染病で死んでいた。何とかやり過ごし倒すことが出来るが、そこでウルフの臣下ターグ将軍に遭遇し、拉致される。
目を覚ますとウルフの国におり、ウルフはダンレンディングの王となって、ローハンを攻める準備をしていた。人間以外の味方も付けていたウルフにローハンを攻めるのを止めて欲しいとサラは頼んで結婚を申し出るが決裂する。そこへオルウィンが助けに入り救出に成功する。
ローハンに帰りヘルム王にウルフの事を話し、国民を逃がすべきだとヘラは話すが、ヘルム王は迎え撃つと決め、戦いの準備を始める。しかしウルフは十分な準備を済ませ、万全の体制で攻めてくる。そしてヘラは味方の中に裏切り者がいることに気が付き…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、良かったです。2日前にロード・オブ・ザ・リング 王の帰還を観たので、何となく場所の名前とか歴史も解って良かったです。これ、全く知らないと解らないんじゃないかな。解っても、この時代の事しか解らないから、うすーい話に思えてしまうかもしれません。
あの指輪の戦いから200年ほど前のお話です。ローハンがヘルム王に統治されており平和だったときから、一気に滅ぼされそうになってしまう戦いを描いています。発端は、ヘルム王の家臣であったフレカが欲をかいて王の地位まで欲しくなり、息子のウルフに王の娘ヘラを娶らせて、息子を王にしようと目論んだところから始まります。
ヘルム王はそんなことは許す訳もなく、素手での一対一の決闘を申し込み戦い始めたら、ヘルム王の一発でフレカが死んでしまうんです。え?アゴの辺りを殴っただけだけど??という感じで死んでしまい、息子のウルフが復讐を誓うという流れでした。この1発で死んだときは、事故か誰かの策略なのかなと思ったのですがそうではなく、ただヘルム王が怪力で強かったってだけのようでした。観ていて驚きましたよ。そして復讐の連鎖が起きて大きな戦いになって行きます。
ロード・オブ・ザ・リングでは「二つの塔」でサルマンに支配されている国がローハンで、王のセオデンが途中で正気に戻りサルマンと戦い、そして最終的にサウロンを打ち負かすんでしたよね。この映画では、平和になり王位を継いだ者が協力してくれる魔法使いとしてサルマンを紹介していました。この頃は、まだサウロンの脅威が少なかったからサルマンも協力的だったのかな。
話をこのローハンの戦いに戻しますが、この戦いって、どう考えてもヘラが最初にウルフとの結婚を承諾していれば問題無かったような気がしたのは私だけなのだろうか。だって、ウルフはヘラが好きなんだからヘラが王位を継がせなければよかったんでしょ。ヘラは結婚する気が無かったかもしれないけど、国民のためなら嫌な結婚だって承諾するのが王家の人間じゃないの?
それに長男次男がいるのだから、鍛え上げればフレカやウルフには負けなかったんじゃないかな。ヘルム王があんなに怪物みたいに強かったんだから、鍛えれば兄も同じようになるでしょ。その上で戦いを避けるためにはヘラが結婚するなら、問題解決だったんじゃないかな。王家の人間なのに我儘に育ちすぎです。
この時代にそろそろサウロンの力が強くなってきていてよいと思うのですが、あまりサウロンの影が見えませんでした。暴れ象が伝染病にかかっているような内容があり、あれがサウロンの国から来ていて、悪をまき散らし始めているという感じなのかな。私には”もののけ姫”のイノシシの祟り神と同じように見えました。出てきかたが全く同じなので、パクリ?と思っちゃった。
内容に関しては、壮大なお話の1つの戦いだけなので、まぁ、こんなもんかなと思いましたが、ちょっとヘラを強くしすぎかな。ヘラは人間なのだから力技では男には勝てないと思うので、知恵で勝てるような戦いにして欲しかったと思います。
そしてアニメーションの映像ですが、自然だけの絵柄は綺麗なんだけど人物がまるで昭和のTVアニメのようにベタッとしていて、せっかく劇場版なのに残念でした。まるでセル画で描いて撮影しているように見えて美しく無かったなぁ。今TVでも映像は凄く美しいし、もっと立体的な映像になりますよね。
監督は神山さんだし、一応、SOLA Entertainmentがアニメを作っていると思うんだけど、時間的なものとか下請けが海外だったりとか、細かい指示は上手く出来なかったのかしら。動きに関してもキレが無いんです。ディフォルメを使って迫力を出して欲しかったんだけど、それもあまりありませんでした。日本のアニメーターたちは凄い細かく指示を出して映像化しているけど、まだまだ技術が付いてこないのかもしれません。
ロード・オブ・ザ・リングとしては、ちょっとお粗末な仕上がりだったような気がします。監督が頑張っても、アニメーターたちに技術が無かったら難しいですからね。かといって、これを実写化したらいくらかかるのか、何年かかるのかとなるので、アニメにしたのは正解だったのかな。今度はもう少しアニメのレベルを上げて、大画面で美しいアニメを作って欲しいです。Production I.G系列の会社だから実力を出せば綺麗なアニメになると思うんだけどなぁ。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。私は一応、ロード・オブ・ザ・リングのファンなので、映画化されたのは嬉しいですし、ある程度は楽しめました。文句も書きましたが、それでもガンダルフ、サルマンの名前が聞けたのは嬉しかったです。でも、これ、ロード・オブ・ザ・リングとホビットの冒険を知らない人が観ても、世界観が解らないと思いました。そこら辺は考えて、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」