「ふたりで終わらせる
IT ENDS WITH US」
を観てきました。
ストーリーは、
ボストンにやってきた若い女性リリー。そこで彼女は脳神経外科医のライルと知り合い恋に落ちる。幸せな日々を過ごす2人だったが、彼らはそれぞれ過去に秘密を抱えていた。ライルの愛は次第に歪んでいき、それによってリリーは過去のある記憶を呼び覚ます。自分の信じる未来を手にするため、リリーは過去の自分自身と向き合い、ある決意を胸にする。
というお話です。
父親の死後に実家に駆け付けたリリー。父の死目には会えなかった。母親に葬式のスピーチを頼まれたが、どうしても話すことが出来ずに飛び出して家に帰ってしまう。その夜、家の近くのマンションの屋上で父のことを思い出しているとある男性がやってきて屋上のイスを蹴り上げている。見ていると近づいてきて話しかけ、嫌な事があったらしい。脳神経外科医のライルと名乗った男性にリリーという名前を告げ分かれる。
数日後、理想のフラワーショップを開くという夢を実現すべく、ボストンで店舗物件を借りたリリー。そこへアリッサという女性が訪ねてきて気が合い、一緒に働いてもらうことにする。仲良くなったアリッサが夫を連れて店を訪ね、彼女の兄も一緒に訪れ、彼がライルだった。アリッサの兄がライルだったのだ。
一気に盛り上がるリリーとライル。そしてクールでセクシーな脳神経外科医ライルと情熱的な恋に落ちる。幸せで穏やかな日々を過ごす二人だったが、リリーを大切に想うライルの愛は、次第に望まぬ形で加速してゆく。それは彼女が封じたかつ ての記憶を呼び覚ますものだった。自分の信じる未来を手にするため、リリーは過去の自分自身と向き 合い、ある決意を胸にする。後は、映画を観てくださいね。
この映画、考えさせられました。女性は観た方がよい作品だと思います。いつもは幸せな日々を過ごせていても、ある時突然に夫が暴力を振るったりした場合、その時だけだからと思うべきか別れるべきか、判断に困りますよね。でもね、一度暴力を振るうことが解ったら本当は別れるべきなんです。
人間って一度でも暴力で決着しようとした人は、また同じことをします。暴力を振るえば自分の困った状況から逃げれると思ってしまっているからです。そんなことは無いと言うかたもいるかもしれませんが、暴力を振るうという行為は窮地に立った時にとっさに出るものなので、その人の根本から出ているんですよね。だから簡単に治す事なんて出来ないんです。
私はDVの方とお付き合いも結婚もしたことがありませんが、結構、それで悩んでいる方っていらっしゃるんですよね。友人でもありましたし、お客様でもありました。友達なら相談に乗って手伝いも出来ますが、お客様に相談された時は困りました。話を聞くことしか出来ませんから。ご主人も奥様も自分のお客様なので片方のいうことだけを信じる訳にいかず、少しづつ距離を置きました。
映画では主人公のリリーが悩むことになるのですが、元々、自分の父親が母親にDVをしていたのを子供の頃から見ていたんです。何とかしたかったけど母親が我慢していたので、何もすることが出来なかったんです。そんなトラウマを抱えたまま大人になり、自分も恋をして結婚に至るのですが、同じ問題が自分にも起こるという内容なんです。
リリーの夫・ライルは穏やかだし優しいしイケメンだし、医者で人を救っているという一見完璧な夫なんです。付き合っていても結婚することになっても、何の問題も無かったのですが、ある日、リリーの元カレが目の前に現れてから、嫉妬が酷くなるんです。独占欲が強いんでしょうね。自分だけを見ていて欲しいというタイプなのだと思いました。
そしてリリーの元カレ・アトラスと問題を起こしてしまうんです。そこから不安定になり、リリーにも手を出してしまったりがあるんです。それはダメだよね。普段は良いからと言っても、何かあって追い詰められると暴力が出てしまうというのは抑えられないと思いました。
もちろんリリーは悩みます。夫を愛しているし、普段はとても優しい夫なので決断が出来ないんです。観ていて、そりゃそうだろうなぁ~と思いました。そう簡単に結論は出ませんよね。だって、それまでの二人の歴史があるじゃないですか。しあわせな日々が思い出されて、楽しかったことを忘れられないんです。
花屋さんを経営しているリリーは花屋として成功していて、経済的には一人でも全く問題は無いんです。独り立ちしているので、夫に養ってもらわなければと言うことは無く、いつでも別れられる状況ではありますが、心の部分は簡単に割り切れません。好きで結婚したのだし、簡単に、はい、別れましょうとはならないと思います。
リリーの元カレ・アトラスが関わってくるのですが、リリーは昔のことだと割り切っているんです。今はライルだけを思っているのに、そういってもライルは信じてくれません。疑う気持ちも分かるけど、そこは自信を持ってリリーを支えていくべきだと思ったけどね。根性座ってない人なんです。
色々とありますが、最後にリリーが出す決断はどういうものなのか、ぜひ観て欲しい。自分が我慢すればよいという決断は何の進歩も無いし、周りの人をも不幸にするし、DVをしてしまう本人のためにもならないと思います。家でDVが容認されてしまえば、段々と他人に対してもそれが許されると思ってしまいます。誰もしあわせにはなりません。
そんなことを考えさせてくれる良い作品でした。作家コリーン・フーバーさんが自身の体験をもとに執筆したベストセラー小説だそうです。リリー役のブレイク・ライブリーさんが制作に加わり、ライル役のジャスティン・バルドーニさんが監督をされたそうです。監督は自分が悪い役を演じるから遠慮が無かったのかな。結構、ライルは悪く描かれていて可哀想だなって思いました。これはアトラスの方が良い役だよねぇ。うんうん。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。良い映画だと思いました。もし同じような目に合っている方がいらしたら、決断して欲しいと思います。我慢すればいいとは決して思ってはいけません。最後にリリーがライルに言う言葉が決定的です。今の自分ではなく、未来を考えて決断すべきなんです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」