「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」
を観てきました。
ストーリーは、
理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた女性が現れる。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。
というお話です。
アニメーション:スターのジョーカーはレッドカーペットを歩きステージへ向かいますが影が一人で動きだし、ジョーカー演じるアーサーと影のジョーカーとがバラバラになり、ステージへもアーサーのジョーカーと影のジョーカーが上がり歌を披露し、そこへ3人の警官が入ってきてアーサーをボコボコにして連れて行きます。
実写:アーサー・フレックは2年前に犯した殺人罪で裁判を待つためにアーカム州立病院に拘留されていた。彼の弁護士メリーアン・スチュワートは、アーサーは解離性同一性障害を患っており、彼の中の「ジョーカー」人格が犯罪の原因であると主張するだった。
病院には軽い患者の病棟があり、面会の為にその病棟を通ると、音楽療法がおこなわれていた。アーサーはそこに参加していた女性に目を止める。彼女はハーリーン・リー・クインゼル。軽い病棟の患者だった。リーはアーサーと同じ地域で育ったと言い、アーサーの境遇を理解し共感出来るのは私だけだと豪語する。
ある日、リーは病院でのレクリエーションで映画を観ている最中にピアノに火を放ち、火事を起こしてアーサーと建物の外へ逃げ出す。脱獄はしなかったもののアーサーは独房に入れられ、そこへリーが訪ねて退院することを伝え、裁判には必ず出席すると言って出ていく。
裁判当日、地方検事補はアーサーの精神異常を否定する証人を召喚。アーサーはリーを頼るが、休憩中に弁護士は、リーは実は上流階級で育った精神科の学生で医者である彼女の父親は生きており、彼女は自らアーカムに入院したことを告げる。リーを疑うアーサーだったが、面会に来たリーは自分が妊娠しており彼が住んでいたアパートを借りて待っていると告げる。
翌日の裁判でアーサーは弁護士を解任し、自分自身で弁護をすることにし、ジョーカーの扮装をして一人で法廷に立つのだが。後は、映画を観てくださいね。
ちょっとあらすじが長くなっちゃった。この後に凄いことが起きて賛否が分かれるんだと思うんだけどね。私は感動しました。この終り方ならバットマンのジョーカーが何度でも生き返ってくる訳も解るし、ハーレイがジョーカー一筋に愛していたのも理解出来るんです。ま、ハーレイはスーサイド・スクワッドなどでジョーカーと別れたと言っているけどね。
この映画は前作で、幼少時に親に虐待され、その後もヤングケアラーとして苦労をしていたアーサー・フレックという男性が、ある日、キレてしまい自分の夢であったコメディアンに扮して社会に復讐をし始めてジョーカーと名乗ったことから社会現象になったという所までが描かれましたよね。
そして殺人の罪で逮捕されたアーサーは、拘置所に入れられて裁判を待っているというところから始まります。アーサーではあるけどジョーカーじゃないんです。なので前かがみで情けない男の顔なんです。でもね、リーと出会ってから段々と自信をつけてジョーカーに表情が変わっていくんですよ。
弁護士のメリーアンはアーサーが多重人格でジョーカーという人格が出た時に殺人を犯しているから病気なんだという主張をしてアーサーを無罪にしようとするんです。なので普段はアーサーでいて貰わないと困るでしょ。でもリーはアーサーじゃなくてジョーカーを愛しているので、いつもジョーカーでいて欲しい。2人の女性の間で振り回されるんです。
アーサーはジョーカーの生みの親だけど、社会現象になった後はジョーカーが独り歩きしてしまい、リーもそうだけどイメージ先行になっちゃってるんです。だから弱々のアーサーなんて誰も見ていないんですよ。彼にジョーカーを求めているので、強くて誰もが支持しているジョーカーでいてくれないと困るんだけど、アーサーは殺人罪で死刑になるかもしれないので、ジョーカーであってはいけないんです。凄い話でしょ。
メリーアンに指示されている時は彼女の言うように、殺したことを覚えていないとか意識が無いとか答えるんだけど、リーと出会ってジョーカーでしょと言われると自分がやりたくてやったと言い出すんです。そんな状況の中でも根本は優しいアーサーなので、お友達や知り合いの顔を見るとどうしても優しさが出てしまい、ジョーカーじゃない顔がのぞいてしまう。
このストーリーが上手いなぁと思いました。これ、何で賛否なんだろう。元々、ジョーカーというのはバットマンの敵で、悪の象徴でしょ。だから誰がジョーカーかなんて関係ないんです。誰かがいなくなれば、また新しいジョーカーが出てくる。社会の中から同じジョーカーが出てくるんです。アーサーはきっかけだけで、ジョーカーが生まれるような社会の最初の犠牲者がたまたま彼だったというだけなんです。だから、ジョーカーは日本でもどんな国でも生まれるかもしれない。
もしかしたらハーレイ・クインと呼ばれる女性も最初はリーだったけど、同じように彼女のような人が新しいジョーカーに付いていたのかもしれないし、もしかしたらリーが新しいジョーカーを創り出していたのかもしれない。ジョーカーもハーレイ・クインも、どこの誰がなってもおかしくないんです。この映画は、その最初の出来事っていうだけ。
私だって、ジョーカーのように悪いことをしても何の罪悪感も抱かず殺人だって平気で出来て、自分の基準で悪い奴を潰していくことが出来たらやってしまうかもしれません。それほどにキレてしまうほどの事があれば、誰だってそうなるかもしれない可能性はあるんです。だから、映画の中にジョーカーの扮装をした人物が沢山出てくるんですよね。社会現象になっているから誰でもがジョーカーになれるんです。
この時のゴッサムシティは貧富の差が開き、酷い状態だったことがうかがえる描写がありますよね。だからブルース・ウェインの両親が強盗に殺されて、バットマンになるきっかけになったんでしょ。
そんな時代に社会の犠牲になったアーサーは可哀相な被害者だと思います。そして自分の欲しか考えない周りの女性により潰されたんです。結局アーサーは母親に虐待され、それから逃れてもメリーアンに意思を指図され、リーにジョーカーとして生きろと強要されて、全て女性によって潰されてしまった男性なんですよね。
考えさせられました。え??と思うようなラストではありましたが、こうなることでバットマンのジョーカーに繋げたのだと思いましたい。凄い発想だなと思いました。いやぁ、どうやってあのジョーカーに繋げるのかなと思っていたのですが、これなら繋がりますし、不死身のジョーカーという意味が解ります。うん、凄いなと思いました。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画も深読み出来ないと面白くないと思います。ただ、かわいそうなアーサーを憐れんでの映画ではありません。彼がまき散らしたジョーカーの種は世界に広がってしまったんです。恐ろしい話でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」
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