「傲慢と善良」
を観てきました。
ストーリーは、
長年交際していた恋人にフラれたことをきっかけに、マッチングアプリで婚活を始めた西澤架。そこで出会った控えめで気の利く坂庭真実と付き合い始めたものの、1年経っても結婚に踏み切れずにいた。ある日、真実がストーカーに狙われていることを知った架は、彼女を守るためようやく婚約を決意するが、真実は突然姿を消してしまう
というお話です。
仕事も恋愛も順調だった架だったが長年つきあった彼女にフラれ、マッチングアプリで婚活を始める。何人もの女性とデートをしてみるのだが、どーも付き合いたいと思う女性に巡り合えない。既に20人以上と会っていたがマッチングアプリでは難しいのかと思い始めたころ、待ち合わせの時間より凄く早く来て本を読んでいる女性に巡り合う。
そこで出会った控えめで気の利く真実と付き合い始めた架は充実した日々を送り、既に1年経ってしまった。今の状況に満足していた架だが、どーも結婚に踏み切れずにいた。ある日、真実からストーカーの存在を告白された直後、「架くん、助けて!」と恐怖に怯えた着信を受ける。驚いた架は直ぐに真実を迎えに行き、事なきを得る。
彼女を守らなければと思った架は彼女に一緒に住むことを提案し、ようやく婚約することに。しかし結婚の準備を始め、職場を退職した真実はその日、突然姿を消した。架は、彼女の両親、姉、友人、同僚、過去の恋人を訪ね居場所を探すうちに、架は知りたくなかった彼女の過去と嘘を知ることになる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、原作が有名のようですが私は読んでいません。お見合いとかマッチングアプリとか結婚が題材の内容があまり好きではないので、今回は映画だけにしてしまいました。
設定的には架は30代前半なのかな。彼女にフラれてしまい、マッチングアプリで婚活を始めたという始まりでした。今どき、出会いなんて少ないから、マッチングアプリが知り合うきっかけとして多いのかしら。条件を入れてそれに合う人が紹介されるのかな。私はやったことが無いので、どうなるのかよく分かりませんが、自分が望む条件の人が紹介されるんだから便利ですよね。
架は何人もの女性とデートをする場面があるのですが、毎回、デートに高級時計を着けていくんです。イヤな男だなぁとその時点で思っちゃった。金持ちなら良いと思う女性が多いんだろうな。こんな時計を身に着けている時点で、軽薄で自分が大好きなアホ男と思わないのかしら。完全にモラハラ夫になるタイプだよね。ま、決めつけはいけないけど、まず企業の経営者でヤリ手なら時計に金かけないでしょ。
で、アプリで知り合った女性・真実と付き合い始めるんだけど、彼女は大人しくて一生懸命やってるけどちょっとドン臭い感じの女性でした。男性からするとそれも可愛いのかもしれませんね。実は彼女は子供の頃から母親に厳しく”女とは”ということを刷り込まれてきた女性でした。なのでお金持ちと結婚して専業主婦となって子供を産んで育てることをするのが当たり前で、それからハズれた女は出来損ないと思っているんです。
真実は母親に刷り込まれた価値観を取り払いたいと思いながらも、どうしてもそれが付いて回っていて苦しんでいるようでした。そんな彼女が架と出会って付き合い始めたので、1年も付き合っていて結婚に発展しないというのがもどかしかったのだと思います。現に架は前に付き合っていた女性にフラれた原因が、付き合っているだけで先の結婚も何も考えていなかったからなんです。そりゃ、女はムカつきますよね。
そして結婚することが決まったのに、架の前から真実が姿を消します。ここら辺でやっと「傲慢と善良」の意味が出てくるわけです。確かにお見合いとかマッチングアプリで自分の望む条件で相手を選ぶ訳だから”傲慢”ではありますよね。だけど結婚する年齢になれば自我が目覚めているし、自分の価値観と合わなければ一緒にいられませんから仕方がないことだと思います。それを傲慢と言われるのはちょっとおかしいと思いました。
善良というのは合っているかなと思いました。親の言うとおりに良い子で育ってきて価値観もそのまま受け継いでいるから、親から見れば、とても正直で良い子なんだと思います。でも社会一般から考えて、生存本能が低く自分からは何も出来ない、言われたことしかやらないという子ばかりなんじゃないかな。そういう子って多いですよね。
ホント、自分で調べてやってみようという人が少なくて驚きます。教えてくれないっていうけど、マニュアルを渡してるからね。教えるとパワハラだとか言われるから、最近はマニュアルを渡すのが常識です。何をやっても人のせいで自分は悪くないと主張する人ばかり。こんな責任感の無い人達が結婚するから子供がいても浮気をしたりギャンブルしたり平気でするんですよ。
はぁ、文句ばかりになってしまう。映画の話に戻るけど、この架の周りの友人も嫌な奴ばかりでしたね。特に女の友人が酷かった。どんなに友人でも、それは言ったら傷つくだろうなってことあるでしょ。架の女友達は極悪でしたね。何か理由があって嘘をついていた子がいたら、それは知らないふりしようよ。それ暴く必要ないでしょ。そういうデリカシーの無い女って段々と人が離れていくし、男たちも相手にしないよね。怖いもん。真実が標的にされて可哀相でした。
まぁ、色々な出来事があって真実の事が解っていきますが、そんなに驚くような子ではありません。普通の子です。ただ、真実は善良な子だったので自分の嘘に耐えられなかっただけなんです。だから他の人々よりもよっぽどマトモな人間なのだと思いました。普通はその嘘を飲み込んで、そのまま突っ走っている人ばかりですからね。罪悪感で消えたのなら、それだけ正直で良い人間だということです。
人って、何の気なしに話している言葉で人を傷つけていることがあるでしょ。でもその時は気が付いていないんです。なので、もし傷ついて耐えられないような事なら「今の言葉は傷ついた」と言ってよいんじゃないかな。私は性格が悪いので、傷つく言葉を言われたら、嫌がらせでその倍返しの言葉を言うので相手が言葉を噤みますが、二度と同じような事は言ってきません。
私のやり方はあまり良い方法ではありませんが、二度と同じ嫌な気持ちを味わいたくなければ相手に言わなきゃ解らないです。この真実も、自分から嫌な事は嫌と言わなければ改善しないんです。架は天然と言ってよいくらい鈍い男だったので、まぁ、こんな出来事がなければ、お互いに分かり合う事なんて出来なかったのかもしれませんね。
私はこの映画、良い映画かなと思いました。結構リアルな恋愛の姿を描いていて楽しめました。でも、きっと若い人たちにはリアルすぎて自分たちに重ねてしまうのかもしれません。でもさ、焦って結婚なんてしなくて良いし、無理して誰かと付き合うなんて必要もないし、自分の好きなことだけをしていてもいいんですよ。好きな人が出来たら一緒にいればよいし、結婚しても良いし、嫌になったら離婚すればよい。凝り固まった価値観なんて捨てて良いんです。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。今どきの恋愛事情というか結婚事情を描いていて「傲慢と善良」という言葉の意味が現代を言い当てていて、何とも言えない気持ちになります。悪いことじゃないですよ。傲慢と善良は今の常識と言われている通りのことなんです。でもあまりリアルは考えたくないですよね。いつも夢を見ながら恋愛したいですもんね。そんな事を思う映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「傲慢と善良」