「憑依」
を観てきました。今回は少しネタバレしています。
ストーリーは、
インチキ祈祷師のチョン博士は除霊と称した儀式でお金を稼いでいた。ある日、ユギョンという女性が悪霊にとり憑かれた妹を助けて欲しいと依頼する。いつものように偽の除霊を行おうとするとチョン博士が持つ2つの呪具・鈴と七星剣が反応する。実は彼は祈祷師の末裔だった。チョン博士とユギョンは悪霊に立ち向かうが、その正体は次々と人に憑依して襲い来る恐ろしい悪鬼だった。
というお話です。
霊が全く視えないインチキ祈祷師?のチョン博士は助手のインベと共に言葉巧みに依頼人を騙し、除霊と称した儀式でお金を儲けていた。遠隔操作で風を吹かせたり音を出したりと怖がらせ、タイミングを見てその家で迷惑がられているモノをターゲットにして壊し、「除霊が終わりました」と帰ってくるのだ。もちろんお金はたんまりといただいてくる。
ある日、事務所にユギョンという若い女性が悪霊に取り憑いた妹を助けて欲しいという依頼をしにくる。美しいユギョンに喜こんだインベは仕事を受けようというが、若い女性がお金を持っている訳がないと断ろうとするチョン博士。驚くことにユギョンはバッグいんべから大量のお金を出したのだった。気分を良くしたチョン博士は直ぐに仕事をしようと動き出す。
直ぐに現場へ向かい、いつものように偽の除霊を行おうとすると、妹の人間離れした動きと気配からチョン博士の持っていた鈴と七星剣が反応する。妹は何かに取り付かれ、謎の一団に誘拐されてしまう。この鈴、実は鳴らない鈴で、七星剣は呪いなどに反応する呪物なのだ。
実はチョンは伝統ある祈祷師の末裔で、彼が小さい頃に起きた忌まわしい出来事により素性を隠して生きていた。ファン社長がチョンを隠して育ててきたのだ。チョンとユギョンはさらわれた妹を取り返す為に一団を追い、悪霊と対峙する。敵の霊の正体は古くからいる悪鬼で人間を器(うつわ)に次々と憑依して襲いかかって来る。いつどこで誰に憑依するか分からない恐怖のなか、やがて博士自身にまつわる重大な秘密も明らかとなっていく。後は、映画を観てくださいね。
この映画、邦題が悪いんですよ。「憑依」って確かに悪鬼が憑依して襲ってくるけど、それよりもカン・ドンウォンさんが凄いアクションで戦ってくれて、ホラー映画というよりも”呪術廻戦”っぽいアクションコメディで、アニメや漫画が好きな人には楽しめる映画なんだけどなぁ。もったいないです。ウェブコミックが原作なので、ホラーアクションコメディという感じかしら。
内容は、祈祷師一族の血を継ぐチョンは子供の頃からその能力を発揮していました。ある日、頑張っている弟に自分の作った御札を交換してやり喜ばせていたのですが、それが仇となったのか、悪鬼が弟を連れ去り、祖父が取り返そうとして2人とも亡くなったのでした。それ以降、チョンは力を使う事もせず、祈祷師の一族であることを隠して生きてきたんです。
でも受け継がれた鈴と七星剣は持っており、身を守っていたんです。この七星剣、悪鬼と祖父の戦いで折れてしまい、半分しか残っていません。それでも十分な力を発揮していました。チョンは、札を作ったりは上手いですが、祈りを捧げて悪鬼を封印するという力は、まだ祖父に教わっていなかったんじゃないかな。なので、剣で戦うしかありません。
それでアクションになる訳です。悪鬼はチョンの祖父と弟を殺した奴で、祖父が封印したけど、また復活してきたようなんです。で、祈祷師の血を継ぐチョンを倒して封印を完全に解いて地上に出ようとしていたんです。まだ、完全に復活出来ていないので、色々な人間に憑依して、その人間にチョンたちを襲わせていたんです。
ストーリーを観ると、ウェブコミックの作者は日本の漫画やアニメを読んでそれをパクッてぐるぐるかき回したような感じで作ったんじゃないかな。だって”孔雀王”っぽい部分もあったし、”呪術廻戦”っぽい部分もあるし、”地獄先生ぬ~べ~””陰陽師””などなどを思い出すような雰囲気がありましたもん。たしかに日本の漫画は面白いけど、表面だけ真似しても深い部分の面白さは取り入れられないかもしれません。
カン・ドンウォンさんがカッコよくて、とても似合っていたんです。本気でアクションコメディとしてシリーズ化すれば、もっと人気出たんじゃないの?持っていた刀も”七支刀”っぽい感じでカッコ良かったしね。もう少しインチキ祈祷師の部分をスタイリッシュにしてアクションを派手にしたら、アジア系のコンスタンティンになれたかもしれない。相手は悪魔じゃなくて悪鬼だったけどね。
私は本当に勿体ないと思いました。こんなに面白いのに駄作のような扱いをされて、邦題も「憑依」ってつけられちゃったら、なんか悪魔祓いのホラー映画で怖そうじゃないですか。こんなに明るくて楽しかったのに。まぁ、悪鬼と戦うんだから怖いけど、でも”呪詛”とかとは全然違うからね。笑って怖い映画ですから。
要望を言わせて貰うとすれば、ユギョンは霊や悪鬼が見えるんだからチョンと出会ったことで、何か覚醒してくれたら面白かったな。こういうパーティを組んで戦う作品なら、浄化や癒しが出来る人間が欲しいでしょ。武器調達はインベだし、ファン社長はバックアップしていたから、浄化が足りないのよね。あー、ロープレやりすぎかしら。(笑)
それともう一つ、悪鬼がイマイチ強くなかったかな。憑依して襲ってくるだけで、呪文で何か苦しめるような力は無かったように見えました。まぁ、まだ完全体じゃなかったからこれくらいにしたのかもしれません。もうちょっと頑張って欲しかったかな。
この映画、邦題と宣伝によっては人が入る作品だったと思うんです。アジア版コンスタンティンだもん。上映する映画館も少ないし、凄く残念です。もっと沢山の人に観て欲しかった。うーん、勿体ない!!
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。私は気に入りました。エンタメ娯楽作品としては面白かったです。ホラーの分類には入らないんじゃないかな。だから邦題を変えて欲しかった。こんなにアクションしているのにホラーだけに分類されちゃったら
観に行って驚くと思いますよ。どちらかというとアクションコメディですね。一応、悪鬼と戦うからホラーも入っているけど、エクソシストとも違うからね。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「憑依」