「ビルマの竪琴(1985)」戦争の悲惨さを描いたよい映画でした。今更ながら感動しました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ビルマの竪琴(1985)」

 

を観ました。終戦記念日にチャンネルNEKOで放送していたんです。私、恥ずかしながら子供の頃にTVで「ビルマの竪琴」を観た記憶があるのですが、オウムが「イッショニ ニッポンニ カエロウ」と言っている場面くらいしか覚えていなくて、再度観て、水島がなんで一人で僧侶の恰好をして外にいたのかが解りました。

 

ストーリーは、

1945年夏、ビルマ戦線の日本軍はタイ国へと苦難の撤退を続けていた。そんな逃避行の最中、手製の堅琴に合わせて「はにうの宿」を合唱する一部隊がいた。井上小隊長が兵士の心をいやすため、歌を教えこんだのだ。堅琴で判奏するのは水島上等兵だった。小隊は国境近くまで来たところで終戦を知り、武器を棄てて投降。

彼らは南のムドンに護送されることになったが、水島だけは附近の三角山で、抵抗を続ける日本軍に終戦を伝え、降伏を勧めるため隊を離れる。しかし説得は上手く行かず戦闘となり部隊は壊滅。水島も爆風で吹き飛ばされてしまう。目を覚ますと僧に助けられていた。回復したら小隊に戻るつもりだったがムドンは酷く遠いらしい。

 

水島は僧衣を盗み小隊へ合流しようと旅を始めるが、その道々、無数の日本兵の死体と出会い、愕然として弔う事にする。あまりの数に自分だけが帰国することに心を痛め、日本兵の霊を慰めるために僧となってこの地に止まろうと決意し、白骨を葬って巡礼の旅を続けていく。そしてムドンの近くにまでやってくる。

物売りが竪琴を弾く僧侶の話をし、井上はおおよその事情を推察し、一羽のオウムを譲りうけ「オーイ、ミズシマ、イッショニ、ニッポンニカエロウ」と日本語を覚えこませる。数日後、小隊が森の中で合唱をしていると、大仏の臥像の胎内にいた水島がそれを聞きつけ、思わず夢中で堅琴を弾き始めた。兵士たちは大仏の鉄扉を開けようとするが、水島はそれを拒み続ける。

その夜、三日後に帰国することが決まり、一同は水島も一緒に連れ帰るために毎日合唱した。井上は日本語を覚えこませたオウムを水島に渡してくれるよう、物売りの老婆に頼む。出発の前日、水島がとうとう皆の前に姿をあらわした。収容所の柵越しに、兵士たちは合唱し、一緒に帰ろうと呼びかけるが、水島は黙ってうなだれ、「仰げば尊し」を弾奏する。そして、森の中へ去って行った。後は、映画を観てくださいね。

 

 

うーん、良い映画だった。私、古い映画は苦手なのですが、これは感動しました。出演している俳優さんたちも、凄く若いけど中井貴一さんや石坂浩二さん、小林稔侍さん、菅原文太さんなど、知っている方が出演されていて、今のイケオジさんの若い頃のイケメン顔が観れて嬉しかったなぁ。やっぱり昔の俳優さんたちは、本当に綺麗な顔をされている方ばかりだったんですね。今は個性的な顔でもイケメンというけど、そうじゃないんです。

 

ビルマという国は、今はミャンマーになってしまい何とも寂しい気持ちもしますが、もう戦争から80年ほど経っているんですもんね。通常の人間の寿命の年齢ですから、そりゃ世界情勢も変わります。でもビルマって無いんだなと思ったら、その地で戦死した日本人の方々のお骨はどうなってるのかななんて少し思ってしまいました。

 

主人公の水島は日本兵のあまりにも悲惨な姿を見て、そのままほおっておけずに弔い始めます。同じ日本人を見捨てておけないという気持ちは痛いほど解りました。通常であればこの状況で一人でそれをやるのは難しいと考えて、小隊に合流してから一緒に考えるというやり方になると思うけど、あまりにも悲惨だったのでそのまま置いておけなかったんでしょう。水島さんは凄く優しい人だったのだと思います。

 

映画では戦争の悲惨さをよく描いていました。昔の映画だから、結構、生々しくて驚きました。今のように忖度やコンプラなどが無かったから監督も描きたいことをしっかりと描けたのでしょう。この映画はリメイクで、1956年に最初のビルマの竪琴の映画を撮ったそうなので、それはもっとグロいのかしら。私はこの1985年版でも凄いなと思ったので、昔のは観れないかな。

 

 

映画としては、私にはちょっと見辛い気がしました。場面がブツッと切り替わったりするところが、あまり慣れていないので違和感がありました。淡い色使いは素敵でした。しっかりとしたカラーよりも、少しトーンを落としたようなそんな雰囲気がとても合っていたと思います。古い映画が苦手な私でも、最後まで集中して観ることが出来ました。

 

戦争は本当に嫌ですね。終戦記念日に、まだ他の国で戦争が続けられていると思うと辛いです。ロシアとウクライナ、イスラエルとガザ地区、何とか収まらないんですかね。ロシアの方はロシアが侵攻しているだけだからロシアを止めれば良いんだろうけど、イスラエルの方は宗教問題だから根が深くて難しいのかな。宗教は困ったもんだ。救われる人もいるんだろうけど、大体が迷惑ですからね。

 

話を戻して、水島は僧になって日本兵を弔い続けるんだろうなと思うと、先は長いだろうなと思いました。凄い数の日本兵が亡くなったんでしょ。「野火」を観ると本当に悲惨な状況が解りますもんね。私の祖父は医者でまだ医学生だったのに戦地に行くことになり南方の島に行ったそうです。帰ってきてからそこで何があったのか母が聞いたそうですが、祖父は一切話さなかったそうです。悲惨な状況を見たのでしょう。戦後は開業医として手広くやっていましたが、いつまで経っても決して戦時中の事は話さなかったそうです。それくらい辛かったんでしょうね。

 

井上ひさしの戯曲「木の上の軍隊」を舞台で観たのですが、これも日本兵が戦争が終わってもそれに気が付かずにずっと木の上で敵を観察しているという作品で、第二次世界大戦時に日本軍が兵隊に対して戦えと刷り込んだことが描かれていました。冷静な判断が出来ずにツッコんでいってしまうように洗脳していたと考えてよいのだと思います。日本は絶対に戦争はしてはいけないと思うけど、自国を守るのは大切だと思いますよ。防衛だけはしっかりして貰わないとね。

 

 

終戦記念日ということで、戦争を忘れないために「ビルマの竪琴」を観てみました。本当は「火垂るの墓」を終戦記念日には観たいんだけど、TVで放送されなくなりましたよね。この作品は戦争を忘れないために、いつまでも放送して欲しいのに。子供にも観せるべき作品だと思います。キレイなモノだけを見せていたのでは考える能力が落ちていくばかりです。

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。ビルマの竪琴って、元々は子供文学だったんですね。それを映画化して、大人が観る映画になったのかな。市川崑監督作品、素晴らしかったです。感動しました。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「ビルマの竪琴」

 

「ビルマの竪琴」