「美食家ダリのレストラン」
を観てきました。
ストーリーは、
1974年、フランコ政権末期のスペイン。バルセロナの一流フレンチレストランを追われた料理人フェルナンドとその弟アルベルトは、友人フランソワの伝手で海辺の街カダケスにやってくる。この街に住む画家ダリを崇拝するレストランオーナーのジュールズは、いつかダリにディナーを食べてもらうことを目標に、ありとあらゆる無謀な試みに挑戦し続けていた。
というお話です。
1974年、フランコ政権末期のスペイン。民主化への動きが加速し国内は荒れていた。フランコ政権の独裁により軍隊と秘密警察による厳しい支配が行われていたが国民がNOを突きつけ始めたのだ。
バルセロナの有名フレンチレストランに勤めていた料理人フェルナンドとアルベルトの兄弟。アルベルトが反政府運動に参加し、役所に放火をしたせいで警察に追われることになってしまう。警察から逃れるため、2人でレストランを辞めて、友人フランソワの伝手でサルバドール・ダリの住んている海辺の街カダケスに辿り着く。
彼らを迎えたのは魅力的な海洋生物学者のロラ、そしてその父、ダリを崇拝する、レストラン「シュルレアル」のオーナーてあるジュールズだった。「いつかダリに当店でディナーを」をスローガンに、ありとあらゆる無謀な試みに奔走しながら、情熱を謳い続けるジュールズ。
やがてそのカオスはフェルナンドの料理に新たな風をもたらし、カダケスの風土や自然がフレンチにこだわっていたフェルナンドの料理への感覚を変えていく。そして世界規模の革命的シェフの誕生につながっていく。後は、映画を観てくださいね。
カダケスという地方都市で画家のダリと天才料理家のフェラン・アドリアが出会ったらという発想から生まれた作品だそうです。フェランは有名レストラン「エル・ブジ」のオーナーシェフで、この店は三ツ星レストランです。
ダリが海辺の街で暮らしていた時代は、まだ民主化されておらず、スペインが荒れていた時代です。そんな時代に、まだ若造だったフェルナンドと彼の弟アルベルト。民主化運動に巻き込まれ、アルベルトは指名手配されてしまいバルセロナにいられなくなってしまいます。そしてカダケスという地方に逃げ延びるんです。
もうバルセロナの騒ぎに辟易していたフェルナンドは、弟と一緒に引っ越すことにしてカダケスに来ます。そこは自然に溢れ、新鮮な海産物が取れる豊かな地でした。フェルナンドとアルベルトはシェフとして雇われ働き始めます。
その店のオーナーはダリの大ファンで、ちょっと大丈夫っていうくらいのオタクなんです。店の装飾も何もかもダリの絵画からの引用で、ダリの運転手をしている友人にレストランに来るように宣伝してくれと何度もねだる始末。ダリの妻ガラが買い物に出ると若いロシア人女性を近づけて店を宣伝させたり、さすがに回りの人たちもやりすぎだというほどでした。
そこまでしてもダリはレストランに来てくれず、ジュールズは何度も店を辞めてやる!と騒いでいました。笑えるでしょ。そんなジュールズを見ながらもフェルナンドは淡々と料理を作り、海辺の屋台で魚介類の料理を食べて研究を重ねます。フェルナンドはとても研究熱心な料理家で、いつでもメモを取っているんです。
周りにはその時代に流行っていたヒッピー的な人たちがたむろし民主化だと騒いでいて、警察はそんな彼らを何とかして逮捕しようと手ぐすね引いて待ってるんです。この時代、独裁政権だったようで酷い取り締まりをしていたようでした。この映画ではあまり描かれませんでしたが、それでも端々に警察の横暴さが描かれていたし、汚職がはびこっていたことも描かれていました。
フェルナンドはジュールズの海洋生物学者の娘ロラが好きになりますが、ロラはヒッピーの親玉みたいな人と恋人同士なんです。でも、レストランの経営方針などで話し合いをしていくうちに、ロラもフェルナンドに惹かれていく様子が見えました。2人がどうなるのかは映画で確認してください。
そして海産物を使ったフレンチではなくその店独特な料理が並び始め、レストランは大人気となって行きます。料理はフェラン・アドリアの関係者が協力しているようで、彼が考えた料理などが並んでいました。フレンチ出身のコックさんですが、新しい手法でフレンチとは違う雰囲気でした。目で見るだけなので、全く違うとは言い切れませんが、とても美しい料理が並びました。
ジュールズとフェルナンドが試行錯誤してとても有名になったレストランに、果たしてダリが来てくれるのか。それは映画で確認して欲しいです。この映画は真面目な映画ではなくて、ヒューマンドラマだけどコメディでもあるので、結構、大笑い出来る場面が沢山あります。フェルナンドは真面目ですが、ジュールズが沢山やらかしてくれるので楽しいですよ。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。地方のレストランでのヒューマンコメディなので、あるあるの場面は多いですが、ほっこりして安心出来るような内容の映画だと思います。料理も美しいし、カダケスの美しい自然風景も楽しめます。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「美食家ダリのレストラン」