「劇場版モノノ怪 唐傘」
を観てきました。
ストーリーは、
男子禁制の“女の園”・大奥。この場所で伸し上ろうとする新人女中のアサとカメは、着任早々、“儀式”に参加させられる。御年寄の歌山は女中たちをまとめあげるが、無表情な顔の裏に何かを隠している。モノノ怪を追って大奥の中心部まで足を踏み入れた薬売りは、やがて大奥に隠された恐ろしくも切ない真実にたどり着く。
というお話です。
大奥とは、世を統べる〝天子様〟の世継ぎを産むために各地から美女・才女たちが集められた〝女の園〟であると同時に、重要な官僚機構でもある特別な場所。独自の掟が敷かれた〝社会〟でもあるこの異質な空間に、新人女中のアサとカメが足を踏み入れる。
キャリアアップを図る才色兼備のアサ、憧れの大奥に居場所を求めるカメ。正反対の二人は初日から、大奥で信仰される〝御水様〟に「自分の大切なもの」を捧げるという、集団に染まるための〝儀式〟に参加させられる。そこで起きた出来事をきっかけに、二人の間には絆が生まれてゆく。
御年寄の歌山は、大奥の繁栄と永続を第一に考え女中たちをまとめあげるが、無表情な顔の裏に何かを隠している。そんな中、少しずつ、彼女たちを覆っていく〝何か〟。夜ごと蓄積されていく女たちの情念、どこからともなく響いてくる唐傘がカラカラと回るような異音、取り憑かれたように理性を失っていく女中。
ついに決定的な悲劇が起こり、薬売りはモノノ怪を追って大奥の中心まで進むが、モノノ怪を斬り祓うことができる退魔の剣は「形」「真」「理」の三様が揃わなければ、封印を解き抜くことが叶わない。薬売りが大奥に隠された恐ろしくも切ない真実に触れるとき、退魔と救済の儀が始まる。後は、映画を観てくださいね。
TVアニメシリーズが劇場版で帰ってきました。本当に美しい映画でした。この独特な色使い、和紙風の下地画面、そして今回の舞台は大奥といういかにもおどろおどろしい禍々しいモノが出てきそうな雰囲気で面白い映画でした。
今回、薬売りが化け物を祓いにいくのは大奥。徳川幕府の時代に将軍の正妻・側室他が暮らす将軍の血筋を守り繋げるための場所とでもいうのかしら。そこで働く女性が消えたという噂が流れてきて様子を見に行った薬売りが出会うのが、大奥に新人で入ったアサとカメなんです。
この二人、性格は正反対。カメは容量が悪く何をやっても半人前。一方、アサは子供の頃から手習いに励んでとても頭の良い女性。大奥には沢山の女性がいますが意思決定をしているのは総取締役で、他は言われたことを行うだけ。映画の中でも顔のパーツは無く”うずまき”だけが顔に描かれています。自分の意思が無いという事です。
まるで新興宗教のように井戸の水を飲んで催眠状態のようになって行くんです。でも、その井戸には死体などが入っていたんだと思うんだよなぁ。今回の映画では、この井戸の謎は描かれていないので、あの水が何だったのか、どうして宗教のように飲ましていたのかが知りたかったけど、次の映画で解るのかな?
大奥には唐傘の化け物がいて、もちろん怨霊なんです。女が大勢集まって競い合っている訳ですからドロドロしていますよね。噂は絶えず恨み妬みが渦を巻いているので、その中でキャリアアップを図ろうとすると、そりゃ潰されそうになりますよ。でも負けずに上に上がれば、一生安泰だし家族も幸せになれるというのだから頑張りますよね。
そんなドロドロの中で生まれた怨霊は沢山の人の悪意を吸い取って、どんどん大きくなっていくようでした。将軍はそんなことを何一つ知らず、幕府から派遣されたお目付け役の2人だけが真実を目にしていくんです。大奥の中に入ることを許されたお目付け役の男・三郎丸と平基。役に立たなそうだけど思っていたよりも役に立っていたようでした。
女の恨み妬み悲しみなどなど悪い部分だけが大きくなって大奥を潰そうとしたのだと思います。きっかけは一人の女性だけど、その彼女から大奥の暗部が晒されることになったんじゃないかな。悪い部分は貯めちゃいけません。ちゃんと破棄していかないと人間が壊れてしまいます。それは誰にでも当てはまると思いますよ。ストレスは解消して、楽に生きることが一番です。
この唐傘事件、アサとカメの周りで起きていくことになります。アサは凄く有能で、食事を作っても文字を書いても完璧にやりこなし、自分の意思をしっかりと持っているんです。カメは何をやってもダメ。食事も作れず文字も汚く、役に立たない子だなぁと思っていたけど、心だけは綺麗でアサを心から心配して助けたいと思っているんです。
私は何も出来ないカメを見てイライラしてしまいましたが、アサはいつもかばって一緒に仕事をしていました。きっとアサにだけはカメの本当の心の美しさが解っていたんでしょうね。カメにイライラはしたけど優しい子だなとは思いました。
カメの何が嫌だったかというと、働くのは嫌だから早く将軍にお目通りをして側室にして欲しいと思っていたんです。まぁ、大奥に上がったんだから当たり前の考え方なんだけど、将軍だってイマドキの”ドジっ子”なんて面倒臭いでしょう。スッとした美人が好きなんだからカメは難しいと思うぞ。
薬売りは大奥の総取締役に通行手形を貰い、怨霊である唐傘を退治するために大奥に入り込みます。そして剣が抜けるまで唐傘を追い続けるのですが、そう簡単には見つけられません。結構、凄い戦いになっていました。でも、まぁ、薬売りが負けるわけがないんだけどねぇ。カッコ良かったなぁ。神モードにも変身しますよ。
シリーズの雰囲気を継承しイイ感じで終わります。そうそうこれでしょって感じでした。だから最後に生臭い井戸水の件が解決しないのがちょっと嫌でした。神官らしき男が水を汲んでいて、彼が何者かも解っていません。水から次の作品の「火鼠」につながるのかな。うーん楽しみです。
パンフレットが素敵でしたよ。表紙も凝っていて、ちょっとお高いけど満足しました。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。私はまた観に行きたいと思っています。内容も面白いし映像が美しいので、観る部分が沢山あるんです。1回観ただけじゃ全てを理解出来ていない気がしてしまって。皆さんも、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S:パリオリンピックを観るので忙しいかもしれませんが、映画も面白いですよ。私は寝る時間が無くなっちゃって困っています。(笑)
「劇場版モノノ怪 唐傘」