「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」思春期の初恋がふたごのユーとミーの道を分けていくことに。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

一卵性双生児として生まれ、そっくりな2人ユーとミー。食べ放題のレストランも話題の映画も1人分の料金で2人分楽しんだりと双子であることを最大限に利用しながら同じ人生を歩んできた。1999年の夏、家庭の事情で田舎の祖母の家に身を寄せることになった2人は、マークという少年に出会う。シェアすることのできない“初恋”という感情に翻弄されて…。

というお話です。

 

 

1999年。世界中でY2K問題が危険視されており、またノストラダムスの大予言も話題になっていた頃。中学生のユーとミー。ふたりは一卵性双生児の姉妹。生まれた時からずっと、どんなことでも一緒。隠し事ひとつなく、なんでもシェアしてきた。食べ放題のレストランだって、話題の恋愛映画だって、一人分の料金で二人分楽しんでいました。

 

ある日、中学校の数学のテストで追試になってしまったユー。ミーは数学が得意なので入れ替わって数学の追試を受けに行きました。ミーは鉛筆を持って行くのを忘れ、困っていたところに同級生のファランが鉛筆を半分譲ってくれて、何とかテストを受けることが出来ます。ファランは解答が書けずに困っていたので、ミーはこっそりと自分の解答をのぞき見させます。

 

後日、ミーはファランのクラスを訪ねますが、家庭の事情で学校を辞めて地方に帰ったようでした。ガッカリしますが仕方ありません。その頃、2人の家庭では両親の喧嘩が増え、母親な夏休み中、二人を連れて実家に帰ることになります。

 

 

そして夏休み、母親の実家で祖母と暮らし始め、ユーは自分が弦楽器ピン弾いている写真を見つける。懐かしく思ったユーはタイの弦楽器ピンを習いたいと言い出し、祖母が通いなさいとお金を出してくれる。ピンの教室に行くと、そこの講師の一人にマークという青年がいた。ハーフの彼はユーに”僕の事忘れた?”という。そう、彼はミーが鉛筆を借りたファランだったのだ。

上手く話しを合わせたユーは、どんどんマークに惹かれていく。しかし最初に出会ったのはミー。ミーも彼を気になっていたのだ。シェアすることのできない“初恋”という感情に揺れるユーとミー。二人の忘れられない夏が、まもなく終わりを告げようとしていた。後は、映画を観てくださいね。

 

とっても可愛い青春初恋ストーリーであり、同じ容姿だけど中身は全く違う二人のヒューマンドラマが展開します。1999年、確かに2000年問題で大騒ぎでしたし、PCがどうなってしまうのか、電子制御されたものが維持できるのかと誰もが心配していました。もう四半世紀前なんですね。ノストラダムスの大予言も流行っていましたよね。嘘だとは思っていたけど、あれだけ騒がれると心配にもなりました。でも、結局は何も起きませんでしたよね。良かったよかった。

 

 

2人の父親は、ちょっと山師的な部分があり、色々な仕事に手を出して借金をしていたようで、家にも借金取りが来ていたんです。なので危険だと思い、母親は二人を連れて夏休みの間に実家に帰ったんです。そこで数学の追試の時に出会ったファラン=マークに再会するんです。

 

マークはハーフで、両親が離婚して父親が自分の国に帰ってしまったので、彼は母親の実家に一緒に帰り、ここでの通名に変えたようでした。このマークがカッコイイのよ。優しくて人懐っこい目をしていて憎めないんです。追試テストの時に、先にファランに恋をしたのはミーで、ユーは後から彼の事を好きになったんです。でも追試を受けたのはユーだということにしているので、ミーはそれを打ち明けられず、ユーもミーとの思い出を自分のモノとしてマークと仲良くなっていくんです。

 

観ていて、ユーがやっぱりテストの時は替え玉のミーでしたと言うべきだよなぁと思いました。だって、それこそ不公平ですよね。いつもこの二人、同じことをして同じ人生を歩んできたので、公平というのを大切にしているんです。それなのにミーがやったことを自分の事として、自分だけが得をしようとしていたので、いつも言っていることと違うよなと思いました。

 

まぁ、でも恋に関しては譲れなかったのかもしれませんね。同じ人をふたごで好きになるってあり得そうですもん。そしたら、早い者勝ちという感じで、先に付き合っちゃったほうが勝ちみたいな事になるんだろうと思いました。でも、これはキツいなぁと思いました。ミーが我慢している顔が何とも言えませんでした。これは、マークを取られたことと、もう一つ、いつも一緒だったユーが自分とは別に行動し始めたことへの寂しさだったと思います。

 

 

ふたごって難しいですね。いつも一緒だったから、別々になるのが辛いのかしら。でも違う人間なんだから、それぞれにやりたい事は違うような気がするけど、同じ育ちをしているから一緒になっちゃうのかしら。自分とそっくりな人が横にいるっていうのが私には想像がつかないけど、どういう感じなのかな。いつも味方が横に居てくれるという安心感があったりするのかしら。

 

とにかく設定ではこの二人はそっくりで、頬のホクロが歩かないかの違いだけだというんです。映画の中では、一人二役でティティヤー・ジラポーンシンさんが演じていたので、もちろんそっくりなのですが、それでも演技で一方は性格が強く、一方は優しいというような表現をしていました。ちゃんと違う人物に見えていたので凄いと思いました。

 

タイの映画なのでタイ語でしょ。字幕が出ているんだけど、タイ語だと全く分からないので、字幕を必死で読まなきゃいけなくて、結構辛かったです。英語だと、ある程度は耳でも雰囲気が掴めるので、そんなに必死に字幕を読まなくてもよいんだけど、タイ語は大変でした。フランス語やイタリア語も、それほど辛くないんだけど、耳が慣れていないからなんでしょうね。これからタイ映画が増えてくれば、観る機会も増えるので慣れるかしら。楽しみです。

 

 

思春期の初恋を描いているのですが、思春期ということで二人は初潮も迎えます。ちょっとユーの方が早くきて毎月辛いのは嫌だという場面がありました。思春期って大人になるための色々な新しいことが始まり、精神的に不安定になりますよね。そしてちょうどその時期に、両親の結婚にも問題が起きてきちゃったりして、全部がわちゃわちゃする時期なんだと思います。何故か子供が思春期に入るくらいに、親もお互いの関係に疑問が出てきて、我慢の限界に達する頃なんですよ。うーん、問題だ。

 

ま、誰もが通過する時期ですし、年を取ればよい経験だったと笑える日も来るだろうと思いますけど、時々、ずーっと引き摺っているいる人もいるけどねぇ。両親の事は、もう子供は諦めるしかないので仕方ないと割り切って貰うしかないです。自分の初恋は、良い思い出として心にしまっておけばいいんじゃないかな。

 

監督のワンウェーウ・ホンウィワットさんとウェーウワン・ホンウィワットさんは初監督作品です。お二人は双子でアフタートークでお話をしてくださいましたが、映画の中のユーとミーのようにそっくりで驚きました。長編映画は初監督ですが、今までMVの監督やTVドラマの脚本を書いてきたそうです。今作の映画化は「女神の継承」の監督であるバンジョン・ピサンタナクーンさんが脚本を読んでプロデュースを引き受けてくれたそうです。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。あまり知ることが出来ない双子の心理が良く描かれていて、お互いに離れられないけど離れたいというような、難しい心の動きが面白いと思いました。同じ人を好きになったら本当に困るでしょうね。相手も同じ顔だから辛いだろうなぁ。その辺りの大変そうな部分も笑いを交えて描いていたので楽しめました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」