「辰巳」ごりっごりのジャパニーズノワールが観れました。面白かったです。こういう系好きなんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「辰巳」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

裏稼業で生計を立てる孤独な男・辰巳は、元恋人である京子の殺害現場に遭遇し、その場にいた京子の妹・葵を連れて逃亡する。家族を奪われた葵は、姉を殺した犯人に復讐することを決意。犯人を追う旅に同行することになった辰巳は生意気な葵と反発し合いながらも、彼女を助けともに過ごすなかで、ある感情が芽生えてくる。

というお話です。

 

 

裏稼業で生計を立てる孤独な男・辰巳。浩太という弟がいたのだがドラック中毒のせいで亡くなり、助けられなかった自分を責めていた。辰巳はヤクザの下っ端のような立場にあり、死体を解体するという裏の仕事を請け負っていた。

 

ある日、覚せい剤を組織から裏へ流したと疑われた男が殺される。ブツの場所を聞き出したかったのだが、沢村兄弟が殺してしまったのだ。辰巳はその男のバラし(死体処理)を頼まれ、兄貴分の佐藤の所へ行く。そこで事の次第を聞き、その後、預かった葵という女を送っていくと、自動車工場で葵の姉であり、辰巳が以前付き合っていた女・京子とその男が襲われていた。

 

 

葵は沢村兄弟が二人を殺している場所に遭遇し、殺人を見たということで葵と辰巳も襲われ、一旦そこから逃げ出した。葵は姉を殺した復讐をしたいといい、辰巳もそれに付き合わされてしまう。元恋人を殺され、事の成り行きを考えると何かスッキリとしない事件に違和感を覚え、辰巳も調べなおすことにする。

 

葵を面倒に思っていた辰巳だったが、その必死な思いに自分も突き動かされていく。そしていくつかの事実をすり合わせ、真実にたどり着く辰巳。しかしすぐそこまで敵の手が迫る。葵の復讐だけでも叶えてやらなければと動き出す。後は、映画を観てくださいね。

 

 

早く観たかった映画なのですが映画祭では観れず、公開されても直ぐに行けなくて、やっと観れました。ハードなジャパニーズノワールだと聞いていたので楽しみに行ってきました。確かに、ダークな世界を描いていて、その中にもどこか人間的な心の部分が描かれていて、良い映画でした。

 

主人公の辰巳は、弟の浩太を覚せい剤で亡くしています。二人の父親は酷い男だったようで、二人も裏稼業に身を置くようになってしまいました。でも、辰巳は弟に覚せい剤はダメだと何度も注意をしていて止めさせていたのですが、勝手にどこかから調達し、その金を工面するために売人もやっていたようなんです。兄にとがめられ自殺をしてしまいました。

 

 

弟の死は自分のせいだったと自分を責めて自暴放棄状態になっているんです。なのでどんな裏稼業でも引き受けてしまうようなそんな状態で、組関係の人間が都合よく使っているという感じでした。だって死体処理なんて誰もやりたがらないでしょ。それを引き受けているんですから解るでしょ。

 

そんな時に出会ったのが葵です。以前に付き合っていた京子の妹で、誰に対しても攻撃的で、もしかしたらちょっと障害を持っているのかなと思うような女の子でした。よく言うボーダーの子って感じかしら。誰の言うことも聞かず、欲望のみで動くような、そんな子でした。

 

 

葵の姉・京子は、辰巳と付き合っていたことで解るように、悪い男が好きなようで、今付き合っている自動車工場の男もヤクザの下っ端です。そして覚せい剤の取引を手伝っていたのですが、その男が持っていた覚せい剤を葵がくすねて売っていて問題になったんです。ま、大した量ではなかったと思いますが、そんなことを平気でする女子なんです。大体、17歳くらいの設定かしら。

 

辰巳は自分にくっついてくる葵を面倒だと思っているのですが、段々と自分の弟と重ねていき、彼女の復讐の手助けをすることになって行きます。確かに自分の元カノを殺した男ですから、辰巳も殺したかったのだと思います。そして色々と裏取引をして、沢村兄弟の弟の方は殺すことが出来るんです。辰巳も殺されそうになったのでお互い様なんですけどね。それで辰巳と葵は沢村の兄に復讐をしたくて、沢村兄は弟の復讐をしたくて、完全に戦争状態になります。

 

 

ちょっと話が難しかったけど面白かったです。最近、ここまでドロドロに戦うヤクザ映画ってそんなに無いので楽しめました。昭和とは言わないけど、韓国映画っぽかったかな。韓国ノワールは有名ですからね。あの雰囲気を邦画で作れるのは凄いと思いました。

 

辰巳役の遠藤さん、映画にはよく出演されていて好きな俳優さんなのですが、今回は主役で頑張っていました。カッコ良かったです。そして葵役の森田さん、私、きっとドラマや映画で観ていると思うのですが、今回は激しい役で誰だか全く解りませんでした。上手かったです。

 

 

高校生役でしたが何となく幼く見せていて、ちゃんと17歳くらいに見えました。この激しくてぶっ飛んだ女の子役を見事に演じていて拍手をしたくなりました。ラストの方の啖呵の切り方は迫力があって良かったです。あれならオッサンたちも引くでしょ。素晴らしかったです。

 

「ケンとカズ」監督の小路紘史さんが自主制作で完成させたそうです。これ自主制作!?と思うほど、よく出来ていて驚きました。これからも映画を作って欲しいけど、今度はスポンサーが付くと良いですね。この映画が良いので、どこかからオファーがくるんじゃないかなぁ。もっと小路監督の作品が観たいと思いましたもん。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。長編2作目なので、少し整理されていない感はあるモノの面白い作品でした。本当にもっと早く観たかったんです。随分と待ちました。やっと横浜の”ジャック&ベティ”に来てくれて、観ることが出来ました。ありがとうございます。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「辰巳」