「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」お爺ちゃんのロードムービーは感動で心が温かくなりました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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​​​「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

定年退職し妻と平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライ。ある日、北の果てから、かつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーからの手紙が届く。ホスピスに入院中で命はもうすぐ尽きるという。返事を出そうと家を出るハロルドだったが、途中で考えを変え、800キロ離れた場所にいるクイーニーを目指してそのまま手ぶらで歩き始める。

というお話です。

 

 

定年退職し、妻のモーリーンとデヴォン州南部のキングスブリッジで平凡な生活を送るハロルド・フライ。あまり歩くことなく、座りがちな生活を送っていた。ある日、北の果て、ベリック・アポン・ツイードから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、癌で死にかけ、ホスピスに入院中だという。

ハロルドは手紙の返事を出そうと家を出るが、手紙を投函するのを躊躇していた。うろうろとした挙句、ガソリンスタンドに入ると、そこの店員が自分の叔母が癌と闘っていた時の希望の話をし、ハロルドはクイーニーに会いに行こうという考えになる。



 

ハロルドはクイーニーの病院に連絡をし、「私が歩く限りは、生き続けてくれ」と伝言して、手ぶらのまま歩き始める。目的地までは800キロ。ハロルドが戻ってこないことを心配したモーリーンだが、ハロルドからの電話で計画を知らされると彼女は怒って電話を切ってしまう。

彼の無謀な試みはやがて大きな話題となり、イギリス中に応援される縦断の旅になっていく。ウィルフという青年がハロルドと同行するようになり、その後、何人も同行する人が現れる。しかし多くなればなるほど進む速度は遅くなり…。そんな時にウィルフがいなくなる。ウィルフを自分の息子に重ねていたハロルドは息子との事を思い出し悲しい気持ちになる。そして…。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、とっても良いお話でした。ベストセラー小説の映画化で、日本でも2014年の本屋大賞翻訳部門の第二位だった作品だそうです。本屋大賞はいつも注目しているのですが、日本の小説部門しか見ていなくて、翻訳部門というのもあるんですね。今度からチェックしなくちゃ。

 

お話としては、定年退職したお爺ちゃんに手紙が届き、昔の同僚で友人が癌になってホスピスに入っているという手紙なんです。ホスピスに入っているということは、余命幾ばくも無いということでしょ。お返事を書こうと思うんだけど慰めようが無いんです。どうしたもんかと考えていたら、希望を持たせることが良いと聞き、歩いて向かうから着くまで生きていてと手紙を書くというお話なんです。

 

 

ハロルドはクイーニーにお礼を言わなければならない事があり、どうしても会って一言お礼を言いたかったんです。その昔、ハロルドの家族には辛いことが起きて、それで荒れていたハロルドを助けてくれたのがクイーニーだったんです。その出来事から何十年も経っていたけど、彼女の為に向かわなければならないと思ったんです。

 

そして800キロの道のりを歩くんですけど、日本で言えば東京から広島の距離だそうです。そんな距離、歩けるんだろうか。もちろんホテルに泊まっている場面もあったし、野宿の場面もあり、誰かに助けて貰っている時もあって、沢山の人の親切を貰って旅をするんです。途中で出会う人々には、それぞれに悲しみや苦労があり、考えさせられながら旅は続きます。

 

 

途中から犬が付いてきて随分と長く一緒に旅をするんだけど、その犬は途中でもっと悲しんでいるような女性を見つけると、そっとその人に寄り添って、ハロルドから離れていきました。きっとハロルドはもう大丈夫だろうと思ったんでしょうね。印象的な犬でした。

 

そしてもう一人、ウィルフという青年が付いてきます。まだ18歳くらいのようでした。ハロルドにも息子がいたんです。今は側にいないのですが、その息子にウィルフを重ねて一緒に旅をしていきます。ウィルフはドラッグと酒を辞めたからと言って、一緒に旅を始めるのですが、どうしてもドラッグを辞められないようでした。英国で若い子のドラッグ問題って深刻なようですね。日本はそうならないようにしないと。

 

 

その後は、何故かお祭りのように沢山の人が付いてきてシャツを作ったりして変でした。ハロルドも人が良いから断れないんです。でも人が増えれば増えるほど、歩く距離は減って、クイーニーの病院に着くのは遅くなります。大丈夫かなぁと思っていたらちゃんとハロルドも考えたようで、色々と変わっていきました。

 

ネタバレしちゃうと面白くないので書けないのですが、脚本を原作者の方が書いてくださったようで、上手くまとまっていました。原作がある場合は、やっぱり原作者にまず相談して、書いてくださるなら原作者に書いていただくのが一番です。お忙しいのなら脚本を書いて見てもらうのは当たり前でしょ。どっかのTV局みたいに原作を勝手に書き換えるなんてするのは以ての外です。あり得ません。「セクシー田中さん」の件はどうなったんでしょう。まったく検証が出てこないのがムカついています。

 

 

あ、話が反れてすみません。この映画、とても良く出来ていたので、原作者の方の思い入れがあったんだろうなと感動しました。観ていて何度も感動しました。ネタバレ出来ないのが辛い!本当に良い映画なんです。ハロルドは凄い苦しんだだろうし、そんな彼を助けてくれたクイーニーさんはとっても優しい方だったんだろうし、その友情を忘れずに会いに行こうという気持ちは素晴らしいと思いました。

 

人の気持ちって大切ですよね。何か事件があった時に素直にお礼が言えなかったりするけど、それってずっと心に残っていて、いつの日かお礼をしなきゃいけないと思い続けるんです。人生は長いのでそういう事って色々ありますよね。若い人には解らないかもしれないけど、もう人生の半分40歳を過ぎるとあの時にお礼をしなかったなとか、申し訳なかったなとか、色々と積み重なっていくんです。

 

 

私も20歳の頃には気が付かなかったけど、後からあの時にお世話になってお礼もしなかったと思い出すんですよね。そういう思い出があるって、沢山の人に関わることが出来たという自分の宝だと思うんです。年を取った時、人との関わりが何もなかったなんて寂しいですよ。色々な人との関わりを大切にした方が豊かな人生になるんじゃないかな。オバサンはそう思います。(笑)

 

ハロルドは定年退職して穏やかに暮らしていたけど、今まで沢山の幸せや苦しみを経験して豊かな人間になってきたのだと思います。だから沢山の人が助けてくれるし、ハロルドも助けになりたいと思うのだと思うんです。辛いこともあったけど、良い人生だったんじゃないかな。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。お爺ちゃんのロードムービーです。1時間半くらいの作品で、しっかりと実が詰まっているので集中して観ることが出来ました。原作本も良さそうなので、読んでみたいと思っています。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」