「殺人鬼の存在証明」今回はネタバレです。凄く面白い映画なので上映続いていて欲しい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「殺人鬼の存在証明」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

1991年、何者かに襲われて怪我を負った女性が森の近くで保護された。女性の証言によると、彼女に怪我を負わせた犯人の手口は3年前に捕まったはずの連続殺人犯のものと酷似しており、3年前の犯人は誤認逮捕だったことが判明。

 

 

3年前、連続殺人犯を追っていたイッサとイワン。イワンはアンドレイ・ワリタが怪しいとずっと訴えていたのだが、イッサは他の男を探し出し、連続殺人犯として逮捕してしまう。怒ったイワンは警察を辞めてイッサの前から消えてしまう。

 

それから3年、誤認逮捕だったことが解り、ショックを受ける捜査担当者イッサだったが、殺人犯を野放しにしておく訳にはいかない。直ぐに捜査を開始する。本当の連続殺人犯は10年以上にわたって残忍な犯行を繰り返し、36人を殺害していた。

 

 

捜査責任者イッサは過去の捜査を洗い直し、容疑者アンドレイ・ワリタに目を向けて追い詰めていく。尋問をする中で彼こそが真犯人だと確信していくのだが、どこか違和感がある。やがて、ワリタの口から驚くべき真実が明かされ、連続殺人だと思われていた事件が崩れていく。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、凄い面白いのですが理解が難しい作りになっていました。現在と過去が行き来して、今がいつなのか、そして殺された女性は誰なのかが解らなくなり、私は頭がこんがらがりましたが観た後に頭の中を整理して、凄く面白い内容だったことが解りました。今回は、少しネタバレします。ごめんなさい。

 

 

毎回、同じ手口で沢山の女性が殺されて、警察は犯人を追っていくのですが犯人は賢くて見つからないんです。そんな中、捜査責任者のイッサの同僚であり部下でもあるイワンが怪しい人物アンドレイ・ワリタを見つけるんです。イッサは知識人で上品な物腰のアンドレイは殺人などあり得ないと思い、アンドレイの家族を調べると精神病院に入っている双子の弟を見つけ、どう考えても知識人の兄と精神病院に入っている弟は関係が無いと決めつけてアンドレイへの捜査を打ち切ります。

 

でもイワンは諦めず、警察を辞めてまでアンドレイの捜査を続けます。そして決定的な証拠を見つけますが、実は1件だけ彼の仕業ではない殺人を見つけるんです。ここがミソですね。そして、アンドレイの仕業じゃない殺人を追っていくと、恐ろしいことが解ります。これは内緒です。

 

 

一方、イッサは犯人を見つけて判決も下っているのに、またも同じ殺人が起こってしまい、誤認逮捕だったことが解ります。そしてイワンが言っていたアンドレイに的を絞って捜査を始めます。すると、今度は証拠が見つかり、自供も取れるのですが、何かがおかしい。1対1でイッサがアンドレイと話すことで自供が取れたのですが、1件だけは自分の犯行じゃないというんです。

 

観ているこちらとしては、え?じゃ、誰が殺したんだよって思いますよね。すると、ある事が起こって、イッサの前にイワンが現れるんです。何で今更イワンが出てくるのかな?と不思議の思っていると、実はと言って、イワンが3年前からの告白をしていくんです。

 

 

この告白が凄かった。イワンさん、そんなことを3年間もやってたの?あなた辛抱強いというか、ちょっとキチ〇イじみてますよって感じなんですよ。凄い執着で、そこまでやるかってほどアンドレイを追い詰めていたんです。イワンは本当のアンドレイを追い詰めて、告白をさせてビデオに録画して、その後に殺すんです。そして精神病院に入っていた弟を連れてきて、アンドレイに仕立て上げているんです。

 

え、なんで?なんで?って思うでしょ。それがね、アンドレイの仕業じゃない殺人事件の犯人を追い詰める為なんですよ。本当の殺人者だったアンドレイは許せないから殺しちゃって、もう一つの殺人犯を追い詰める為に、弟をアンドレイに仕立てているってところが、もう凄い執着で驚きました。もちろん協力者もいるんだけど、それは映画を観てください。

 

 

イワンは殺人犯を追い詰める為だけに命を懸けている訳です。ここまでやる?ねぇ、いくらロシアの警察官でもそこまでやるの?なんだか、ちょっとイワンもおかしかったのよ。正義感が強くて、ヒーローではあるんだけど、悪い奴を捕まえるために、自分も殺人をしちゃっているし、人生を棒に振っているし、なんだか凄かったです。

 

ノワール映画でイワンがダークヒーローかな。映画が始まってそのまま観ていると、主役はイッサで、彼がヒーローとなって連続殺人犯を捕まえてくれるのかと思うんだけど、実は部下のイワンがダークヒーローだったってことなんです。そして、話はすんごく暗い結末にたどり着くんです。もー、ドロドロなのよ。

 

 

面白かったなぁ。全部が理解出来た時、なんて凄い映画を作ったんだろうと思ったんだけど、これが理解出来た人、どれくらいいたのかしらと心配になりました。監督が脚本も手掛けていて、これ小説として読んだら凄く面白いだろうと思うけど、映像で、これだけ時代を行き来しちゃうと、どれが過去だったのか解らなくなっちゃうんですよ。一応、過去に切り替わる時には何年と出て章が変わると知らせてくれて、現在に戻る時にも知らせてくれるんだけど、それが何回もあると忘れちゃうでしょ。構成が少し不親切って感じかな。

 

それでもこれだけ面白かったら、私は高得点を付けても良いと思いました。あまり宣伝もしていなかったし、話題にもなっていなかったけど、こんな面白い映画があるんだなと驚きました。ロシア映画だし、あまり日本では好まれないのかな。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。もう上映が終わってしまっているかもしれませんが、もしどこかで上映していたらぜひ観て欲しい。配信が始まったら、これは必見のロシア映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「殺人鬼の存在証明」