【イタリア映画祭】「アモーレの最後の夜」最後の最後で気を抜いたら落とし穴がある典型的なお話です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【イタリア映画祭2024】

 

「アモーレの最後の夜」

 

(13作目)

を観てきました。

 

ストーリーは、

イタリア・ミラノ。警部補として最後の勤務日の前夜、妻が家でサプライズ引退パーティーを開き同僚や友人たちを呼んでくれていた。フランコ・アモーレはジョギングをして家に帰ってくると警察から連絡があり、犯罪現場の捜査に呼び出される。パーティーは妻に任せて捜査に出るフランコ。

 

ヴィヴィアナと結婚したフランコは、30年以上にわたり誠実に国家に奉仕し、警察という組織でのしがらみにも屈せず、誰にも銃を発砲することなく、その仕事を全うしていた。最後の日までも凶悪事件が起こり、呼び出されることになった。東部環状道路で銃撃事件があり、フランコのバディであり友人のディノ・ルッジェリが殺されたのだ。そして彼と共に中国人が2名、警察官が2名、殺されていた。

 

 

話は10日前に戻る。フランコは妻の従弟の友人である中国人の命を救った。中国人はフランコを気に入り、もう一度仕事を頼みたいとフランコに依頼する。最初は躊躇するフランコだったが、引退すれば年金と蓄えだけになるので金はあればあった方が良いと考え、仕事を引き受けることにする。

 

仕事は中国人をピックアップしてある場所まで届ければよいだけだ。あまりにも簡単な仕事で報酬が良いことが気になったが、運ぶ以外は何もしないと決めて、同僚のディノと仕事に入った。しかし中国人を送る途中で何故か警官に停められ、その警官が発砲してきた。

 

訳も解らず、対抗しようとしたが武器を持っておらず、中国人の荷物を持って逃げた警官を追うと彼女も死んでいた。フランコは、一体自分たちが何に巻き込まれたのか解らないまま逃げるしかなかった。そしてディノの殺人事件捜査に駆り出されたのだ。一体、誰が味方で誰が敵なのか。何の目的があったのか。調査を始める。後は、映画を観てくださいね。


 

イタリアのフィルムノワール映画です。クライムサスペンスですね。退職前にちょっと欲を出してしまったことが、命まで狙われる大事件になってしまうというお話です。主演はイタリアを代表する俳優、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノさん。渋いオジ様爆発という感じの内容でした。

 

話としては、入り組んでいそうで入り組んでいません。結構、解ってみるとストレートなお話なんです。警察内部に汚いことをしている人間がいて、その悪徳警察官とある人物が組んで、フランコを陥れて利益を得ようとしているんです。最初から冷静に見ていると、裏切り者はコイツしかないよなぁという人物が解ります。どう考えても、そいつおかしいもん。

 

 

フランコは騙されて仕事を請け負うことになるんだけど、若い妻のヴィヴィアナが悪いっす。フランコは離婚してこのヴィヴィアナと結婚したようなのですが、この妻、強欲なんです。フランコが悪いことをしちゃったと思って自首しようとするのですが、それを止めて、中国人の荷物を貰って逃げようと促すんです。浅はかな女だなぁと思いました。中国人が逃がしてくれる訳ないでしょ。

 

中国人マフィアほど恐ろしいモノはないでしょ。執着心は強いし、憎んだら相手を許すことは無いんですから。マジで関わりたくない人たちだと思います。そんな中国人を相手にして、簡単に逃げようと言ってしまうバカな女なんです。観ていてイライラしました。いくら若い妻が好きでも、こんなバカなことを一緒にしてしまうとは、フランコも焼きが回ったと言われても仕方がないんじゃないかな。

 

 

面白いと思ったのは、中国マフィアに仕事を依頼され、車を運転しているとタイヤをパンクさせられ、警察官に停止させられます。そこまでなら良くある話なんだけど、この警察官の様子がおかしいんです。フランコたちも本当の警察官なので警察手帳を見せるのですが何かおかしい。どこの所轄の警察官か、名前は何かと聞くのですが答えないんです。そしていきなりの発砲。

 

これじゃ偽物の警察官なんだなって思いますよね。でも実は本物の警察官なんです。そこで警察組織の中で誰かが裏切っているということが解ってくるんです。ここら辺の駆け引きがとても面白いと思いました。事件現場に沢山の警察官が集まり、捜査を進めているのですが、誰が味方で誰が敵なのか全く解らないし、フランコは自分が逃げた時に見たディノの死体の様子が変わっていることに気が付き、どう考えても最初に駆け付けた警察官が変えたのだろうということが解ってきます。

 

 

自分の上司でさえ、本当に味方なのか解らず、詳しいことを話すことが出来ません。検事もやって来るのですが、彼女さえも信用が出来ないんです。このクライムサスペンス、よく出来ていると思いました。

 

唯一信用出来るのが妻だけという、悲しい状態。一番役に立たなさそうなのがこの妻ですから。フランコの足を引っ張るだけ引っ張って、現場にまでディノの子供を連れてきてしまう酷い女です。こんな女と再婚したフランコに見る目が無いとは思いますが、さすがに酷いなぁと思いました。だって自分の父親の殺された死体を見るなんてトラウマでしょ。まだ小学生ですよ。可愛そうでした。

 

 

まぁ、最後まで見ると、フランコの自業自得だなと思ったのは私だけなのかしら。アホな男だなと思ってしまいました。いくらでも危険を回避出来たハズなのに、ズブズブと泥沼にハマっていく姿が無様でした。でも、ここら辺がノワールなのかなとも思って楽しみました。

 

フランコ役をピエルフランチェスコ・ファヴィーノさんが演じているから許せるけど、他の俳優さんだったら、バカ男の一言で終わっていそうな感じがしました。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。俳優としても活躍しているアンドレア・ディ・ステファノ監督ですし、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノさんが主演しているので、観る価値があると思います。クライムサスペンス系が好きな方には喜ばれるかな。日本公開は決まっていませんが、もし、観る機会があったら、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

 

「アモーレの最後の夜」