【イタリア映画祭】「別の世界」理想の先生より一緒に楽しんでくれる先生の方が好きよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【イタリア映画祭2024】

 

「別の世界」

 

(11作目)

を観てきました。

 

ストーリーは、

小学校教師のミケーレは最近の小学校に幻滅していた。授業中にスマホを手放さない生徒や少しの事でも文句を言ってくる保護者、都会ローマの現状はミケーレの理想とする学校ではなかった。彼は未来の地球のために環境改善や自然保護などを子供たちに教育したいと思っていたのだ。その為に転属を願い出ていたのだが教育庁からはなんの知らせも無く落胆していた。それが突然に臨時配属願いが受理され人口364人の山間部の小さな村ルーペに行くことになる。

 

6歳から10歳までの7人の生徒が一緒に学ぶ1クラスしかないCesidio Gentile 通称Jurico(羊飼いの詩人)小学校で教えることになったミケーレ。ルーペの状況を知らなかったミケーレは真冬に革靴を履き帽子も被らずジャケット姿で村に到着するが、途中で雪に車がハマり、動けなくなってしまう。そんな彼を迎えに来た副校長であるアニェーゼは彼の姿を見てそんなに持たないだろうと予想する。

 

 

しかし何故かこの不便な村ルーペを気に入ったミケーレは、都会で思い描いていた生活と現実とのギャップに戸惑いながらも、副校長アニェーゼや生徒たちに助けられて山の生活になじみ始める。

 

そんな時、国の方針で現在の生徒数では学校を維持していくことは出来ないので今年度で閉校にするという連絡が入ってくる。以前からも言われてはいたのだが、今回は本気のようだ。学校が無くなると、この村から子供たちが学校に通うのは困難になるので移住を考えたりしなければならない。ただでさえ住民が減っているルーペは村の存続自体が難しくなってくる。

 

どんな大吹雪でも決して休校にしないアニェーゼは、学校閉鎖は村の終わりを意味することを知っていた。学校存続のためミケーレとアニェーゼは村中をまき込んで閉校を阻止しようと立ち上がる。そして…。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、面白かったぁ。ほっこりするような良い映画でした。主人公のミケーレは小学校教師なのですが、イタリアも日本と同じくモンペアの問題や教育レベルの低迷など、教師として理想を描いていた人には辛い状況のようなんです。

 

ミケーレは教師として子供たちに環境問題や社会の問題などを教えていきたいという理想があったのですが、ローマの学校ではそんなことを教えようもんなら直ぐに親から文句を言われ、子供を注意したりすればパワハラのように言われて問題になり、教師の仕事とは何なのだろうと悩んでしまっていたんです。そして田舎の村の学校にいけば、もしかしたら理想の教育が出来るのかもしれないと考えるんです。

 

 

でも、いつまでたっても転勤させて貰えず、諦めていたところに突然の臨時配属が決まるんです。ただし期間が決まっているようでした。それでも自然の中で教育が出来るのならと、喜んで向かったミケーレ。しかし彼が思っていた”雪国の田舎”という想像の上を行くような深い雪国。車も途中でダメになり、靴も服もそこの風土に合わず、生徒にも大笑いをされてしまいます。

 

ローマとは違い、とても素直な子供たち。何も知らないミケーレを助けてくれてミケーレはこの土地を大好きになっていきます。生徒は7人、それぞれ学年が違いますが、1人の教師が全学年をみなければいけません。大変だけどやりがいがあるようでした。

 

副校長のアニェーゼは町に住んでいて、学校には通っています。子供が一人いますが、夫との仲は冷めきっているようでした。彼女は学校や村のことを大切に思っていて、学校を休校させることは無く、年中開けているようにしていました。

 

出てくる人々が皆、この村を愛していて、学校を愛していて、子供たちを愛しているんです。だからどうしても学校を閉校させることを止めたいと思うんです。どーも町の学校を統括している校長がリゾートを作りたいために学校を潰したいようなんです。

 

 

国の教育庁も7人のために学校を維持させるのは難しいらしく、色々とルールを決めていて、そのルールに当てはまるのなら維持しても良いとなっているんです。なのでアニェーゼとミケーレは学校を存続させるためにルールに当てはまる学校に合うように状況を変えていくのですが、障害児が1人とかっていうルールに合わせるのって難しいでしょ。それを力技でやっていく姿が大笑い出来ました。障害児を力技って…。あ、コメディですからね。差別とかそういうことは無いですよ。

 

この映画、あんまり説明すると面白さが半減するのでここら辺で止めておきますが、本当に面白くて楽しくてほっこりして、こんな教師がいたら幸せな気持ちになるだろうなと思いました。まぁ、現代では難しいのかな。こんなことを学校でやっていたら、怒られちゃうと思いますから。

 

アントニオ・アルバレーゼさん、イケメンとは言えないけど憎めない顔の俳優さんですよね。イタリア映画では欠かせないコメディの常連俳優さんです。イタリアを代表するコメディ映画監督のリッカルド・ミラーニ監督。今作でも幸せな笑いを届けてくれています。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。こんなに楽しくて幸せになる映画、お薦めしない訳がない。誰が観ても楽しめる素敵な映画でした。日本公開は決まってないようですが、これは公開して欲しいなぁ。公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「別の世界」