「告白 コンフェッション」
を観てきました。完成披露試写会にFan’s Voiceさん枠で当選しまして観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは
大学山岳部のOBで親友の浅井とジヨンは、16年前の大学卒業登山中に行方不明となり事故死とされた同級生・西田さゆりの17回忌の慰霊登山に出かけるが猛吹雪で遭難してしまう。死を確信したジヨンは16年前に自分がさゆりを殺害したと浅井に告白。しかし運良く山小屋が見つかり、2人は命と取り留める。そして…。
というお話です。
大学山岳部のOBで親友の浅井啓介とリョウ・ジヨン。16年前に大学卒業登山中に行方不明となり、事故死とされた同級生・西田さゆりの17回忌の慰霊登山に出かける。彼らは毎年、慰霊登山をしているのだった。
しかし今回は天候が悪く、二人は猛吹雪で遭難してしまう。脚に大怪我を負ったジヨンは自分の死を確信し、16年前に自分がさゆりを殺害したと浅井に告白。自身の犯した罪に苛まれ続けてきたジヨンは、これで苦しみから解放されると言って安堵する。
しかしその直後、眼前に山小屋が出現し、2人は山小屋に避難をして命を取り留めることに。親友の最期の告白を聞いてしまった浅井と、うっかり言ってしまったジヨン。
2人の間に気まずい空気が流れ始める中、浅井は玉ねぎを見つけて料理をしようとするが包丁が無い。ジヨンに聞きに行くと、ジヨンがスマホで電話をしている。救助隊を呼んだようだが、何故か1人と言っている声が聞こえる。
ジヨンに家に電話をしたいからスマホを貸して欲しいと浅井が頼むが、充電が無くなったと断られる。ジヨンにナイフを借りて玉ねぎスープを作り二人で食べるのだが、ジヨンにナイフを返してくれと言われ、恐る恐るナイフを返す浅井。
まさかナイフで襲われるのではと心配になった浅井は、眠るに眠れず、ずっと薄目を開けてジヨンを監視し続けるのだが…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ~!さすがに福本先生の原作だと思いました。持って行き方が上手いんですよね。猛吹雪の中、足を怪我して山道は歩けないジヨンは、浅井に自分を置いてどこかに避難しろというんです。そして、その時に殺人の告白をするんです。普通ならここで終わるハズなんだけど、何故か山小屋を直ぐ近くに見つけてしまうんです。
避難した二人。さぁ、どうしましょう。ジヨンは殺人を告白してしまい、浅井はそれを聞いてしまった。これから生きていくならジヨンには秘密を知った浅井が邪魔だし、浅井は秘密を知ってしまいジヨンに狙われるのではないかという恐怖を感じ始めるんです。
雪山で遭難した時に朦朧として話した事だから、証言能力は無いし死体も見つかってないのだから事故で終わると思うんですけどね。まぁ、死体が見つかれば死因とかが解るので、また違ってくるかもしれませんが。
浅井は聞いてしまった自分はジヨンに殺されるのではないかと心配でたまらないけど、疲れているし、眠いしでうとうとしてしまいます。で、目を覚ます度にジヨンが怖くなっていくように見えました。ずっと独り言を言っていたり、自分の足を刺していたり、段々と壊れていっているように見えたのですが、実はこれ、違っていたのだと私は思っています。それは、映画で確認してください。
恐ろしいジヨンと人間的なジヨン。ジヨンの姿をしていたけど、浅井の恐怖が作り出した姿だったかもしれないし、もしかしたら浅井自身の姿だったかもしれない。彼の心の中に巣くっていた不安や恐怖や罪悪感など、全てが襲ってきたのかもしれません。
浅井は大学時代、山岳部で浅井とジヨンとさゆりの3人で仲が良かったのですが、実はさゆりと付き合っていたんです。ジヨンが好意を抱いていたさゆりと付き合っていたのですから、抜け駆けという感じで罪悪感を持っていたと思うんです。
それに…。うーん、浅井、ヤな奴だと私は思いました。なんかリーダーっぽくて、誠実そうに見えるけど、嘘つきっぽいのよね。良くいるでしょ、真面目でリーダーっぽい人。私、苦手なのよ。ひねくれてるから。でもね、きっと浅井が一番自分の嘘っぽい部分を理解していたと思うけどね。
いやぁ、やっぱりヤン・イクチュンさん、上手かったなぁ。彼は本当に上手いです。”あゝ、荒野”の時も思ったけど、表情が表面だけじゃなくて、心の奥から出てきているように見えるんです。だから、観ていると惹きこまれてしまうんです。「息もできない」では監督もされていて、凄い才能の持ち主ですよね。
そんなイクチュンさんに対するのは生田斗真さん。生田さんも舞台で頑張っていらして、新感線の舞台では毎回凄いアクションを見せてくれますから、今回もイクチュンさんに引っ張られて、イイ顔してましたねぇ。化学反応が出てたと思いますよ。生田さん、顔がキレイだからそれがちょっと邪魔しちゃうんですよね。泥臭い演技も上手いのに顔がキレイだと綺麗に見えちゃう。でも、今回は極限に来ていたと思います。狂気がちゃんと顔に出ていました。
奈緒さんは可愛かったなぁ。今回の出演はほんの少しだったけど、十分に二人を恐怖と狂気に陥れるお姿でした。あんなに可愛かったら、そりゃみんな好きになるよなぁ。私だって好きになるもん。(笑)
山下監督、今回の作品は人をじっくり描くのではなく、一気に狂気に入り込んでいくという、あまり今まで描かれていない内容の映画ですね。でも、ギュギューんってテンションを上げていき、一気に恐怖に突き落とす感じが凄かったです。面白かったです。
74分しかないのに、最初に一気に映画の中に引っ張り込まれるので、自分が一晩山小屋で過ごしたような気持ちになりドキドキしました。何度もビックリして飛び上がりそうになっちゃいました。気持ちとしては洋画の「ドント・プリーズ」を観た時のような感じがしました。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは面白いです。誰と行っても、一人で観ても、ドキドキで助けて~って叫びたくなるような映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「告白 コンフェッション」