「夢の中」感動シネマアワードのグランプリ脚本を映画化。都楳監督の長編映画初監督作品です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「夢の中」

 

を観ました。

 

ストーリーは、

血まみれで息を切らし「かくまってほしい」という男ショウと出会ったタエコ。生気がなくうつろな瞳をしたタエコは、そんなショウに「私の最期をきれいに撮ってほしい」と頼む。お互いにわからないまま、それぞれの感情と記憶が入り混じった奇妙な世界に引き込まれていく。

というお話です。

 

 

「俺のこと、ここで匿ってくれない?」血まみれで息を切らす男・ショウに声をかけられたタエコ。生気がなく虚ろな瞳の彼女は、部屋に入る彼に「私の最期、綺麗に撮ってください」とお願いする。

ショウは何から逃れてきたのか。タエコのその願いは本当に望んでいるものなのか。二人は時間を共有するうちに、夢とも現実ともつかない、お互いの感情と記憶が交ざり合う奇異な世界に引き込まれていく。時には水の中、時には暗い街中を彷徨う二人の姿。

二人が目を背けてきたものを前にして、表情を変えていく。何が本当で嘘なのか、当たり前だった安らぎも、そんな中での苦しみも、二人は目の当たりにして向き合わなければならない。そして現実と向き合った彼らが下した決断とは。後は、映画を観てくださいね。

 

 

上映時間は65分なのですが、内容はギュッと詰まっていたような気がします。主人公の二人が出会い、ぼんやり過ごす中で夢を見ていくんです。それまで自分がやってきた事、やれなかった事、やりたかった事、いくつもあるのですが、それがぐちゃぐちゃに彼らの頭の中で夢となって流れてくるんです。

 

ショウはカメラマンのアシスタントをしていて、恋人のアヤはモデルをしています。早く自分も一人前になりたいけどまだアシスタントで、モデルのアヤもカメラマンにダメ出しをされ落ち込んでしまいます。これは現実だったんじゃないかなと思います。その後、アヤがショウを裏切る場面があるのですが、それも現実だったんじゃないかな。

 

 

ショウはそんな現実を踏まえて、色々な夢を見たのではないかと思いました。で、アヤを殺すとか、自分が自殺するとか、とにかく現実から逃げ出して、タエコに匿ってもらい、また夢を見るんです。ただ、ちょっと解らなかったのが、匿ってもらうまでに、うるさいほどのサイレンの音と、すれ違う警察官の目の映像があったので、あれ?アヤを殺したのかな?と思ったりもしました。

 

でも、違うと思うんですけどね。最後の場面を見て、あれも夢で見ていただけなんじゃないかと思ったのですが、どうなんでしょ。警察官やサイレンは、もし夢を現実にしてしまったら自分が負うべき罪は大きいんだということだけだったように思いました。ただ、現実から逃げて、タエコのところに転がり込んだと思いたいです。

 

 

タエコも今の現実を諦めていて、抗わずに言われるがままに従うだけの生き方をしているんです。でも、本心はもうこんな自分を辞めてしまいたいと思っているんです。なので、何度も自殺をする夢を見ます。なんとか早く、この自分から抜け出したいと思っていたのだと思います。

 

でもショウと出会い、自分と同じように現実から逃げて夢だけ見ているショウを見て、これではいけないと思い始めたんじゃないかな。良く言うでしょ、”人の振り見て我が振り直せ”って。あれ?ちょっと違うかな。(笑)でも色々と考えたんじゃないかと思いました。

 

 

若い頃って何もかもが上手く行かずに、「ギャ~!」ってなる時ってあるじゃないですか。もう逃げ出したい、全てほおりだしたい、新しい自分になりたいって思う時があるんだろうけど、そこで向き合わなかったら、一生向き合えないよ。何も出来ずに、ただの社畜として生きるしかないです。

 

現実に向き合って何か答えを出したら、それがどんな答えでも一度は向き合った自信が付くから、次のステップに上がれると思うんです。それって、誰もが通る道じゃないの?それをしないで、何も見ずに逃げてしまったら、いつまでたっても何事も人のせいにして、文句ばかり言う人生になってしまう。ただの卑屈な人間になるんじゃないかな。

 

 

みんな、1回くらいは自殺したいと思うもんじゃないの?逃げ出したいと思うよね。私はその昔、「完全自殺マニュアル」を手に入れていつでも死ねるなと思ったからやってこれたと思います。現実って辛い事ばかりだから、そんなもしもの時のスイッチを持っていないとやってられないですよね。当時、「完全自殺マニュアル」は話題になりました。私は普通に本屋で購入した覚えがありますが、販売禁止になったり大変でしたよね。

 

話を戻して、二人が最後にたどり着いた結末は何なのか、お楽しみしてください。私は何となく希望が持てる気がして、どうなろうとも良かったと思います。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。短めでとても観やすいですが、ちょっと解り難いかなと思いました。私も、自分の解釈で良いのか自信はありません。でも、最後まで見て、気持ちはスッキリしたので良かったと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「夢の中」