「ペナルティ・ループ」何が現実で何が空想なのか。頭の中が異次元に広がってしまいました。何が本当? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ペナルティ・ループ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

岩森淳は素性不明の男・溝口に恋人の唯を殺されてしまう。自らの手で溝口に復讐することを決意した岩森は、綿密な計画を立てて殺害を実行するが、翌朝目覚めると周囲の様子は昨日と全く同じで、殺したはずの溝口も生きている。なぜか時間が昨日に戻っていることに気づいた岩森は戸惑いながらも復讐を繰り返すが、何度殺してもまた同じ日に戻ってしまい。

というお話です。

 

 

岩森淳が朝6時に目覚めると、時計からいつもの声が聞こえてくる。岩森は身支度をして家を出て仕事場に着くと、そこである男を待ち受ける。最愛の恋人・砂原唯を殺めた溝口昇だ。何故彼が唯を殺したのかは解らないが、いつもの通り溝口を殺し、疲労困憊で眠りにつく。


そして翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のまま、溝口もなぜか生きている。同じことの繰り返しで、また今日も、岩森は溝口への復讐を繰り返していく。何度繰り返しても同じこと。復讐は終わらない。岩森はメンタルが疲れ果て、復讐相手の溝口に話しかけることにする。

 

 

この復讐は辞めることは出来ないらしい。そう契約をしてしまったからだ。契約した相手は何者なのか。そして何故何度も同じことを繰り返すのか。不思議に思いながらも辞めることが出来ず、溝口を殺し続け、溝口も殺され続ける。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

面白いお話なんだけど、これ、何が本当なのか、最後の最後でわからなくしてませんか?私は頭の中がぐるぐる回ってしまいました。という訳で、今日は私の解釈を書いてみたいと思います。違っていたら教えて下さい。なのでネタバレします。

 

 

岩森は唯と知り合い、一緒に暮らし始めます。唯は出会ったときに大きな荷物を持っており、後を付けると水辺のドラム缶で書類を焼いていて、それが何かは解りません。そして二人は恋人となり、ある日、唯は何かを秘めた顔で出かけていき殺されます。

 

唯の情報はこれしかありません。後は溝口が最後に話した殺して貰いたがっていたという言葉だけ。そして殺されてしまい、岩森が溝口に復讐をするために、VRを使って殺人を繰り返すというものです。でも、何度も続けるうちに、それが虚しいことと解り、溝口と会話を交わすようになり、まるで友人のようになりました。

 

 

まぁ、復讐は無駄な事だということはここまでで描けていると思いますが、これVRですよね。溝口は全く違う世界で生きているということで良いのかな。そして本当に唯を殺したのが溝口だという証拠はあるのかな?不思議に思いました。そして唯ですが、彼女は本当にそこに居て、殺されたんでしょうか。岩森は本当に知り合ったのかしら。唯自体がおかしくありませんか?

 

大きな荷物の中に沢山の書類。たとえば唯がVRの契約をして抜け出せないループの中にいたのだとしたらどうでしょ。復讐の回数が終わり、虚しい復讐を遂げた後だったとしたら生きている意味が無くなっていますよね。そして契約は終わったので書類を破棄してしまいたい。もう全て終わったので殺して欲しいと願っていた。

 

 

それをVRの組織に頼んでいたとしたら、溝口は組織から唯を殺すという仕事を引き受けて、唯を殺した。そして唯の恋人である岩森が溝口を殺すVRを契約する。こう考えていくと、組織は永遠に儲かりますよね。

 

この場合は、岩森と唯と溝口は現実ですが、岩森が溝口を何度も殺すのはVRなので、溝口は今も組織の殺し屋として仕事をしているのかもしれない。

 

 

それとも、例えば何の楽しみもない岩森が、”ある女性と出会いその女性が殺されて復讐をするというVR”、を頼んでいたとしたらどうでしょう。唯と出会い恋人になるところから全て夢で、最後の事故で現実に戻ったと考えたら、なんて平和な世界なんだろうということにならないですか?

 

凄く不思議だったんです。わざわざ復讐を何回もして契約が終わり、その後に最初の契約通りにしてくださいと頼んで、幻の唯との幸せな生活を思い出させて貰い、現実に戻る。この話では、唯の経歴も解らず、溝口の経歴も解らず、あまりにもよく出来た終わり方で、そうなると全てが夢落ちだったんじゃないかとも思います。

 

 

私が岩森で本当に恋人を殺されたとしたら、溝口への復讐を何度かした後、唯との生活を永遠に自分が死ぬまで夢見させてもらうけどなぁ。夢を見ながら殺して貰うのが一番幸せでしょ。もう苦しまなくていいんですから。

 

考えれば考えるほど、どこまでが現実で、どこからが夢=VRなのか、誰が現実で誰が夢なのか。結局、最後に現実に戻ったのは岩森だけでしたよね。そうなるとやっぱり岩森だけが現実だったのではないかと思ってしまいます。寂しい部屋で建築模型を作るのが趣味で、何もない人生なら、そんなフィクションを考えたとしてもおかしくないかなと思いました。

 

 

皆さんは、何が本当だと思いましたか?人間は無いもの強請りで平凡に生きるのが嫌だと思いながら、平凡に生きることを望んでいます。そんな人間にVRが良い娯楽になる日が来るのかもしれません。でも、永遠に復讐の為に人を殺すとかって精神衛生上、良いとは思えませんけどね。

 

若葉さん素敵でしたねぇ。彼が演じると人間っぽくて共感が出来るんです。地に着いた演技というのかしら、どんな役でもその役に入り込んで違和感なく演じられるのが若葉さんですよね。好きな役者さんです。伊勢谷さんを久しぶりに拝見しましたが、ごめんなさい、カッコいいのは認めますがやっぱり罪の事を思い出してしまって素直に喜べませんでした。芸能界は薬物問題でも簡単に戻ってこれるので、どーも甘いなと思ってしまいます。一般社会では受け入れられませんからね。

 

 

この映画、私は超!お薦めしたいと思います。私のように、もしかしてを何通りも考えていると、頭の中で何本もストーリーが出来てしまって凄く面白いんです。でも、映画をそのまま受け取って表面だけ観ると、何度も人殺しをして面倒臭くなっていくというだけになってしまうので、そんなに楽しくないかもしれません。出来たら、何が本当なのか考えて教えて欲しいな。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ペナルティ・ループ」