「四月になれば彼女は」愛を終わらせない方法は探せばいくらでも出てきます。悲観的にならないで。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「四月になれば彼女は」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人である伊予田春から手紙が届く。ボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の恋の記憶がつづられていた。その後も春は世界各地から手紙を送ってくる。一方で藤代は現在の恋人・坂本弥生との結婚の準備を進めていたが、ある日突然、弥生は姿を消してしまう。

というお話です。

 

 

「あのときのわたしには、自分よりも大切なひとがいた。それが、永遠に続くものだと信じていた。」四月、精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人・伊与田春から手紙が届く。”天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。

時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」その謎かけだけを残して。

 

 

何故彼女が消えたのか、まったく思い当たらない藤代は、思い当たる場所を周り弥生のことを聞くのだが、誰も解らないという。そして誰もが藤代に、何で解らないの?と聞いてくる。藤代は何が間違っていたのか思い当たらないまま、弥生を探し続ける。


春はなぜ手紙を書いてきたのか?弥生はどこへ消えたのか?ふたつの謎は、やがて繋がっていく。現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人をさがし求める四月が始まる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

いい映画でしたねぇ~。愛しているからこそ、許せないことや我慢できないことがあって、それを相手にぶつけてしまえばいいんだけど、自分を愛してくれているのか自信が無いからぶつけられないんです。正面からぶつかっていけるほど自分が相手を信頼出来ていないんですよね。うーん、凄く現代の恋愛を表していて、考え深いなぁ。

 

もちろん恋愛をして結婚する人が多いと思うけど、相手を全面的に信頼出来ているから結婚するというのとはちょっと違うと思うんです。お互いにそれぞれ別の生活が今まであった訳だし、恋愛したからって、全て相手を理解している訳じゃない。だから、どこか恐る恐る近づいている部分もあるし、この部分は踏み込んじゃいけないという部分もあるし、難しいですよね。

 

 

昔の結婚のように、女性は主婦として家に入り夫に養って貰うというのとは現代はちょっと違いますからね。財布は別々だったり、家は一緒でもお互いの領域があったりするでしょ。そうすると、恋愛していてもどこかドライな部分があって、お互いに優しいし、喧嘩もしないんだけど、その分よそよそしい部分がありますよね。

 

そんなドライな関係のまま結婚に向かうからそれで良い人もいるんだろうけど、どこか寂しいですよね。そんな時に、この映画では相手の元恋人から手紙が届くんです。ドライな二人だから、藤代は何も思わずに弥生に手紙を見せるんだけど、それって最悪だと思うのよ。だって、そこには成就しなかった恋愛のことが書かれているんですから。そうです、そこに「愛を終わらせない方法」のヒントが隠されているんです。

 

 

ネタバレは出来ないけど、藤代は春と恋愛をして、ある事がきっかけで別れることになったんです。春にとっては初恋で、藤代にとっては二人目だったのかな。お互いに結婚まで考えるほど好きな相手でした。それでも別れることになったんです。二人はそこに愛を残したまま断ち切ってしまった。だから愛が消えていないんです。そうなると、弥生は不安になりますよね。藤代と春の愛は永遠になってしまったけど、自分と藤代はもうすぐ結婚することになる。愛が成就してしまう。それは不安になりますよ。

 

自分が藤代と育んできた愛は成就して終わってしまうかもしれない。どうしようもない不安で一杯になったんじゃないかな。でもね、心配しなくても良いと思うよ。結婚したら家族になっちゃって男女の愛とは変わっていくかもしれないけど、家族の愛は終わらないから。

 

よく家族の愛じゃなくて男女の愛が欲しいという人がいるけどどこが違うの?それって、性欲部分の事に対してだけじゃないの?私は家族の愛になっても良いと思うよ。子供が巣立てば二人だけの男女の愛に戻れるし、その頃には性欲はほとんど無いと思うけどお互いを思いやれて幸せだと思うけど。心配しなくても愛は終わらないと思います。

 

 

ま、結婚していても他に好きな人が出来たりもあるし何とも言えないけど。人それぞれ色々な人生があるから、一概に愛は終わらないとは言えないけど、好きだなー、一緒にいて楽しいなぁーと思う人と試しに結婚して暮らしてみるのも人生として良いんじゃないかな。

 

それにしてもこの藤代くん、人の気持ちが解らないヤツだなぁ。みんなが「まだ気が付かないの?」というはずです。そんなんで精神科医出来るんかい。最近の人って、あまり人と会話をしないし、文章も読まないし書かないし、短いSNSくらいしかやらないから人の気持ちが読めないんでしょうね。文章の端々や会話の端々、行動から人の気持ちを読み取るという行為が出来ないんだろうなぁ。ほっんと察しの悪い人が多くて困ります。

 

人間が鈍くなってきている気がしています。というか、みんな、自分で鈍くしているのかな。あまり色々なことを見なくなっている人が増えたのかなと思います。嫌なことや汚いこと面倒なことなど、出来るだけ見ないで関わらないで、何も起こらない人生を生きたいと思っているのかな。

 

 

そんな人生、面白いですか?私はドキドキすることやワクワクすることが無いと生きている実感が沸かないので、色々と首を突っ込んできました。ま、そろそろ引退しないと身体が続かないんですけどね。色々なことをやってみたいという好奇心が無くなったら人間つまらないですよ。何もない人生なんてクソだと私は思いますけど。

 

話を映画に戻して、この二人は愛し合っていると思うんだけど、似た者同士だからお互いに臆病なんですよね。どちらも踏み込もうとしないから、どうしてもコミュニケーション不足になって不安が積み重なっていくと思うんです。きっと何もなければ、この二人も結婚まで突き進んじゃったと思うんだけど、春の手紙がきっかけで弥生が行動に移したんです。

 

でもね、この出来事があって良かったと思うんです。そのまま結婚していたら、やっぱり上手く行かないってことで弥生が家を出ていたと思うんです。結婚前に二人の問題に向き合うことになり、お互いにやっと見つめ合って気持ちを確認出来たんじゃないかな。春のおかげですね。

 

 

春は死にゆく自分を忘れないで欲しいという気持ちと、あの時に幸せにしてあげられなかった藤代に今度こそ幸せになって欲しいという気持ちを込めて手紙を書いていたのかもしれません。その深い愛が弥生を動かしたのだと私は思いたいな。そして弥生を藤代に帰そうと思ったのだと思います。

 

藤代は春からの手紙だと思って、懐かしい気持ちと昔の恋心を思い出したくらいで、そんなに深く考えていなかったんじゃないかなぁ。じゃなかったら弥生に手紙を見せないでしょ。隠せとは言わないけど、時期を考えようよ。何年か経ってそういえばと言って見せれば良かったんじゃないの。もし藤代が私の友達だったら、手紙を見せたと聞いたらぶん殴ってるけどね。

 

あー、凄い書いちゃった。藤代が弥生と再会出来るのかは映画で確認してくださいね。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画は好きだなと思いました。でもね”愛を終わらせない方法”にピーンと来なくて、弥生の行動が理解が出来ない人には刺さらないかもしれません。人による作品かなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S:原作とは少し内容が変わっています。でも、原作が伝えようとしていた愛と喪失については解りやすく描かれていたと思います。

もひとつP.S:藤井風さんの主題歌が素晴らしい!ずっと聞いています。

 

 

 

 

「四月になれば彼女は」