「ゴールド・ボーイ」どこまでも自分の欲望に素直だということが悪を導くのかもしれません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ゴールド・ボーイ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

実業家の婿養子である東昇は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラでとらえてしまう。それぞれ複雑な家庭環境や家族の問題を抱える少年たちは、東を脅迫して大金を手に入れようと画策するが。

というお話です。

 

 

それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは。義父母を崖から突き落とす男・東昇の姿を偶然にもカメラでとらえた少年たち。事業家の婿養子である男は、ある目的のために犯行に及んだのだ。


一方、少年たちも複雑な家庭環境による貧困や、家族関係の問題を抱えていた。「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」朝陽(13)は男を脅迫して大金を得ようと画策する。

 

 

朝陽は自分の母親と離婚して再婚した父親とその再婚相手に不満を持っており、友人の浩と夏月も両親に不満を持っていた。そんな子供たちの問題を解決するためのお金を都合しようと考えたのだ。そして「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まってるから」。朝陽はそこまで考えての行動だった。

 

東昇と少年たちの二転三転する駆け引き。どちらも引かず、どこまでも子供という権利を利用しての朝陽のやり方はエスカレートしていく。そして最後に勝ったのは誰だったのか。

後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、中国で「悪童たち」というベストセラー小説がドラマ化され、日本で映画化することになったそうです。なんか、内容が先日ニュースで騒ぎになった中学生が大学生を恐喝して殺してしまった事件と似ていて、ちょっとゾッとしました。殺したというかビルから飛び降りさせたのかな。でも殺人ですよね。

 

最初、東昇という男が、義父母を殺害する場面から始まります。東は沖縄で成功した一族に婿入りしましたが、妻から離婚を切り出され、このままでは全てを失くすことになりそうでした。勤めているのは妻の実家ですし、妻は彫り師と浮気しており東昇と復縁することは考えられない状態でした。

 

 

そうなるともちろん、自分の立場を守るために行動を起こしますよね。そして義父母を殺し会社の経営権を娘に移して、その後、妻を殺せば、自分が財産を継ぐことになります。そんな計画を立てて行動に移すのですが、こういう人物に限って本当に運が悪いんです。そう、子供たちに殺人現場の動画を取られてしまうんです。アホでしょ~。

 

崖から人を突き落とすなんて一番見られやすいし、今時なら定点監視カメラが狙っているでしょ。もっと殺し方を考えて欲しいけど、まぁ、やっちゃったことは仕方ない。脅してくる子供たちを何とかやり過ごせれば自分の勝ちになるけど、思っていたよりも子供たちの頭が良くて、簡単には勝てそうにありません。

 

 

対して子供たちの中の安室朝陽はリーダー的存在で、とても頭が良くというよりも、この子、完璧なサイコパスでした。最初はちょっと頭の良い寂しい少年かと思ったのですが、それは仮の姿でした。子供ということでどうしても甘く見てしまいますよね。こんな酷いことを考えているなんて想像出来ないけど、平然とやってのけるんです。

 

何をやるかはネタバレになるので書きませんので映画で確認してください。驚くような真実が後半にどんどん判明していきます。サイコパスって怖いよなぁ。思い出しても、ここまでやるかってことを平気でやるんだよね。もし、自分の子供がこんなにも狂っている子供だったらしようがないどうした良いんだろう。本当に考えてしまいました。

 

 

東が悪いように思われているけど、彼は純粋に自分の欲望に素直に従った凡人なんです。貪欲な考えから実業家の娘と結婚して、結婚してしまえば上手くいくと思っていたのだろうけど、相手にも意志があるので、上手くいかなくなって、何とかしなければと思っての行動だったと思います。

 

そして子供たちはたまたまその事件を動画で録画してそれを利用し、朝陽は自分の望み通り全てをやってのけようとします。浩と夏月は、朝陽が自分たちのために動いてくれていると思っているけど、朝陽は自分の事しか考えておらず、それが段々と解ってきます。恐ろしいなぁと思いました。

 

 

騙し騙されがありますが、最後までたどり着くと朝陽は十分に考えて行動していたのだということが解ります。悪童というだけでは収まらない完璧なサイコパスの様相が見て取れるんです。凄い展開でした。

 

考えてみると浦沢直樹先生の「MONSTER」に似ているかな。あの漫画と同じように、誰もが真面目でかわいい少年が人殺しなんて考える訳がないと思っているところが全ての目を狂わせているんでしょう。朝陽を演じた羽村さん、そんなにパッとする容姿や演技を持っている子ではないけど、だからこそ、この隠れたサイコパスを演じるのに合っていたのだと思いました。

 

悪役の岡田さん、上手かったですね。彼もサイコパス気質なのだと思うけど、朝陽よりは人間らしい人物だったかな。子供だからってバカにしていたことが彼の汚点でしょうね。甘いです。

 

 

面白い映画でした。中国の小説をよく日本で映画化出来ましたね。舞台を日本の沖縄に移しても、とても面白く出来ていたと思います。私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。とても楽しめました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいカメ

 

 

「ゴールド・ボーイ」