「パレード」突然の死は誰でも受け入れがたいですよね。特に子供がいたら心配で死んでいられません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「パレード」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの配信記念キャスト登壇付き試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

海辺で目を覚ました美奈子。離ればなれになったひとり息子の良を捜す彼女は、道中でアキラという青年や元ヤクザの勝利、元映画プロデューサーのマイケルらと出会い、やがて自分がすでに亡くなっていること、未練を残して世を去ったため、まだ“その先”に行くことができずにいることを知る。

というお話です。

 

 

瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました報道番組制作者の美奈子は、離ればなれになった一人息子の良を探してさまよううち、彼女は不可解な現象に遭遇する。救助隊員に話しかけても答えてもらえず、触れても何も感じない。自分の身に何が起こったのか。困惑し、途方に暮れていた時、アキラと名乗る青年に声をかけられる。彼に導かれるままについていくと、廃墟の遊園地に

元映画プロデューサーのマイケル、元ヤクザの勝利、元スナックママのかおり、元銀行員の田中が集っていた。

 

なんでも、ここは想い出を残して”その先”に行けない支社たちが集う世界だという。自分の死を受け止めきれない美奈子はマイケルたちから距離を取ってしまうが、月に一度支社たちが集い、それぞれの会いたかった人を探す”パレード”に参加したことを機に、少しずつ心を開いてゆく。

 

 

アキラたちと協力して良を捜すなかで、各々がこの地に留まることになった未練の理由を知っていく美奈子。遺していった家族、最愛の恋人を想う者、果たせなかった夢を引きずる者。それぞれの想いが成就されればきっと先に進めるのだろうが、まだまだ先が見えず誰もが自分の気持ちを抱えて喘いでいた。

 

そんなある日、現世に絶望した女子高生・ナナが現れる。彼女は何やら強い憎しみをもってここに来たようで、ここに馴染もうとしない。しかし、彼女が現れたことで、静かに動き始める各々の運命。呼応するように、生者たちの人生にも変化が訪れてゆく。それぞれの秘密と哀しみが癒されたとき、一筋の希望が生まれる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

最初に舞台挨拶があり長澤さん、坂口さん、森さん、藤井監督が登壇されて撮影時のお話などをしてくださいました。そこでこの映画の話を亡くなった河村プロデューサーと企画していたというお話を聞き、そのつながりで長澤さんに主演をお願いしたとのことで想いが詰まっている映画なんだなと思いました。

 

この映画、亡くなってしまった人の目線で描いていくので、ちょっと新鮮でした。もっと面白く言うとゾンビ目線ってことでしょ。死んじゃってるから何やっても大丈夫じゃんと割り切っているのかと思いきや、まったく人間の時の気持ちを捨てられてなくて、生きていた時の思い残したことを考え続けているんです。

 

私なら、もう死んじゃっていて死ぬ心配はないんだから、車にぶつかってみたり、高いところから落ちてみたりするかもしれないし、ありとあらゆるタブーと呼ばれることをやってみたいな。でも、きっと、私のように死んじゃったんだからと割り切れるような人間は想い残すことがないということで、此の世に留まることはないのかもしれませんね。

 

 

主人公の美奈子は東日本大震災で津波に呑まれた女性で、海辺に打ち上げられていたけど、あれは意識だけで身体は流されて見つからないのでしょうね。震災後の瓦礫の山や、体育館で行方不明者のリストで家族を探す人など、リアルな描写がされていました。本当にあったことですから、リアルに描いてくださって良かったと思います。実際にあった事ですから綺麗ごととして描かれたらたまりませんもんね。

 

美奈子は息子の良を捜して彷徨い、アキラと出会ってからもずっと捜し続けているんです。死者は自分が死んだのは解るけど他人のことは解らないんです。だから、別々の場所で死んでいれば、自分も相手も捜し続けているかもしれない。なので、月に一回パレードを開催してお互いを確認し情報を共有しているんです。近くにいるのに気が付けないこともあるかもしれませんからね。

 

 

美奈子はシングルマザーで息子を育てながら記者としての仕事をしていたので、結構、ハードな生活を送っていたようです。美奈子が生きている時のことを思い出している場面で、息子に酷い言葉をぶつけている場面もありました。一瞬虐待かなと思うような言葉もあったと思います。ちょっとだけ「マザー」を思い出しました。

 

廃墟の遊園地に住んでいるのは、元映画プロデューサーのマイケル(リリーさん)、元ヤクザの勝利(横浜さん)、元銀行員の田中さん(田中さん)、元スナックママのかおり(寺島さん)、元小説家志望のアキラ(坂口さん)、そして後から現れた元高校生らしいナナ(森さん)でした。

 

マイケルは映画の続きが撮りたかったみたいで、勝利は残してきた恋人を想い、かおりは孫の姿が見たかったようで、アキラは小説を書き終えたいようでした。ナナと田中はわかりませんでした。実は、このナナは他の人々とはちょっと違うことでこちらに来てしまったので、どうしたいという想い残しがまだないんです。田中は漫画「死役所」の事務員さんっぽいかな。

 

 

この映画、すでにNETFLIXで配信されているので、すぐに観れます。私は大スクリーンで観たかったので舞台挨拶付き試写会はとても嬉しかったです。家でも大き目のTVで観れますが、やっぱり映画館で観るというのは気持ちが違うので観れて良かった。細かい部分は、これから家で観たいと思っています。全体的には「天間荘の三姉妹」に似ているかな。イズコのような人はいないけど、みんなを監視しているような人はいます。

 

皆さん、配信される映画をスマホなどの小さな画面で倍速で観ているので、勿体ないよなぁと思います。YouTubeなどは2倍3倍速でもよいと思うけど、映画に関してはそれなりの間や距離感があるので、倍速にするとそれを感じられないでしょ。あの空気感も伝わってこないよね。話だけ知りたいなら本を読んだほうが自分の頭の中で絵コンテ描いてる状態になるので、そのほうが良いですよ。

 

 

ネタバレ出来ないので、あまり詳しい感想が書けませんが、私は何となく穏やかな気持ちになったかな。この話、よく考えると”夢落ち”ということもあるんだけど、じゃぁなんでとなると、やっぱり違うのかなという気持ちにもなりました。

 

本当に現世と死者の国との境目にこういう場所があって、そこにもたくさんの人々が集っているのなら、ガフの部屋に魂が無くなって子供が生まれないのも理解出来るような気がします。想い残しがある人が増えてしまうと、魂が成就してガフの部屋に戻りませんからね。だから生きている人間がマトモに生きるようにして悪人をどんどん減らしていけば、想い残しがあるような死は減っていき、子供も沢山生まれるようになると思うけど。結論から言うと、平和な安心して暮らせる国になれば、想い残しもなく、子供が沢山生まれてくるんですよ。そんな事を思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。楽しくて笑える

映画ではないけど、ジーンと感動するようなそんな映画でした。やっぱり長澤さんが上手いですよね。表情がすごいですもん。その悲しみや苦しみそして哀れみも伝わってきました。良い作品です。ぜひ、観てみてください。NETFLIXで直ぐに観れます。但し、出来れば倍速にしないで観てほしい。これは雰囲気を感じる映画ですから。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「パレード」