「サイレントラブ」キャストは良いのに時代に合わないラブストーリーなので疲れてしまいました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「サイレントラブ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

ある出来事をきっかけに声を発することをやめ、毎日をただ生きているだけの青年・蒼。不慮の事故で視力を失ったピアニスト志望の音大生・美夏と出会い、絶望に追い込まれながらも夢を諦めない彼女にひかれていく。彼女に思いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。そんな蒼の不器用な優しさがようやく美夏の心に届きはじめた矢先、運命の渦が2人をのみ込んでいく。

というお話です。

 

 

ある事件により声を捨て、毎日をただ生きているだけの蒼。学校の用務員の仕事をしながら、夜はレスリングの練習に通い、日々を生きている。

ある日、学校の屋上でペンキ塗りの仕事をしていた蒼は、屋上に登ってきて柵を超えて自殺をしようとする女子学生を助ける。その女子学生は不慮の事故で視力を失い絶望の中でもがいていた音大生・美夏だった。



 

数日後、学校の庭で美夏に再会する蒼。美夏には蒼の姿は見えていない。彼女が使われていない教室に入っていくのを見た蒼は、そっと覗いてみると、古いピアノの前で泣いているのだった。何があってもピアニストになるという夢を諦めない美夏に心を奪われた蒼は、彼女を守り、陰ながら支えていくことを決意する。

しかし目の見えない美夏と声を出せない蒼。想いを伝える方法はそっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。蒼の不器用すぎる優しさが、ようやく美夏の傷ついた心に届き始めた時、運命がふたりを飲み込んでいく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

完璧どっぷりなラブストーリーで、ちょっとケプッてしそうな内容でした。うーん、あり得ないでしょ。お嬢様と元殺人犯って、どんなに好きでも無理だと思うよ。差別はいけないとか、更生しているんだからとかあるだろうけど、でも、この世の中はそう簡単に出来ていないので、例えば、お金持ちなら、彼に新しい戸籍を買ってあげるとか、そんな事でもしないと、無理だよねぇ。(笑)

 

なんとなく生きているだけという無気力な蒼。学生の頃に、ある事件で喉を潰され、声が出なくなりました。少年院に入り、その後、今の仕事に就いたようでした。うーん、事件を見る限り蒼は悪くないような気がするけど、過剰防衛ということで罪になったのかな。ちょっと、その辺りが何も描かれなかったので解りませんが、ちょっと不可解でしたね。

 

 

美夏の方は、交通事故で視力を失ったということでしたが、治療で少しづつ視力は回復するようでした。彼女の夢はピアニストになることで、今、練習をしなければ未来は無いと思っているらしく、目も見えず、腕に後遺症がある状態では絶望的だと思ったようなんです。なので、絶望的になり、自殺をしようとするんです。そこに居合わせた蒼が、美夏を助けて、関わり合いを持つようになるんです。まぁ、ありがちですよね。

 

そして、もう、お決まりのコースですが、蒼は正体を隠して美夏の手助けをし、その過程で知り合った北村に自分の代わりにピアノを弾いて貰うんです。蒼は音大生だと美夏に嘘をついていたので、代役をして貰っていたんです。なんか、ここら辺もまだるっこしい設定だなと思いましが。同じ学生ですと言う必要は無かったでしょ。事務員でも、出入り業者でも良いし、聴講生だっていい訳じゃない。いくらでもいい訳で来たのに、わざわざ音大生だなんて。だから問題が起きちゃうんだよ。

 

 

現代では、あまり普通の恋愛映画は人気が出ないと解っているのに、何故、こんなにベタな恋愛映画を作ったのかしら。まだ、ラブコメなら若い子が観るだろうけど、これほどベタベタしていたのでは、好んで観に行こうとはしないんじゃないかな。だって、面白くないんですもん。いつも同じ展開で、最後はハッピーエンドでしょ。もう少し、現実的にして欲しいんですよ。

 

ドラマ「いちばん好きな花」でも描かれたように、恋愛を抜きにした関係を続けていく方が楽で長続きすると誰もが解ってきている現代で、無駄に恋愛映画を排出しても、”はぁ~、またですか。”という気持ちにしかならないのよね。いつも美男美女で、誰もがお金持ち。今回のような内容でも、片方はお金持ちなので何でも思い通りになるでしょ。一旦、こういうラブストーリーを辞めないかなぁ。

 

昨日観た「パスト ライブス 再会」という映画は、ラブストーリーだけど、とても良く出来ていて、これこそ現代の恋愛映画だよなという内容でした。もう、時代はこういう風に変わってきているんです。いつまでも日本映画のように、ベタベタして、好きだ嫌いだ、不倫だ横取りだ、ストーカーだなんてやっている時代じゃないんです。もう少し、映画業界も大人になってくれないかしら。

 

 

脚本がとても幼稚な感じだと思いました。事件を起こして少年院に入っていた男性が、盲目の女子大生と恋に落ちて、声が出ないから意思の疎通を図るのに鈴と指を使うんですけど、これだけ聞くと良いお話になりそうでしょ。でも、その周りを取り巻く環境が、とても適当なんです。こんな無法地帯無いでしょ。

 

ギャンブルにハマる金持ちの音楽教師や、半グレまがいの蒼の仲間とか、闇カジノに勤める半グレとか、なんだか酷いんですよ。設定は横浜らしいんだけど、こんな人たちいませんからね。横浜はもっと田舎で、ほのぼのとした街です。カッコつけてるように言われるけど、普通にオバちゃんが焼き芋もって走っているし、ジャージで歩いているし、たくあんは生で漬けてあるとこから引っ張り出してビニールで包んで買って帰りますから。パックなんてしてないからね。それが本当の横浜です。

 

 

山田さん、好きな俳優さんなんだけど、この役はあまり合っていないと思いました。”バットランズ”のような内容だとビシッと合ってくるんだけど、恋愛映画はあまり良くなかったなぁ。浜辺さんも、こういうベタな恋愛映画は合わないというか、彼女にやって欲しくないと思いました。やっぱり仮面ライダーやゴジラマイナスワンの彼女の方が、活き活きとしていたし、演技が光っていましたから。

 

内田英治監督、良い映画を沢山作っていらっしゃるんだけど、今回はちょっと好きじゃありませんでした。音楽も久石譲さんがやってらっしゃるんだけど、あまり響かなかったなぁ。どうしたんだろう。私がおかしいのかしら。この監督で、このキャストで音楽なら、成功しそうな気がするんだけど、どうしてなのか、観ていてイライラするような展開で、ダメでした。今、公開ということは、少し前に撮影したのだろうから、また旧ジャニーズ事務所が横やりを入れて脚本を変えたんじゃないの?山田さんの良さを台無しにしてますよ。

 

 

私は、この映画、あまりお薦め出来ないかなぁ。でも、山田さんと浜辺さんは素敵なので、そこはお薦めしたいかな。キャストは良いけど、お話はダメという感じですね。このキャストなら、もっと良い映画が出来たと思うんだけど、どうしてこうなっちゃったのかしら。とても私は残念です。もっと明るいラブストーリーか、またはドロドロのサスペンスアクションラブストーリーの方が、まだ面白かったと思いますよ。お二人のファンの方は、満足出来るんじゃないかな。綺麗に撮れているし良いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「サイレントラブ」