「葬送のカーネーション」故郷である紛争地帯に妻の遺体を埋めるため、孫を連れて大変な旅に出る。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「葬送のカーネーション」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

荒涼とした冬のトルコ南東部。年老いた男性ムサは他界した妻との約束を守るため、彼女の遺体を故郷の地に埋葬するべく棺を背負って旅をしている。紛争の続く地域へ帰りたくない孫娘ハリメは、親を亡くし仕方なくムサと行動をともにする。彼らは旅の途中で出会ったさまざまな人たちから、神の啓示のような“生きる言葉”を授かりながら進み続ける。

というお話です。

 

 

荒涼とした冬景色のトルコ南東部。

年老いたムサは、亡き妻の遺体を故郷の地に埋葬するという約束を守るため、棺とともに旅をしている。砂埃が舞う中、ずるずると妻の遺体を板に乗せて引いていた。

祖父と共に旅をさせられているのは孫娘のハリメ。紛争の続く場所へ帰りたくないハリメだったが、親を亡くし身寄りは祖父だけとなってしまい、仕方なく一緒に歩いている。



 

亡き妻とともに故郷への帰還を渇望するムサ。旅で出会う様々な人たちから、まるで神の啓示のような“生きる言葉” を授かりながら進んでゆく。反対に警察など国を守っている人々は、紛争地へは入れないし、土葬することは難しいといわれてしまう。

国境、生と死、過去と未来、自己と他者、棺をかつぐ祖父と孫娘の心の融和。言葉のない旅を続ける二人は祖母の遺体を故郷に埋葬出来るのか。後は、映画を観てくださいね。



 

随分と前に観た映画なのですが、感想が後回しになってしまいました。美しい映画なのですが、セリフが少なくてあまり解説もありません。なので主人公2人の数少ない言動や様子から、今の状況を把握するしかないんです。

 

故郷を目指してトルコ国内を旅して紛争地帯まで行きつきたいということなので、シリア難民なのかなぁと思います。きっと祖父母が故郷は危ないからと言って安全な国に避難していたのだと思うけど、故郷が忘れられなかったのでしょうね。でも、孫娘のハリメは辛い思い出しかないから帰りたくないんじゃないかな。

 

 

ハリメは両親がいなくて、祖父母と暮らしていました。ということは、もしかしたら紛争でご両親が亡くなり、そしてトルコに逃れてきたのかもしれない。それなのにまた紛争地帯に向かう祖父に怒っているのだと思うけど、でも、止めることが出来ないのでしょう。

 

車も無く、台車も何もなくて死体を運ぶなんて、ちょっとあり得ませんよね。道中、死体が腐敗しちゃうんじゃないかなと思うんだけど、どうなっていたのかしら。

 

色々な人が助けてくれて随分と故郷に近づくんだけど、警察に止められて、死体を運んでいることで逮捕されてしまいます。確かに、勝手に死体を運んで紛争地に埋めようなんて怒られますよ。危ないし、きっと死体は墓地に埋めるようにという法律があるんじゃないかな。そこら辺に適当に埋められたら大変ですもんね。

 

 

お祖母ちゃんの希望通りに故郷に帰してあげることは出来ないんですけど、故郷に帰れないというのはかわいそうだなと思いました。でも、だからと言って勝手に死体を移動して埋めちゃうというのは、今の社会では許されないと思うよ。気持ちは解らないではないけどね。

 

いやぁ、でも本当にそのまま埋めるだけなんですね。衛生上良くないですよね。だって動物が食べにくるかもしれないし、色々な病原菌が繁殖しますよね。人間が一番美味しいんだから。日本で土葬をしたいといっている人たちがいたけど、絶対に許しちゃいけないと思いました。そんなに火葬が嫌なら自分の国に連れて帰って埋葬すればよいのに。この映画と同じようにやればよいんです。飛行機であっという間でしょ。

 

 

世界中に故郷に帰れない人が沢山いることは解っています。でも本当に帰れない人と、帰れるけど帰らない人といると思うんです。自分の国が貧困だからと言って、自分の国を捨てるのはいかがなもんでしょ。人の国で稼いで仕送りしているんだと思うけど、自分の国で暮らした方が良いよ。ネットが使えれば、どの国でも商売は出来るでしょ。少し考えればよいのに。

 

話を戻して、祖父は本当に故郷に帰りたそうでしたが、ハリメは祖父を大切に思いながらも、やっぱり紛争地帯には二度と帰りたくなかったのかなと思いました。何度も祖父の旅を止めようとしていましたから。でもハリメはまだまだ子供で、一人では生きていけません。祖父を手伝いながら旅を続けるけど、本当に嫌そうでした。

 

 

結局、紛争地帯には埋葬出来ないのですが、祖父はひとり紛争地帯へと入り込み、奥へ奥へと歩いていきます。あの姿は懐かしい故郷に帰りたいという気もちが良く描かれていたと思います。一方、ハリメは恐ろしい紛争地帯などには近づきたくなく、普通の小学生みたいに暮らしていきたいと思っていたと思いました。

 

時代のギャップ、年齢のギャップなど、いくつもの違いが祖父とハリメにはありますが、家族だから一緒に暮らして欲しいなと思いました。ハリメのためにも、紛争地帯なんかに戻るのは辞めて欲しいです。帰りたい気持ちも解るけど、今は我慢するべきだと思いました。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。優しくて良い映画なのですが、国を追われてしまった悲しい過去が見え隠れして、紛争は何も生み出さないのだからいい加減に変えていこうよとか思わないのかな。不思議でした。セリフが少なく、静かで美しい映像、そして命の大切さを描いている作品でした。ぜひ、観に行ってみてください

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「葬送のカーネーション」