「弟は僕のヒーロー」ダウン症だってなんだって温かい家族の中で生きていれば大丈夫なんだよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「弟は僕のヒーロー」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

初めての弟の誕生を喜ぶ5歳の少年ジャックは、両親から弟ジョーは「特別」な子だと聞かされる。ジョーがスーパーヒーローだと信じるジャックだったが、やがて「特別」の意味を知り、思春期になると弟の存在を隠すように。ある日、好きな子を前についた嘘が、家族や友だち、さらには町全体をも巻き込んで大騒動へと発展してしまう。

というお話です。

 

 

5歳のジャックは父ダヴィデと母カティア、姉のダリラとアリスと一緒にくらしていました。ある日、弟が出来ると知らされ大喜び。名前も決めて、今か今かと待っているととうとう弟が誕生する。産まれると、両親はダウン症だと告げられ、そのリスクも伝えられる。発達障害、心疾患、斜視、など、いくつもの先天性疾患が考えられるという。ショックを受ける両親だが、子供たちに暗い顔を見せる訳にはいかない。

 

ジャックや子供たちが病院に現れ、弟はと尋ねると、彼は特別だから検査などを受けていると言い、ジャックは弟は自分とは違って特別なスーパーヒーローなんだと考え、これからをとても楽しみにする。しかし、時が経つにつれ、弟のジョーが特別だという意味を理解していく。

 

 

数年後、ジャックは親友のヴィットと授業をサボるために街の高校見学に出かける。そこでアリアナと出会い、彼女に恋をする。彼女と一緒に高校に通うため、村の高校ではなく、街の高校に通う事にしたジャックは、彼女に気に入られるため、一緒に自然保護の運動のような活動に参加したり、バンドに参加したりと頑張るのだが、家族の事を聞かれ、つい、ダウン症の弟ジョーの事を話せず、弟がいたが死んだと言ってしまう。

 

しかし、ジョーがYouTubeに興味を持ち、自分で動画を公開するようになってしまい、自分の嘘がアリアナやクラスメイトにバレるのを恐れたジャックは、勝手にジョーの動画を消してしまう。そこから家族や友達、町全体を巻き込んで、やがて取り返しのつかない事件となっていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、良い映画でした。ダウン症の弟を持つジャックが、思春期に感じた気持ちが痛いほど解りました。普通に生活をしているけど、やっぱりダウン症の子は特別だし、自分と同じように学校に通って勉強をしたり、スポーツをしたりすることは出来ないでしょ。誰かの手を借りないと生きて行けない。普通だけど普通じゃない弟を、居ない事にしたくなった気持ち、とても解るんです。この年代の頃って、人と違う事は恥ずかしいという気持ちがあって、言えなかったんじゃないかな。

 

 

大人になって世界をしれば、人と違う事は誇らしいことだし、何があっても楽しく生きていけることが一番だということが解るんだけど、思春期には、人と同じことが大切なのよね。一人周りと違っていると、それこそ虐めにあったり、友達が出来なかったりすることを心配するんです。

 

 

好きな子に嘘をついちゃったら、何処までも隠さなきゃいけなくなって、どんどん嘘を重ねることになっちゃうから、どうにも身動きが取れなくなっちゃうんですよね。どつぼにハマるというのはこういう事です。かわいそうだったな。だって、ジャックの気持ち解かるもん。私も彼の立場だったら、そんな嘘をついていたかもしれない。田舎から街の高校に行ったし、周りに負けてられないから必死で虚勢をはっているので、ダウン症の弟がいるとは言えなかったんだよね。弱みを見せたくなかったと思うんです。

 

 

ダウン症、私も仕事で障がい者を預かる施設などを設計していたので、何度も関わりました。仲良くなるとずーっと同じ話をしてくれて、逢う度に嬉しそうに走って来てくれるので、時々しか逢わないのに覚えてくれて喜んでくれて、嬉しいなと思いました。でも、お世話をするとなると大変なんだろうと思います。突然に癇癪を起すし、暴れたら抑えつけなければならない。ちょっとした事でも琴線に触れるとどうしようもなくなっちゃうんです。周りが見えなくなっちゃうんですよね。私たちと変わらないけど、やっぱり世界が違うんです。

 

ジャックの弟のジョーは、ダウン症でも落ち着いているように見えました。家族全員で彼を愛していたことが、ジョーを落ち着かせていたのかもしれません。ダウン症でも、この映画のような家族だったら、安定して生活を続けられるのかなと思いました。家で生活が出来なくて、施設に入る方もいらっしゃるので、良かったなと思います。

 

 

ジョーが生まれて、ダウン症だと医者に言われるところで、出生前診断は受けなかったんですかと言われる場面がありました。海外では診断を受けるのが当たり前なのかしら。あまりにも、何で受けなかったの?という感じで言われていたので、そういうモノなんだなと思いました。

 

出生前診断を受けていれば、事前に用意が出来たし、色々な方法も考えられたという話があり、これは難しい話だなと思いました。診断を受けるのは簡単だけど、何かあった場合にどう判断するのか。簡単には決断出来ませんよね。人間ですもん。でも、この夫婦が言っていた「事前に用意が出来た」というのは確かだなと思います。何も知らずに生まれたらダウン症と言われて驚くより、知っていた方が良かったのかもしれない。

 

 

そうそう、ジョーが障がい者だという審査を受けるテストの場面がありました。こんな事で障がい者だと判断しているんですね。ダウン症と診断されたら、一律で補助金が出るのかと思ったけど、違うんですね。両親は障がい者だと認定されれば補助金が出るので間違えろ!と応援しているんだけど、ジャックは言われたことをジョーが出来ると喜んでいて、とても楽しかったです。きっとジョーは正解を出すとジャックが喜んでくれるから必死で解答したんだろうけど、それはダメなのよぉ~。補助金が出ないのよぉ~。笑えました。

 

家族にダウン症がいることを描いた映画なんだけど、とっても楽しくて、笑える映画でした。ジャックは苦しむけど、それは若い頃に悩めってことです。若い頃に悩んで失敗すれば、それだけ成長するし、人生は長いんだから、いくらでも挽回は出来るんです。そんなことを思える映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。良い楽しい映画でした。私は好きだったな。ジャックを演じている少年も美形だったし、ダウン症の男の子も笑った顔が可愛いんです。素敵な映画になっていました。ダウン症だろうがなんだろうが、家族で仲良く暮らしていれば、苦しみなんて吹っ飛ぶんだと教えてくれたような気がします。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「弟は僕のヒーロー」