「傷物語 こよみヴァンプ」傷物語3部作の総集編ですが、良く出来ていて改めて満足出来ました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「傷物語 こよみヴァンプ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

高校3年生の春休み。阿良々木暦は、四肢を失い死に瀕した美しい吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに遭遇し、助けを求められる。恐怖と混乱、葛藤の末に、キスショットを救うため自らの血を与えた暦は、目を覚ますと彼女の眷属となっていた。暦が吸血鬼から人間に戻るには、キスショットが力を完全に取り戻す必要があった。交渉人・忍野メメが間に立ち、暦はキスショットの四肢を奪い返すため3人の吸血鬼退治専門家との戦いに挑む。

というお話です。

 

 

高校二年生と三年生の狭間である春休み。阿良々木暦は、血も凍るような美女と遭遇する。彼女は自らを、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと名乗った。


四肢を失い死に瀕していたキスショットは、暦に助けを求める。恐怖と混乱、そして葛藤の末に、暦は彼女を救うため自らの血を与え、そして次に目が覚めたとき、暦はキスショットの眷属となっていた。



 

暦は吸血鬼から人間に戻りたいと望む。だが、そのためにはキスショットが力を完全に取り戻す必要があった。交渉人をつとめる忍野メメが間に立ち、暦は失われた彼女の四肢を奪い返すべく、吸血鬼退治の専門家三人に挑むことになる。

 

高校生活最後の、地獄のような春休みは、このときまだ始まったばかり。羽川翼という同級生との出会いがあり、彼女は何故か暦を気にかけ、この戦いに関わって来てしまう。3人を倒してキスショットの力を取り戻せるのか。羽川を無事に帰すことが出来るのか。暦にはやることが多すぎるのだが、自分が人間に戻るまでやり遂げることは出来るのか。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画は総集編です。「傷物語I 鉄血篇」「傷物語II 熱血篇」「傷物語III 冷血篇」の3部作を1つにまとめたものでした。全て観ていたのですが、改めて一気に観れて良かったです。やっぱり面白かったです。良く出来た作品だと思いました。

 

ストーリーはそれほど難解ではなく、吸血鬼モノなのである程度は話は解っちゃいますよね。ですが、このアニメ、映像が素晴らしいんです。普通のアニメとは違うので、観ていて面食らうというか、え?と驚くんです。普通のアニメだと、美しいヴァンパイアと可愛い女の子と主人公が出てきたら、その三角関係や恋愛的な要素を目一杯描くでしょ。でも、この映画は違うんです。モダンアート的な表現を使うんです。だから人物が画面に描かれている場面が少ないんですよ。ちょっと驚きますよね。

 

 

まぁ、羽川の描写とかは、エロ漫画っぽく胸を協調したりスカートが捲れたりと、いつまで経ってもこういうのが好きな人はいるんだなと思いましたが、それはほんの一部で、建物の映像が流れたり、文字で表した映像が流れたりと、ストーリーと関係無い映像が至る所に配置してあるんです。

 

無人の建物を描くことで恐怖を現したり、鴉で何かが起こることを予感させたりと、表現が上手いんです。建築好きな私には、建物があまりにもカッコ良く描かれているので、嬉しくなってしまいました。それに、何故か日本国旗がはためいているという映像も多く、何か思想的なモノがあるのかなとも思ったけど、キスショットが眷属にしたのは日本人だけという描写があったので、日本好きってことかなと深く考えるのを辞めました。

 

 

暦はキスショットが吸血鬼だと解っても、自らの血を分け与えたんだけど、これ、きっと私でもキスショットを助けたと思うんですよね。だって、目の前で人が倒れていて、血をくれれば生きられますからと言われれば、血をあげるでしょ。人間ってそういうもんでしょ。見殺しには出来ないですよ。その時には、自分が眷属になって、一生苦しむことになるなんて考えられないもん。

 

だから、キスショットも悪かったと思って、暦を人間に戻してあげようとしたのだと思いました。キスショットも元々は人間だったというセリフがあったので、彼女も自分がこんなにも長い年月生きることになってしまうとは思っていなかったんじゃないかな。ヴァンパイアになった経緯は解らないけど、きっと彼女だって人間として一生を終えたいと思ったこともあったんだと思います。好きな人も出来ただろうし、苦しい事もあっただろうから、色々と考えたんだと思うよ。

 

 

結局、幸せとはということに行き着くと思うんだけど、暦がキスショットと一緒にいるのなら幸せなんじゃないかな。例えば羽川と暦が恋愛関係になったとしても、キスショットは二人の子供のような存在にもなれるだろうし、家族として暮らせると思うんです。だから3人の関係は問題無いだろうし、未来には何が起こるか分からない。とにかくここで終わりにならなかったというだけで、3人には幸せだったんじゃないかなと私は解釈しました。もちろんそれなりの不幸は背負っているけどね。

 

私は原作小説を読んでいないので、比較などは出来ませんが、この映画、私は面白かったな。映像も好みでした。ただ、可愛いキャラクターが暴れまわるだけのアニメだと、最近ちょっと物足りなくなってきていたんです。あ、でも、ゲゲゲの謎は最高でしたよ。あちらは古き良き昭和の雰囲気を醸し出してこだわりがあったので、そういうこだわり的なモノがあると、楽しめるし面白いんです。

 

 

この雰囲気で他のアニメも作って欲しいなぁ。昭和の日本文学、例えば三島由紀夫とか太宰治とか芥川龍之介などが良いけど、その辺りをこの映画の雰囲気で映像化してくれたら、凄く素敵だと思うんですよねぇ。なんか、塚本晋也監督作品の雰囲気があって、戦争を描かなくても戦争の怖さを描けるし、恋愛を描かなくても恋愛の辛さを描けそうなので、考えて欲しいなぁ。もちろん傷物語も素晴らしいけど、折角、このイメージを確立させたのだから、もっと他にも作っていけたら良いと思うんですけどね。期待しています。

 

そういえば、物語シリーズが再始動でアニメ化すると発表がありました。暦の話は終わったけど、その続きが映像化されるらしいです。と言っても、暦が助けた彼女たちの話の続きだそうですが、私は傷物語以外のアニメを観ていないので何とも言えないけど、観てみたいですね。うーん、まず時間を作ってライトノベルを読んでみたいかな。やはり仕事なんてやってる場合じゃないと思うんだけど、本読みたいから仕事辞めたいって言ったら怒られるだろうなぁ。(笑)

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。物語シリーズも再始動するそうですし、その前に大画面で観るのが良いと思います。可愛い動くアニメより、ちょっと大人のモダンアニメを観てみるのも良いと思いますよ。素敵です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

 

 

「傷物語 こよみヴァンプ」

 

「物語」シリーズ オフ&モンスターシーズン