「ビヨンド・ユートピア 脱北」本当の脱北をこの映画で知ることが出来ます。過酷な人生です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「ビヨンド・ユートピア 脱北」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ドキュメンタリー映画なので内容は、

 

韓国で脱北者を支援するキム・ソンウン牧師の携帯電話には、日々何件もの連絡が入る。これまでに1000人以上の脱北者を手助けしてきた。

今回、彼が直面する緊急のミッションは、北朝鮮から中国へ渡り、山間部で路頭に迷うロ一家の脱北だ。幼い子ども2人と80代の老婆を含めた5人もの人たちを一度に脱北させることはとてつもない危険と困難を伴う。

キム牧師の指揮の下、各地に身を潜める50人ものブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す、移動距離1万2000キロメートルにもおよぶ決死の脱出作戦が行われる。

 

 

それとは別に、北朝鮮から一人脱北した女性が、自分の息子も脱北させようと、ブローカーに頼み手を尽くすのだが、中国で捕まって強制送還されてしまい、何とか死刑にされないようにと手を尽くすというドキュメンタリーも追っている。

 

キム牧師の救出作戦とは別に、今まで北朝鮮から脱北してきた人々へのインタビューと、北朝鮮の現状を様々な関係者へのインタビューで伝えている。 

 

後は、映画を観てくださいね。

 

 

凄いドキュメンタリー映画でした。全て実際の映像で、脱北する姿をブローカーの人がスマホや隠しカメラなど、荷物にならないようなモノで撮影したのだと思います。山を3つも越えなければならないとか言っていたので、重かったら持っていられませんもんね。

 

ただ、山を歩いているだけの映像なんだけど、彼らが話している会話を聞くと、ゾッとするようなことばかり。途中で休んでいる会話も、日本に住んでいる私たちには想像もつかないような経験をしてきたのだろうと思うような内容でした。

 

 

その家族は、中国からベトナム、ラオス、タイに抜けて、韓国に逃げてくるんだけど、途中の経由地で見るものは初めてのモノばかり。ベトナムの森の中の家から見える緑にさえも感動をしていました。北朝鮮って、森林とかは無いのかしら。緑が綺麗と感動していたので、渇いた土地と貧しい住宅群しか周りに無くて、森を見たことが無いのかもしれません。

 

見るもの、食べるもの全てが初めてで、水にまで驚いていました。北朝鮮って、水道があるんじゃなくて、水も配給制で、大きな樽みたいなのに一族分くれるんですって。だから、自由にお風呂に入ったりは出来なかったみたいなんです。例えば、麺を茹でた後の水も取って置いて、それを飲むと言っていました。今、この時代にそんな生活をしている人たちがいるなんて驚いてしまいます。災害で被災した地域でもないのに、その生活は酷いですよ。

 

 

この家族5人は、中国から3国を経由して韓国へ逃れるんだけど、その逃れる道のりは凄い厳しい道でした。ここまでやらなければ脱北出来ないのかと思いました。映画の後、アジアプレス大阪の石丸さんがアフタートークを立田さんとして下さって、中国の警備も厳しくなり、このルートしか無くなっていたんだけど、今はもっと厳しくなり、脱北はほとんど出来ない状態だと仰っていました。この映画で脱北した方たちが最後くらいになったんじゃないかということです。それくらい、世界がギスギスしてきているのだと思いました。

 

世界がおかしくなっていますよね。ロシアはウクライナと戦争をしているし、イスラエルとガザも戦闘状態だし、中国と北朝鮮、ロシアの距離も近くなっているようなので、とても心配しています。アメリカが、最近、ちょっと弱くなってきているようなので、強い大統領になって貰わないといけないんだけど、トランプになったら困っちゃうよねぇ。でも、他に強そうな大統領になれる候補いるのかしら。ここらでキツイ女性になって貰ったら、ビッと締まって良いんじゃないかとも思うんですけど。サッチャーさんみたいな人、アメリカにはいないのかしら。

 

 

話を戻して、この映画、5人家族以外に、息子を脱北させたい母親が出てくるのですが、やっぱり難しそうでした。ブローカーに頼むんだけど、なんたって会って話をする事は出来ないし、彼らが本当に息子を助けるために動いてくれているのかも判らない。でも、お金を払って奇跡を願うしかないという状況なんです。これは酷いなぁと思いました。なんで北朝鮮は収容所に入れられて死刑という流れになるんだろう。国民が減ったら困るだろうに、理解不能ですよ。

 

そうそう、この映画で驚いたことがありました。私、何であんなに金正日を崇めて、その孫の金正恩になっても崇めているんだろうと思っていたら、キリスト教の聖書を改ざんして、金日成がキリストとして書き換えたものを国民に配って、それで宗教のように崇めさせているんですね。全然知りませんでした。だから聖書を持ち込んだり、持っていたりすると罰せられて没収、死刑のようになるようです。パクリがバレるからですね。うーん、あまりにも簡単な統治のやり方でビックリしちゃった。なんでそんなのに騙されているんだろう。それしか知らないからだと思うけど、間違っているよなぁ。

 

 

このドキュメンタリー映画、サンダンス映画祭でも賞を貰っているし、アカデミー賞にもノミネートされていて、ホントに凄い内容です。よくこれだけ撮影出来たなというような映像を見ることが出来ます。そして、北朝鮮の歴史の中で、国民が道路で餓死していたり、脱北しようとして殺されたり、溺れ死んだり、学校内でちょっとしたことで全生徒の前で処刑されたり、ということが沢山あったことが証言されていて、映像やアニメなどで描かれています。

 

スタッフが凄くて、プロデューサーに元CIAの分析官の方がいらしたり、アニメーションは日本の岩崎さんという方が担当しています。監督や他の方々も受賞歴があったりして、こんな色々な方が協力をしたから、この映像が集められたのでしょうね。他ではあまり見たことが無い脱北の真実を知ることが出来ます。誰もが命がけで、一歩間違えば、直ぐに死が待っているということがよく解ります。


 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。R指定はついていないようですが、文部科学省選定で”青年・成人向け”となっていました。ちょっと衝撃的な場面もあるので、そうなっているのかな。ドキュメンタリー映画なので、凄く面白いという映画ではありませんが、北朝鮮ってこんな国なんだと知ることが出来るし、脱北するのがどんなに大変なのかを知ることが出来ます。同じ時代に生きているのに、こんなに違う人々がいることも知って欲しいと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ビヨンド・ユートピア 脱北」