「彼方の閃光」映像と音楽が素晴らしく雰囲気の良い作品でした。上映時間を短くして欲しかったな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「彼方の閃光」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

生まれてすぐに視力を失った10歳の少年・光。母に説得され手術を受けて、彼の目は見えるようになるが色彩を認識することが出来ず、世界はモノクロとなってしまう。20歳になった光は東松照明の写真にひかれ長崎を訪ね、そこで知り合った友部に誘われ、ドキュメンタリー映画制作を手伝うことになり、長崎と沖縄の戦争の痕跡をたどることに。2070年、71歳になった光が生きる世界は大きく変容していた。

というお話です。

 

 

生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)。光にとって世界は「音」であり、彼はカセットテープに自分の世界を録音してゆく。光の眼は手術をすれば視力を得られる可能性があったが、光は不安により躊躇していた。しかし母の説得により、手術を受けることを決意する。手術後、視力は戻るが彼の目に色彩は戻らなかった。彼の世界はモノクロになってしまった。

20歳になった光は、東松照明(1930-2012)の写真に強く導かれるように長崎を訪ねる。旅先で出会った自称革命家の男・友部にドキュメンタリー映画製作に誘われ、長崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。その中で、心に傷を負いつつもたくましく生きる女・詠美、沖縄を愛し家族を愛する男・糸洲と出会う。戦争の痛ましい記憶と彼ら3人の生き様は、光の人生を大きく揺さぶり始める。



 

灼熱の日々の中、光の眼に映るものとは、何なのか。モノクロの世界で、光は戦争や人間、そして沢山の思いを聞き、自分が生きる世界の疑問を感じ始める。戦争とは何なのか、何故人は戦いを始めてしまうのか、人の欲望は留まることを知らず、人間は自分で自分の首を絞め続けてしまう。

そして、51年後の2070年、71歳になった光(加藤雅也)。彼の生きる世界は大きく変容していた。そして彼の疑問は、まだ彼の心に残ったままだった。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、ほとんど全編モノクロで、映像が美しいと思いました。音楽も面白い使い方で、雰囲気も独特でした。でも、上映時間が3時間近くて、もう少し短く出来るのではないかと思いました。きっと、監督からすれば、重要な場面ばかりなのだと思いますが、私はこの場面要らないんじゃないかと思う部分も多く、2時間以内にまとまったんじゃないかと思いました。

 

表現の仕方がストレートではないので、解りにくい映画だなと思いました。私が思うに、戦争はいけないということを伝えたい映画なのだと思うけど、その結論にたどり着くまでの過程が長いので、何が言いたいの?と思ってしまう人が多いんじゃないかな。反戦のことは理解出来るんだけど、それ以外の肉付けが多くて、よく解らなくなっちゃうんじゃないかな。

 

 

20歳の時に出会う友部や詠美、糸洲は、それぞれに戦争に関わっていて、戦争は悪いことというけど、なんで悪いことなのか、理由を誰も言わないんです。友部は光に、戦争を止めさせるためには人間の生きるシステム自体を変えなければいけないと言い続けるんだけど、何故戦争を止めなければいけないのか、システムを変えると言いながら変える方法は無いし、めちゃくちゃなんです。

 

この友部というキャラクター、私は嫌だったな。愛を与えられなかった典型的な大人で、人に対して牙を向けてしまう人間なんです。時々、こういう大人っていますよね。何をしても人に反発して喧嘩をしてしまう。最近こういう人、多いような気がします。よく、ニュースでも喧嘩で刺したとか、殴り殺したとかあるでしょ。そんなに喧嘩する必要なんて無いのにね。

 

 

相手を制圧する必要なんて無いんです。相手と話し合えば、何が悪かったのか解るんだから、お互いに悪い部分を謝れば良いだけでしょ。日本人は謝れる人種です。差別と言われそうだけど、外国人って謝らない人が多いけど、日本人は謝れる素晴らしい人種です。もっとそれを大切に出来ないのかなと思っています。

 

話を戻して、友部と出会った光は、最初、彼の強い思想に引っ張られ、その魅力に惹きつけられますが、友部の強さは愛を求めるが故の上辺の強さだということに気が付くんです。詠美や糸洲は友部の強さの裏側に気が付いていましたが、光はまだ若いのでそれに気が付いていなかったんです。

 

 

光は友部を慕って、いつも彼のいう通りに一緒に行動をしていたのですが、段々と彼とは考え方が違うことに気が付いていきます。そりゃそうよねぇ、友部の考え方はひねくれたオッサンの考え方と一緒だもん。ちょっとイケメンだから、つい、ついてっちゃったんだと思うけど、気を付けないとねぇ。

 

この作品、光の子供の頃、青年期、そして老年期が描かれていて、眞栄田さんは青年期を演じていて、とても美しかったです。綺麗な顔をしていて、モノクロだとそれが引き立てられて、何とも言えない魅力がありました。年を取ってからは加藤さんが演じていて、こちらもまた、イイ感じでした。

 

私は、この映画、結構、好きなタイプの映画なんです。伝えたいことと考え方がしっかりと決まっていて、そこからブレ無いというのが良いし、その考え方を言葉で伝えずに映像で伝えようとするところが良いなと思いました。でも、上映時間は長かったなぁ。もう少し短くして欲しかったかなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。特に映像がとても美しく、音楽というか音の使い方も気持ち良かったです。雰囲気もとてもよく、その部分では観やすいと思いましたが、3時間近い上映時間は少し辛いかなと思いました。良い映画なので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「彼方の閃光」