「ボーはおそれている」
を観てきました。ハピネットファントム・スタジオさんから試写会へ招待して頂きました。アリ・アスター監督のQ&A付きの試写会でして、感謝感激でした。
ストーリーは、
神経症のボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。
というお話です。
ボー・ワッサーマンは実業家モナの息子です。彼の父親はおらず、母親が言うには、ボーが妊娠した夜に発作で亡くなったそうです。10代の頃、母親とクルーズ旅行に出かけたボーは、エレインという少女と出会い、恋に落ち、再会を約束して別れます。
大人になったボーは犯罪が多発する街で暮らしています。彼は父の命日に母親に会うために旅行の準備をし飛行機のチケットも取ったのだが、出かけようとドアから出て忘れ物に気づき、一度部屋に戻った短時間にドアに付けていた鍵とトランクを盗まれてしまいます。
結局飛行機に乗れず、ボーは母親に電話して事情を説明するのだが、母親は彼を信用せず、ただ会いたくないのだろうとボーを疑い電話を切ってしまう。慌てたボーはカウンセラーからもらった薬を水無しで飲んでしまい、水を買いに外へ出ると、その拍子にホームレスにマンションを占拠されてしまう。
次の朝、マンションの部屋に戻ったボーは、再度、母親に電話を掛けると、UPSの運転手が出て、母親が自宅で倒れており、シャンデリアが頭に落ちて死んでいることを伝えます。警察には通報したと言っており、ボーは母の死が事実であることを知ります。
あまりのショックでお風呂に入り、そこに残っていたホームレスと対峙したボーは、叫びながら外に飛び出し、道路にいた殺人鬼に刺され、その上フードトラックに轢かれてしまいます。意識を失くしたボーは、2日後に彼を轢いたトラックの運転手の家で目を覚まします。母親が亡くなったので急いで母親の家に行かなくてはいけないと訴えるボーに、身体を治したら連れていくので、今は身体を治すようにと言われるが、何故か足にGPSアンクレットを着けられます。
ボーは、その家も森の旅芸人たちもぶっちぎり、ヒッチハイクで母親の家に着くのですが、既に葬式は終わっており…。後は、映画を観てくださいね。
公開が2月16日なので、ネタバレ無しで感想を書かなきゃいけないんだけど、この映画、ネタバレしないであらすじを説明出来ないのよ。マジでどう書いたらよいのやら、すごく悩みまして何日か経ってしまいました。ネタバレ無しで書いたつもりですが、もし、これはダメでしょ~というのがありましたら、ご連絡(コメント)をください。訂正いたします。
私は凄く楽しめたんだけど、きっと賛否あるかなぁ。ぶっちゃけ、母親による過干渉により壊れてしまった息子という内容だと思うのよ。ストレートに描いておらず、息子のボー目線で描いているから解り難いけど、母親は息子を自分の所有物だと思っていて、そんな彼が自分の意志を現すことを極端に嫌がっているんです。
この母親、規模が大きすぎるのよ。モナは、息子のために沢山の開発をし、販売することで巨大企業を築き、これでもかってくらいボーに干渉しているんです。なので、ボー目線で描かれている世界は、もしかしたらただの想像だけなのかもしれないし、そうでないかもしれない。
母親は、自分が思う通りの息子になって欲しいけど、もちろんそうはならず、ボーもそこら辺の男の子と同じように反抗期があり、悪いことも覚え、女の子に恋愛感情を抱きます。でも母親にはどれも許せないことで、きっとことごとく注意をして、それを出来ないように強制をしたのだと思います。そしてボーは精神を病み、母親の支配下に置かれてしまったんじゃないかな。まぁ、これは私に想像なんですけどね。
ボーはおかしな世界で生きていて、母親とのことをカウンセラーに相談をしており、自分の部屋の外を恐れています。父の命日により長い旅をしなければいけなくなったボーは、出かけたくなかったのか、それとも本当に不慮の事故により行けなくなったのか。私が思うに、頭では行かなければと思っていたけど、心の奥深くで嫌がっていたので、不慮の事故が起きたんじゃないかな。
これで行かない理由が出来たと思ったのに、今度は母親が死んだということが解り、やっぱり母親の家に行かなければならなくなるんです。必死で行こうと思うんだけど、やっぱり心のどこかで嫌がっているので、いくつもの事件が起きちゃうのかなと思いました。
でもね、あー、ネタバレ出来ないから書けないか。とりあえず、笑っちゃうクリーチャーが出てきます。”キラーコンドーム”以上の笑えるビジュアルで、もう、はぁ?となって、吹き出してしまいました。その衝撃的なクリーチャーが何なのか、お楽しみです。そして、その近くにいる人物が、この映画の鍵になるのかな。それもお楽しみです。
このボーっていう名前、坊と思うと、ちょっと”千と千尋の神隠し”の湯婆婆と坊の関係に似ているかもしれません。湯婆婆もあの世界をを操って子供を大切に閉じ込めていたでしょ。湯婆婆は本当に坊を愛していたようだけど、こちらのボーの母親の愛は、本当の愛ではなく、執着のように見えました。
コメディでファンタジーと思ってよい作品なのかな。母親による虐待も描いているし、追い詰められる人間も描いているから、ヒューマンドラマでもあるのかしら。もう、何が何だかわからないけど、面白い映画だということはお伝え出来ます。3時間近くあるけど、私はあまり時間を感じずに楽しめました。次に何が来るのか、ワクワクドキドキの映画でした。
アリ・アスター監督にお会い出来ました。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。面白いです。でも、こんな映画だよとはっきりお伝えが出来ません。私もよく解ってないからです。でも楽しかったということだけはお伝えが出来ます。公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ボーはおそれている」