「ファミリー・ディナー」ダイエットのつもりがおかしな世界に入ってしまった少女のお話です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ファミリー・ディナー」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

太っていることを気にする10代の少女シミーは、料理研究家で栄養士の叔母クラウディアにダイエットを手助けしてもらうため、彼女の家でイースターの休暇を過ごすことに。しかし叔母の食事指導は思いのほか過激で、従兄弟フィリップや叔母の新しい夫シュテファンの存在がシミーを不安にさせる。イースターの祝祭が近づくにつれ、食卓は悪夢へと変わっていく。

というお話です。

 

 

ふくよかな体型に自信の持てない10代の少女シミーは、復活祭(イースター)の休暇を利用して、有名な料理研究家で栄養士の叔母クラウディアの元を訪ねる。叔母はシミーの叔父と結婚していたが、今は離婚してしまい直接の繋がりは無いが、子供の頃から良くして貰っていたので、頼ってみようと思ったのだ。

シミーは叔母が健康的なダイエットの力になってくれると期待していたのだが、叔母の食事指導は思いのほか過激なものだった。ただ、食事を抜いて断食をし、痩せていこうというもの。たまたま復活祭に向けて叔母とその夫が断食をしており、それに合わせて、シミーも断食をさせられることに。



 

更には、不可解なほど敵意を剥き出しにしてシミーに嫌がらせを繰り返す従兄弟のフィリップ、そして得体のしれない叔母の新しい夫・シュテファンの存在がシミーの不安を掻き立てる。シミーはフィリップに何か理由があるのではないかと考え、部屋で二人きりの時に話をしてみると、彼は自分の母親を怖がっているようだった。何か彼に恐怖を与えているのか。

そして不気味な家族によるイースターの祝祭が1日また1日と近づくに連れ、美しい料理に彩られた食卓は徐々に悪夢へと変わってゆく。クラウディアは、シュテファンにだけ、無理に食事をさせようとし、嫌がるフィリップを追い詰めていく。そしてある日…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

じわじわくるホラー映画でした。何がどうなっているのか、何が目的なのか、誰がどうなっているのか、全く解らない状態で、主人公のシミーは、孤立しているような状態なんです。叔母は、訪ねて来たシミーに、何となく興味が無さそうな表情で、復活祭の前には帰るのよねと言うんです。でもシミーは終末も過ごして、来週の月曜っていったかな?復活祭の終わった後に帰る予定で家を出てきたようなんです。

 

話を聞いていると、どーもシミーが電話で叔母に話をして、1週間ほど滞在したいと話していたようなのですが、叔母は、あまり興味が無かったのか、復活祭前には帰るだろうと考えていたようなんです。最初に、この食い違いがあり、シミーは、あれ?という気持ちになるんです。復活祭に何かあるのかなと考えますよね。

 

シミーは、とにかく太っている身体を何とかしたくて、栄養士のクラウディアを頼ってきたのですから、簡単に遊んで帰るのでは目的は達成できません。彼女にとっては、たまたま復活祭がその間にあるだけなんですから。でも、クラウディアにとって復活祭は、何か重要な儀式のようなモノのようでした。だって、その日に向けてクラウディアと、その夫のシュテファンは、断食をしていると言うんです。凄いでしょ。で、シミーにも断食しろと言うんです。だって、ダイエットしたいんでしょって事です。


 

この断食は、ダイエットとしてはあまり良くないんじゃないかな。バランス良く繊維質や栄養を取りながら原料していかないと、内臓に良くないし、脳にも良い刺激にならないと思うんです。まぁ、食べないなら痩せていくんだろうけど、病気になっちゃいますよねぇ。栄養士さんなんだから、そこら辺は、ちゃんとして欲しいですよね。

 

そんな状態なので、シミーは不思議に思うことばかりです。不安になるし、お腹は空くしで、やっぱり家に帰ろうかなと考え始めるのですが、やっぱり痩せたいという気持ちもあり揺れるんです。ただ、痩せたいというなら、別に、自宅でも出来るんだろうけど、何かあるのかなと思いました。例えばシミーの家族も太っているとか、又は姉妹が痩せているのか、どちらも嫌ですよね。家族が太っているなら、家で食事をするのではダイエットは難しいだろうし、姉妹が痩せているなら比較されて嫌だろうし、思春期の女の子は難しいんです。

 

 

結局、残ってダイエットを続けることにするシミーですが、ダイエット以上に、クラウディアのおかしな行動や、フィリップが異様に怯えることや、シュテファンがフィリップに暴力を振るっているような疑いがあり、シミーの頭の中はダイエット以上に恐さが増えていくんです。もー、早く自宅に逃げ帰れば良いのにと何度も思いました。

 

でも、何故か逃げない。どうしてかなーと思っていると、どーもフィリップを心配しているようでした。フィリップはとても怯えていて、何に怯えているのか解らないんです。段々と距離を縮めて夜中に話をしてみると、フィリップが怖いと思っているのは自分の母親なんです。シュテファンに暴力に怯えているのかと思ったら、全くそうではなく、母親のクラウディアに怯えているんです。

 

 

確かにクラウディアはおかしいんです。ちょっと目つきもおかしいし、時々、切れてキツい言い方をするんです。それはフィリップにもそうでした。にこやかな顔をしながらも目は笑っておらず、瞬きをしないんです。恐いでしょ。毎日、毎日、フィリップにだけ食べ物を与え、沢山食べろと無理矢理に食べさせるんです。あまりにもキツい言い方をするので、シミーがフィリップの助けに入るのですが、クラウディアに拒絶され、フィリップを助けることが出来ません。もうすぐ復活祭だし、何が起こるんだろうと不安は募ります。

 

イースターはキリストの復活を祝う重要な日です。その日はイースターエッグやうさぎがシンボルになっています。卵は産まれることを祝い、ウサギは多産なので子孫繁栄とされているようですが、ドイツ方面ではウサギは裁判官とされて、良い子と悪い子に審判を下し、良い子にはお菓子を運んでくれるというお話もあるそうです。この映画にもウサギは重要なシンボルとして出てきますよ。

 

凄い怖い話になるんだけど、詳しくは映画を観てくださいね。ネタバレは出来ませんからね。でも、私には、一体何がしたくて復活祭にそんな事をしたのか解りませんでした。きっと、この儀式をすることで、何か願いが叶うのかしら。ちょっとカルト宗教的な雰囲気だったんです。クラウディアは、料理研究家として成功したんだけど、どこかで間違えて、今は本を出版してくれる会社も無いようなんです。なので、段々と引き籠って、おかしな考え方をするようになってしまったのかな。

 

 

夫のシュテファンは、一見、悪い人に見えるんだけど、きっと彼はクラウディアを愛していて、その暴走を止めることが出来なかったんじゃないかな。だから、本当はフィリップを虐めることで、逃げて欲しいと思っていたのかなと思いました。クラウディアに協力はしていたけど、彼女がやっていることを認めていた訳ではなかったんじゃないかな。でないと、シミーが家に帰りたいと言った時に、直ぐに送って行くとは言ってくれないと思うんです。

 

この映画、シミーが本当に普通の考え方を持っていて、標準的な人間性を持っている事が、恐怖に繋がっていると思いました。どんなに自分が普通だったとしても、周りがおかしければ、自分も知らない内に混ぜ込まれて同調させられてしまうのだということが、とても恐ろしかったです。朱に交われば赤くなるというけど、飲み込まれてしまうんです。正気に戻ったとしても、そこで直ぐに復活出来るのかというと、難しそうだなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。恐いホラー映画です。通常のそこら辺のホラーというのとは、ちょっと性質が違います。じわじわ浸透してくるようなホラーというのがピッタリくるような映画でした。なので、今はお薦め”3”になっていても、2日後には”4”に変わるかもしれません。そんな映画です。頭から離れないんです。新感覚ホラー映画を、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ファミリー・ディナー」