「隣人X 疑惑の彼女」
を観てきました。
ストーリーは、
故郷の惑星の紛争によって宇宙から難民として地球にやってきた「X」と呼ばれる生命体が世界中に溢れ、日本はアメリカに追随するように彼らの受け入れを決める。Xは人間にそっくりな姿で日常に紛れ込み社会に不安や動揺が広がっていく。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎はX疑惑のある柏木良子の追跡を開始。やがてある真実にたどり着く。
というお話です。
ある日、日本は故郷を追われた惑星難民Xの受け入れを発表した。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。Xは誰なのか?彼らの目的は何なのか?人々は言葉にならない不安や恐怖を抱き、隣にいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になっている。
週刊誌記者の笹は、会社がXではないかと調査した人物リストを元に、スクープのため正体を隠してX疑惑のある良子へ近づくことに。笹の積極的なアプローチのおかげでふたりは少しずつ距離を縮めていき、やがて笹の中に本当の恋心が芽生える。良子はとても純粋で、心の優しい女性だったのだ。
しかし笹は、良子がXかもしれないという疑いを払拭できずにいた。彼女といると突然に照明が点滅したり、良子のバイト仲間がX疑惑のリストに載っていたのだ。良子への想いが募る中、本音を打ち明けられない罪悪感も大きくなっていく。
記者としてのプライドと責任、そしてこの記事を書かなければ祖母の入院費も払えなくなる。彼女への想いと板挟みになり苦しむのだが、祖母の入院費は待ったなしで来てしまう。記事を書く決意をし、良子との関係を絶つ決心をするのだが…。後は、映画を観てくださいね。
うーん、この映画、キャストは良い人が集まっているんだけど、内容にインパクトが無いんですよ。まず、宇宙からの惑星移民Xと言うんだけど、ほとんど見えてこないんです。遠回しに、現実で起きている移民問題を盛り込んでいるから、ワザと見せないんだろうけど、凄く曖昧なんですよね。そして、日本が移民の受け入れを発表したというけど、既に、何年も何十年も前から入り込んでいた訳でしょ。どーも、スッキリしないのよね。
惑星移民を受け入れるというニュースが入ってきて、それで週刊誌はXを特定して、どんな異星人なのか知りたいということなんだろうけど、既に随分前から入り込んでいて、自分でも解らない状態になっているなら無理でしょ。そんなもん探しても無駄なんです。だって、同化しちゃってるんだから、人間が少し進化したということになっちゃいますよ。そして、交配が進んで、みんながXの遺伝子を持つことになっちゃう。
この映画は、そんなXの事よりも、マスゴミの動きがえげつないということかしら。何か事件が起きたら、訳も分からず、何も考えずに突進していってしまうマスゴミの軽率さがよく描かれているなと思いました。主人公の笹は、そんな中にどっぷり漬かってしまっていて、本来の人間としての思いやりとか、優しさを忘れているんですよ。お金に困っていたので、そればかりが頭にあり、周りが見えなくなっていたんだと思います。
そんなマスゴミの被害にあったのが良子さん一家。普通の生活をしていたのに、訳の解らない男が目の前に現れて好きだとか言い出して、イケメンだったからつい信じてしまうという、悲しい展開になっていきます。私から見ると、笹の動きは、如何にも怪しい男なんだけど、無垢な良子さんは気が付かなかったのかなぁ。
良子がXだと疑いながら付き合っていくんだけど、別に普通の女性なんです。表情が少し乏しいけど、何も違わないんです。でも、Xかもしれないから、家族から何から色々と調べて、お父さんの不自然さに気が付くんです。
でもね、今どき色々な人がいるので、ちょっと人と変わっているからって変な目で差別をしたりすると人権侵害ですからね。「正欲」でも言っていたでしょ。”普通”だと思っているのは自分だけなんです。ということは、他人の普通は自分と違うのだから、本当は自分が”おかしい”のかもしれない。その辺りの認識が、この映画でも描かれていたような気がします。
うーん、これ、原作があるとのことですが、面白いのかなぁ。申し訳ないけど、私には、この映画、ピンと来るものが無かったんですよ。上野さんと林さん主演で、お二人とも大好きなんですけど、どーも勿体なかったなぁ。演技も上手いのに、この内容だと、最後がひょろひょろひょろ~って感じで印象に残らないんです。本当に残念でした。
確かに、移民の問題は大きいし、多様性も叫ばれているから、今に合っている題材だとは思うのですが、何でこんなにインパクトが無かったんだろう。移民問題を描くなら、同じ人間で何も違わないんだと描きながらも、一部の移民たちが集まって日本のルールを守らないで犯罪を犯している事なども描くべきだったんじゃないかな。移民してきたなら、その国のルールに従うのは当たり前。ルールが守れないなら出ていけということも、描く必要があったと思います。一方的に、良い人たちだから詮索しないでと訴えるだけでは、何の解決にもならないと思いました。
現実に、外国人の犯罪は多発していて、一部の人間だけで良い人たちもいるんだろうけど、あまりにも酷い犯罪が横行しているので、やはり納得がいきません。どこかで一線を引いて、これは犯罪だから、犯罪を犯したら誰でも国に帰って貰いますと決めなきゃいけない。日本人だけだった時は性善説がまかり通ったけど、外国人の感覚が入ってしまった今は、事前に対処すべきなんです。
ちょっと映画の話と変わってきちゃったけど、どーも、この映画、ピッとする部分が無くて、あまり楽しめなかったんだよなぁ。林さんはカッコ良かったんだけど、本当に残念。上野さんは、この間「のだめカンタービレ」の舞台を生で観たので、やっぱりかわいいなぁと思いながら観ていたんですけどね。
私は、この映画、一応、お薦めしたいと思います。キャストは良いんです。上手いんです。なんだけど、映画の内容がどーもピッとせず、心に突き刺さる部分が、私にはありませんでした。突き刺さったのは、林さんのお髭くらいかしら。あと、川瀬さんの上目遣いかな。好きなのよ川瀬さん。ま、あまり考えずに、林さんと上野さんを観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「隣人X 疑惑の彼女」