「最悪な子どもたち」最悪だけど最高の子どもたちでした。悪いのは大人なのよね。ごめんね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「最悪な子どもたち」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが行われた。キャストとして選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリや怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、出所したばかりのジェシーの4人だった。撮影が始まり、4人の登場人物を演じることで自分自身と向き合っていく。

というお話です。

 

 

ある夏の日、フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが開かれる。選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリ、怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、そして出所したばかりのジェシーの4人のティーンエイジャーたち。

出来上がったシナリオは、彼ら自身をモデルにした物語だった。なぜ問題児ばかりが主役なのか?監督の狙いとは? 住民たちが訝しむなか、波乱に満ちた撮影が始まり、予想外の出来事も起こり始める。

 

 

元々、問題のあった子どもたちは、「映画の登場人物」を演じることで「自分自身」と向き合うことになる。その上、現実社会でも、映画のキャストに選ばれたことによって、周りからの冷ややかな目や、批判に向き合わなければならない。自然と仲間意識が芽生えていき、疑似家族でありながらも、お互いを信頼し、心を開き始める。

 

ライアンたちは、はじめての体験に格闘し、違う世界に飛びこむことで、彼らのなかの何かが少しずつ変わっていくことに、気が付いて行く。そして、映画の撮影が終わりに近づき…。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、最初は、何となくドキュメンタリーチックだし、どうなって行くのかなぁ~と思うのですが、子供たちが段々と感情を出し始め、表情が出てくるというのが、とっても良かったです。最初は、無表情の場面が多いんです。リリは最初から表情があるのですが、ライアンとマイリスは、全くの無表情なんです。ただ、頷いたりするだけで、思っている事が解らないんです。

 

 

4人が映画の主役に選ばれ、撮影中は一緒に過ごして行くのですが、ストーリーの中での彼らの境遇が、現実の彼らの境遇に酷似していているんです。子供たちは何も言わなかったけど、嫌な部分も多かったんじゃないかな。

 

この映画は、フランス北部の荒れた地域でオーディションを行い、その地域に住む、子供たちの中からキャストを選んだそうです。なので、出演者の子供たちのほとんどは演技経験などない子供で、それぞれ、色々な境遇を持っているらしいんです。オーディションの時、施設で暮らしている子どもたちも探したそうです。

 

ライアンを演じたティメオ・マオーさんは、施設で暮らしている子供で、彼を見た時に光を感じて、採用したと監督が仰っていました。確かに、ライアンは素晴らしいと思いました。最後まで観ると解りますが、彼のはにかみながらの笑顔は心からのもので、観ているこちらも安心させてくれるほどのものでした。

 

 

そんな風に選ばれた子どもたちは、映画の中でもオーディションで選ばれ、監督に脚本を渡されて、その通りに演じていきます。役の境遇が自分に似ているので、少しやり辛そうですが、それでも一生懸命演じていきます。映画の中で映画を撮影しているので、ちょっとややこしいですが、全て監督が書いた脚本通りに撮影されているそうです。アドリブは一切ないらしいです。

 

監督役には、自信も監督経験がある役者のヨハン・ヘルデンベルグさんが演じていて、ロマーヌ・ゲレ監督は、ヨハンさんが監督の考えを良く理解してくれるので、とてもやりやすかったとお話していました。ヨハンさんは、ヨーロッパ映画によく出演されている有名な俳優さんですよね。きっと、観たことがあると思います。

 

映画の中で、子供たちは自分の役を演じながら、現実の自分のことも考え始め、自分の現実と向き合い始めるんです。そんな子供たちを指導する監督やスタッフですが、大人の彼らも幾つもの問題を抱え、沢山のストレスを抱え、今にも壊れそうなのを隠していますが、時々、その姿を子供に見られてしまいます。

 

 

監督もメンタルが大変そうでした。車の中で、一人でメンタルケアのテープなどを聞いていて、その気持ちがとても伝わってきました。子どもの時代も大変だけど、大人になると、もっと大変なことが沢山あるんですよね。でも経験や知識で、何とか保っている。今にも壊れて叫びだしたくなるところを、グッとこらえて、先へ進んでいくんです。それは、みんな一緒。でも、どこかで発散させて早めにケアをしていかないと、本当に壊れてしまいます。それぞれがストレスの発散法を見つけて行かないとね。

 

うーん、とにかくライアンの笑顔が最高でした。こんなに幸せそうな表情をする子供が観れて、本当に幸せでした。この映画は、この笑顔のたどり着くためのお話だったんだなと、納得の出来る作品でした。

 

最後に、この映画でデビューした子どもたちですが、俳優をもっとやってみたいという子には、ロマーヌ・ゲレ監督やリーズ・アコカ監督も協力しているそうです。映画界に招いた責任という訳ではないですが、これからもサポートをしていくそうです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。素敵な映画でした。カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門のグランプリに選ばれた作品です。さすがという感じでした。子供たちの繊細な気持ちの揺れなどが、見事に描かれていたと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「最悪な子どもたち」