KINOFES'23 キノフェス2023
「ジョージタウン」
を観てきました。
ストーリーは、
とある晩餐会の後、社交界で広く名の知られた女性エルサが遺体となって発見される事件が起こり、容疑者としてエルサの夫モットが浮上する。モットはエルサよりはるかに年下で、野心的で上昇志向の強い人物だった。そんなモットに不信感を抱いていたエルサの娘アマンダは、彼の犯行だと確信するが、モットは巧みな弁舌で警察の捜査を煙に巻いてしまう。しかし、やがて彼の誇大妄想と作り話で固められた嘘が、次々と明らかになっていく。
というお話です。
俳優のクリスフトフ・ヴァルツさんの初監督作品で、自分で主演もしています。共演は、バネッサ・レッドグレーヴ、アネット・ベニング他、豪華キャストです。バネッサ・レッドグレーブさんって、私初めて知ったのですが、昔、有名な女優さんだったそうです。
ドイツからの移民の男・モットが、年の離れた女性を手玉に取って結婚し、嘘で塗り固めた経歴で上り詰めていくお話なんです。このモット、何も持っていないけど、口だけは上手いんです。政治関係の仕事をしたいと思い何度も面接を受けますが、全く職に付けません。そこで考えたのは、有名なチャリティーパーティーに潜り込み、コネを見つけること。
そこで、家柄が良く、社交界でも名の知れた女性エルサと出会います。彼女とは、親子ほど年齢が離れていますが、猛アタックをし、彼女と結婚します。もちろん、彼女の娘は猛反対をしましたが、受け入れられず。そして、エルサの名前を使い、政治団体や政府関係者に接触し、名前を売って行きます。そして、あり得ない大ぼらを吹いて、上り詰めて行きます。
エルサは、段々とモットという男が解ってきて、危ないと思い、離婚を切り出し、遺産も残さないと決めた途端、殺されてしまいます。映画は、エルサが亡くなったところから始まるのですが、どうやって、モットがエルサに取り入り、殺すところまで行ってしまったのかという事が、細かく描かれるんです。
邦画でも、”クヒオ大佐”とか、”結婚”とかで、結婚詐欺の話がありますが、あんな可愛いもんではありません。その嘘の大きさの桁が違うんです。イラク戦争で、部隊を率いて秘密作戦を行ってきたとか、敵国の関係者と会って交渉をしてきたとか、なんだか、もうめちゃくちゃなんだけど、あまりにも自信ありげに言うし、彼のバックには、あのエルサ(彼女自身もコメンテーターで沢山の社会記事を書いているらしい。)がいるのだからという事で、周りが信じてしまうんですよ。
エルサの顔だけじゃなく、エルサの名前を使ってパーティーを開くと言い、家に政府関係者などを呼んで、その場で嘘を言いふらすんです。なので、普通に話として聞いていたなら、なにバカなことを言っているんだと思うような事も、周りに沢山の政府関係者や省庁の技官を呼んでいるので、誰も、まさか嘘を言っているとは思わないんです。ここまで大胆に嘘をつかれてしまっては、疑いようがありません。
エルサは、段々とそれに気が付いて行くので、モットが嘘つきだと解って行くんです。でも、その時に、エルサは既に91歳。モットは60代くらいかしら。そして、喧嘩になり、殺してしまうんです。これ、同じような事件が実際にあり、それを基に、脚本を書いたようです。91歳なら、もう少し我慢すれば、そのまま、穏便に死んでくれたんだろうけど、バカですよね。殺しちゃうなんて。
本当に頭の良い男なら、きっとエルサを誤魔化して、死ぬまで待っていられたと思うけど、この話を観ると、嘘は大胆についていたけど、それほど頭の良い男では無かったんじゃないかな。エルサに、ちょっとバカにされただけで、怒ってしまうんですから。本当に嘘で最後まで行ってやろうと思っていたなら、ここで殺さないですよ。
まぁ、殺しちゃったから、殺人容疑がかけられて、裁判をして、嘘が全部バレちゃったという事なんですけどね。でも、凄い話があるもんです。軍の話とか、裏を取ろうとすれば、直ぐに解ると思うんだけどね。それを、誰もしなかったというのに驚きます。時々、アイパッチをしているんだけど、それが嘘くさいのよ。笑ってしまいました。
映画としては、ちょっと観難かったかなと思います。時間が飛び飛びに進み、モットが話したとされる大嘘を、出来るだけ多く描こうとしたからなのか、結構、頭の中があれ?となります。最後の方で、整理されるので、理解出来ますけどね。それにしても、凄い嘘つきでした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。クリスフトフ・ヴァルツが、あの顔で、嘘をつきまくるので、面白かったです。時々、バレそうになり、顔が引きつったりするのが、何とも言えずに楽しくなりました。上映は、キノフェス内の作品なので、終わってしまったかもしれませんが、きっと、どこかで配信されると思います。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「ジョージタウン」
https://kinocinema.jp/lp/kinofes2023/