「愛にイナズマ」社会でやり合うには未熟な人間が、家族を通してやっと社会との繋がりを理解していく。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「愛にイナズマ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

26歳の折村花子は子供の頃からの夢だった映画監督デビューを目前に控えていた。そんなある日、彼女は空気を読めない男性・舘正夫と出会う。しかし、花子は卑劣なプロデューサーにだまされ、全てを失ってしまう。失意の底に突き落とされた花子は、泣き寝入りせずに闘うことを宣言。家族の力を借りて、大切な夢を取り戻すべく反撃を開始する。

というお話です。

 

 

26最の折村花子は気合に満ちていた。幼い頃からの夢だった映画監督デビューが、目前に控えていたからだ。だが、物事は、そううまくはいかない。滞納した家賃は限界で、強制退去寸前。花子の若い感性をあからさまにバカにし、業界の常識を押し付けてくる助監督からは露骨なセクハラを受け怒り心頭だ。

 

そんな時、ふと立ち寄ったバーで、空気は読めないがやたら魅力的な舘正夫と運命的な出会いを果たし、ようやく人生が輝きだした矢先、卑劣で無責任なプロデューサーに騙され、花子は全てを失ってしまう。ギャラももらえず、大切な企画も奪われた。失意のどん底に突き落とされた花子を励ますように、正夫は問う。

 

「花子さんはどうするんですか?映画諦めるんですか?」
「舐められたままで終われるか!負けませんよ、私は」

 


 

イナズマが轟く中、反撃を決意した花子が頼ったのは、10年以上音信不通の家族だった。妻に愛想を尽かされた父・治、口だけがうまい長男・誠一、真面目ゆえにストレスを溜め込む次男・雄二。そんなダメダメな家族が抱える”ある秘密”を暴き、自分にしか撮れない映画で世の中を見返してやる!と息巻く花子。

 

突然現れた2人に戸惑いながらも、花子に協力し、カメラの前で少しづつ隠していた本音を見せ始める父と兄たち。修復不可能に思えたイビツな家族の物語は、思いもよらない方向に進んでいく。そして、”ある秘密”がもたらす真実にとめどなく涙が流れる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

インパクトのある、強い雰囲気の映画でした。主人公は、映画監督になると言って、家を出て10年帰らなかった花子。これでもかってくらいに、性格がねじ曲がっていて、人の話を聞きません。映画の中で、卑劣なプロデューサーに騙されて、脚本を取られるのですが、私には、これ、どうしても卑劣なプロデューサーには見えないんです。

 

映画って、監督一人で作るものではなく、予算を出してくれる人、プロデュースする人など、沢山の人がいるんです。周りの話を一切聞かず、自分の主張だけを繰り返していたら、周りは引いてしまいます。この花子は、完璧に自分の主張を繰り返すパワハラ監督とでも言うのかしら。

 

 

年上の助監督が言う事も、適当に聞いて流しておけばよいのに、バカにしたような笑い顔で”私はこうなんです。”と言うんです。主張するのが悪いのではなく、言い方なんです。若いから仕方ないとは言いたくないです。監督なんですから。その作品を引っ張って行く”頭”が、自分勝手で、自分の主張を周りに伝えられないのでは、監督は務まりません。

 

映画を作りたいなら、周りが納得するまで説明する必要があります。私は映画関係の仕事ではありませんが、建築でも、一つの大きな建物を建てる時は、管理から職人まで周りは年上の男性ばかり。納得して貰うまで、説明をします。その中で、相手の意見も聞いて、良いモノは取り入れ、そうでなければ却下する。何かモノづくりをするのなら、当たり前のコミュニケーションです。それが出来なければ、監督を降ろされるのは当たり前だと思いました。

 

 

だから、このプロデューサーは、当たり前のことをしたまでなんです。でも、もちろん花子は納得しないので、自分は自分の家族で映画を撮るという流れになるんです。それに付いてきてくれたのが、舘正夫。彼は、生きる意味を探しているようで、覇気が無いんです。そんな彼の前に、花子が現れ、不満や怒りをぶちまけたので、彼女の為に、何かしようと思ったんじゃないかな。

 

2人で、花子の実家に行き、父親・浩、長男・誠一、次男・雄二を役者として、映画を撮り始めます。もちろん、全員素人だし、マトモな映画にはなっていないんだけど、カメラを通して家族を見た花子は、色々と考えたんじゃないかな。母親が出て行った理由も、父親が喧嘩で捕まったことがある理由も、本当は深い訳があったんだけど、花子は知ろうとしないで、家を出て行って、10年も連絡もしなかった。それって、自分が悪いんでしょ。家族は誰も悪くないよね。

 

 

与えられるのが当たり前と思っていた花子は、自分で答えを掴み取って行く、答えを探して行くという事を学んだのではないかと思います。人とコミュニケーションを取り、ちゃんと会話をして、そこでやっと真実が見えてくる。正直に全部話してよと言ったって、何を話して良いのか、相手は解らないんです。話を聞きたいなら、聞く方が近づかなければいけないということなんです。

 

そんな事が描かれていたように、私には見えました。親と折り合いが悪いのは、ただ親が悪いと決めつけないで、一度、近寄ってみる必要もあるんじゃないかな。それでもダメなら、本当に親とは合わないわと諦めれば良い。しょうがないですよ、違う人間なんだから。考え方が違うのは当たり前。気にしなくて良いですよ。

 

 

キャストは、上手い人が勢ぞろいでしたね。仲野大賀さんが、中野英雄さんと親子共演でしたね。同じ場面は無かったけど。嫌な助監督の三浦さんも良かったし、スマホショップの趣里さんも最高でした。ちょっとしか出ないキャストが、イイ味出してました。主演の松岡さん、家族の佐藤さん、池松さん、若葉さんは素敵だったし、窪田さんがちょっと不思議な役で面白かったです。

 

そうそう、マスクをしているシーンがあるのですが、このマスク、コロナの時に政府が配ってくれたマスクの事だと思うけど、小さすぎる~!こんなに小さく無かったでしょ。(笑)私の顔にはちょうど良かったか、少し余裕があるくらいだったけど、顔の大きい昭和な人には大変そうでしたね。大笑いしたことを思い出します。面白いことあったなぁ。私は秋の花粉症が酷くて、今もマスクをしています。子供用を売らなくなったので、プカプカする大きいしか無くて、困ります。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。面白かったし、若い頃って、こんな風に周りのことが解らないんだよねーっていうのが、よく解る内容でした。人との繋がりを知って行くことで成長し、年を取って行くんですよね。うん、良い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「愛にイナズマ」