【東京国際映画祭】(13作目)
「ペルシアン・バージョン」
(コンペティション)
を観ました。
ストーリーは、
1980年代にイランからアメリカに移住し、イスラム革命のために帰国できなくなったイラン人母娘の一代記。アメリカとイラン二国間の緊張関係の中で生きる人々を描く。
というお話です。
1980年代にイランからアメリカに移住したレイラの家族。レイラは、イラン文化も、アメリカ文化も大切にと思いながらも、彼女が周りから浴びる視線は厳しいモノだ。アメリカ人からは、テロ国家の人間だと言われ、イラン人からは、アメリカかぶれした裏切り者のように言われ、子供の頃から辟易としていました。
そんなレイラは、母親との関係が上手く行かず、色々な事を誤魔化して、適当に生きています。レズビアンなのに、パーティで出会ったドラグァクイーンを演じる役者と寝てしまい、妊娠することに。
妊娠したことがきっかけで、自分の母親シリーンの人生を回想することになり、シリーンも自分と同じような苦労を味わってきている事を知ります。母シリーンも、娘のレイラが自分と同じように苦しみ、そして、ここまで成長してきたことを認識し、お互いの距離が縮まります。
レイラには沢山の兄弟がいます。シリーンは、ずっと男の子ばかり生んでいて、やっと女の子レイラを授かったのでした。彼女を産んだ時のしあわせな気持ちを思い出し、どんな場所に暮らしても、堂々と自分らしく正直に生きる自分も、娘のレイラも誇らしいと感じました。 後は、映画を観てくださいね。
アメリカで暮らすイラン人のマリアム・ケシャヴァルズ監督の自伝的映画です。彼女が、アメリカで体験してきたことを、この映画にまとめて描いて様ですが、ちょっと変えてある場所もあるそうです。
とても楽しい映画でした。最初っからコメディで、レズビアンのレイラは、男に興味がないようにしていましたが、何故か、パーティーで知り合った、ドラグァ・クイーンの仮装をしている男性と寝てしまいます。弾みだったとは言っても、それで妊娠までしてしまうとは。
そこまでは、レイラがどうやってアメリカで楽しく暮らしているのか、そして、彼女が周りからどんな風に見られてきたのかを描いていたのですが、妊娠発覚から変わって行くんです。レイラの歴史も描かれますが、レイラの母親のシリーンが、どんな運命を辿り、最後にアメリカに流れ着いたのかを、詳細に描いて行きます。どちらかというと、レイラよりも、シリーンの方が、波乱万丈な人生を歩んでいて、驚きました。
シリーンは、レイラの父親となる医者と出会い、結婚するのですが、高名な医者であるのは良いけど、見ていると、そんなに優しくないし、ちょっと酷いこともあったりするんです。でも、この時代、男性上位なので、女性が口出しをする事が出来なかったのかな。シリーンは、本当に苦労をしていました。夫にイライラしましたもん。悪い人ではないと思うけど、でもねぇ。ちょっと許せないような出来事がありましたが、それは、ネタバレになるから書けません。その事が、後々、レイラの出産に繋がってきます。
レイラの兄弟が面白いんです。シリーンは、息子を5人くらい産んでいて、末っ子がレイラで、只一人の女の子だから、もう、甘やかし放題なんです。そんな家族が楽しかったな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。笑って、楽しんで、ちょっと泣ける映画でした。音楽もダンスも良くて、楽しめましたよ。ただ、この作品、日本公開はどうかしら。面白い作品なんですけど、ここが凄い!という部分が無いので、うーん、どうかな。公開されると良いですね。もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ペルシアン・バージョン(コンペティション)」