【東京国際映画祭】ケリング
「ウーマン・イン・モーション」
(イベント)
に参加させていただきました。
ウーマン・イン・モーション
グローバル・ラグジュアリー・グループのケリングは、俳優のペ・ドゥナ、水川あさみ、プロデューサーの鷲尾賀代を迎えた「ウーマン・イン・モーション」トークを開催しました。
今年で3回目になるのかしら。私は、昨年に続き、今年も見せていただきました。昨年は是枝監督と松岡茉優さんがトークショーをしてくださって、今年は、ペ・ドゥナさん、水川あさみさん、WOWOWのプロデューサーである鷲尾賀代さんが、お話をしてくださいました。
今年も、女性の立場についてや、パワハラ、セクハラなどMeToo運動に関しての話などを展開してくださいました。まず、ペ・ドゥナさんに、現在の韓国の現状をお話いただきました。韓国映画界は、既に沢山の女性スタッフを雇い入れており、女性が管理者となっている部署もあるそうです。
それに対して、日本は、昔よりも随分と女性は増えてはいますが、まだまだ1割にも満たない数で、性差別後進国の日本をよく表しているのではないかというお話でした。確かに、随分と女性映画監督も増えてきましたが、スタッフの管理者は男性が多く、男性監督なら問題にならないようなことも、女性監督だと起きてしまうことがあるとおっしゃっていました。
他の国に比べて、日本は新しいモノを取り入れることが苦手で、いつまでも変えられない民族なんです。今の芸能界を見ても、これだけジャニーズの性被害が問題になっていても、1つの会社だけの問題としてしまい、映画界や芸能界でも行われている性被害は問題になっていないでしょ。問題ですよね。沢山の方が、パワハラやセクハラに合っていても、それをどこに訴えたらよいのか、訴える意味があるのか、今はそんな状態なのではないかと思います。
子供への性被害は決して許されませんが、立場が上位の人間が、それを利用して性被害を行うことも許されません。芸能界では、沢山行われているのに、何故問題にならないのか。ハリウッドと同じように、俳優たちが組合を作り、報酬の事だけでなく、性被害や、事務所とTV局などの忖度を訴えていくべきなんです。労働基準監督署も、それを後押しするべきでしょ。人間が働いているんですよ。人間性を失われるような雇用を許すなんて、行政じゃないでしょ。ちゃんと自分たちの仕事をすべきです。
MeToo運動が始まり、ハリウッドで女性の地位を上げようという声が上がった時、女性に沢山の仕事を与えるべきだということになったそうです。でも、鷲尾さんは、能力で選ぶことも必要じゃないかと思ったそうですが、その時、既に男性は長い間、経験を積んで、能力をつけてきているのだから、その機会を与えられなかった女性はこれから経験を手に入れて、男性と同じスタートに立つために、機会を与えるべきだと言われて、納得をしたそうです。
確かにそうですよね。今まで、女性はその経験さえ与えられてこなかったのですから、まず、沢山の女性に経験を与えて、その上で、能力判断をすべきなんです。私も考えさせられました。目から鱗が落ちたような気持ちになりました。これから女性が役職に就き、そこで経験していくべきなんです。
いつの日か、マイノリティという概念が無くなり、少数派も多数派も、同じ土俵で戦えるようになると良いですね。アジア人だからとか、女だからとか、そんなことを気にしないで仕事が出来るように、そしてその能力を発揮できるようになるなら、今、何を言われても、行動をする時なのではないかと思います。世界を動かす時は反対勢力が大勢いて、苦しむことになるけど、誰かが動かないと。日本は島国で、本当に新しいモノを受け入れないから、困りますね。失くしてはいけない伝統もあるけど、悪い慣習は直していかないと、後を継いでくれる若者はいなくなってしまいます。
このトークショー、日本の問題を考えさせてくれる、深いお話でした。みなさん、映画界で生きて、色々な経験の中で問題を考えたのだと思います。鷲尾さんが、日本では「出る杭は打たれる」と言われますが、打たれても耐えられるメンタリティを持つべきとおぅしゃっていて、共感しました。ペ・ドゥナさんは、出る杭が集まれば、打つ場所がわからないだろうとおっしゃって、「当たって砕けろです。」とおっしゃっていました。素敵ですね。
未来を期待出来るようなトークショーになり、とても楽しかったです。みなさんには、これからも頑張って欲しいです。古い人間が作った悪い慣習をぶち壊してください。とてもためになるお話でした。こういうお話は、出来れば配信して欲しいなぁ。沢山の人が知れば、もっと大きな力になると思いました。
来年は、東京国際映画祭の関係者も、女性が増えると良いですね。男性が選ぶ映画ばかりでは、偏ってしまいます。もう少し、バランスの良い映画祭経営をしてくださると良いですね。来年も期待します。
キリング「ウーマン・イン・モーション」