【東京国際映画祭】(11作目)
「ミュージック/
Somebody Comes into the Light」
(ワールド・フォーカス)
を観ました。
ストーリーは、
夜の嵐の中、生まれたばかりの男の子が救出される。救急隊員のエリアスは、子供を妻のところに連れて行き、2人は彼をジョンと呼んで育てることにする。
成長したジョンは、ある日襲われ、相手を殺してしまう。過失致死の罪に問われ、刑務所に入る事に。ジョンは、刑務所の刑務官と仲良くなり、ジョンの出所後、その刑務官だったイロと夫婦になる。しかし…。
というお話です。
オイディプス王のお話をモチーフにした内容でした。ミュージックという名の通り、モンテヴェルディ、バッハ、ペルゴレージなどが使われており、セリフも歌として歌われるという、ミュージカル的なものでした。
ベルリン映画祭で銀熊賞(脚本賞)を受賞した作品です。ほぼ全ての台詞が歌として歌われるユニークなスタイルです。
ベルリン映画祭の脚本賞の作品ですが、うーん、オイディプス王のお話をなぞっていたけど、私には、あまり響きませんでした。ミュージカルは好きな方なんだけど、この映画は、あまりミュージカルの雰囲気ではなく、映画の中で、セリフを勝手に歌っているという感じで、よくいうミュージカルとは一味違うんです。それが、ベルリンでは良かったのかな?
オイディプス王の話は、蜷川さんの舞台などで、日本風に変えたりしたものを何度か観ていたので、既に内容を知っている私にとっては、驚くような事は無く、ちょっとレトロな現代風にして、音楽劇にしたんだねという感じで、これと言って、感想をお伝えするような感動がありませんでした。ごめんなさい。
というか、この映画の前に、ヴィム・ヴェンダース監督が、田中泯さんの踊りを撮った映画を観てしまい、その衝撃が強かったので、あまり感じなかったのかもしれません。
併映『Somebody Comes into the Light』 ワールド・プレミア
監督 ヴィム・ヴェンダース キャスト 田中 泯
ダンサー・田中泯とヴィム・ヴェンダースの美しいセッションでした。映画『PERFECT DAYS』のスタッフが生み出した詩情あふれる映像。言葉より以前にあったものがそこにある。ワールドプレミア。
セリフも何も無く、音楽と田中さんの踊りだけの映画ですが、その光と影の美しさに、酔うというのが一番合っているかな。観ていると、何のセリフも無いのに、なんだか気持ち良くなって、そのモノクロの世界に自分も入って行って、何か探しモノをしているような気持ちになるんです。そして、段々と、その世界に溶けて混ざって行ってしまうという感覚を味わいました。
ショートフィルムなので、今後、どうやって上映されていくのか解りませんが、出来るなら、「PERFECT DAYS」と同時上映してくださると嬉しいんですけどね。9分の作品なので、パーフェクトデイズが124分なので、出来そうな気がするんですけど。パーフェクトデイズから生まれた作品なので、出来たら、一緒に観たいですよね。
今回、映画祭の会期中に「PERFECT DAYS」が、特別上映されていたのですが、私は既に、映画祭の作品を目一杯詰め込んでいる状態だったので、後から時間を組み込むことが出来なかったんです。なので、観ることが出来ませんでした。12月の公開まで待ちますが、その時に、一緒に、この「Somebody Comes into the Light」が観れたら、そんなに幸せな事は無いんですけど。配給様、お考えいただけないでしょうか。
という訳で、私は、「ミュージック」は、お薦めしたいと思います。そして、「Somebody Comes into the Light」は、超!超!お薦めしたいと思います。「ミュージック」は、私はイマイチでしたが、ベネチアで銀熊賞を貰うほどの作品ですから、私の評価はイマイチでも、みなさんに観ていただきたいです。でも、日本公開は決まっていません。もし、公開されたり、配信で観れるようになるようでしたら、ぜひ、観てみてください。
「Somebody Comes into the Light」は、上記のように、出来たらパーフェクトデイズと一緒に観て欲しいなぁ。どうなるかは解りませんが、パーフェクトデイズの公開まで待ちましょう。これはぜひ観て欲しい作品なので、配給がどういう形になるのかは解りませんが、公開又は配信されたら、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ミュージック(ワールド・フォーカス)」
「Somebody Comes into the Light」