「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」
を観てきました。Fan’s Voiceさんの、独占最速試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
母を亡くした高校生のミアは、気晴らしに仲間とSNSで話題の「#90秒憑依チャレンジ」に参加してみることにする。何が起こるか解らず、皆、やるのを躊躇しており、ミアが最初にやると手を上げる。すると、本当に憑依が。スリルと強烈な快感にのめり込み、チャレンジを繰り返していくが、仲間の1人にミアの母の霊が憑依し…。
というお話です。
あるパーティに参加したコールとダケットの兄弟。ダケットがパニックになったらしく、部屋に籠ってしまう。コールは心配して無理やりドアを壊し、ダケットを連れ出すが、外に出た途端、ダケットはナイフで兄を刺し、続いて自分の頭を突き刺して死んでしまう。
17歳のミアは、母親・レアが薬の過剰摂取により死亡してから2年が経ち、少し沈んでいた。父親・マックスと関係が上手く行かないのだ。マックスは何かをミアに隠しているようで、どこかよそよそしく、距離は縮まらない。そんな時、友人ジェイドの弟ライリーから電話があり、迎えに来て欲しいという。ジェイドが迎えを忘れたようなのだ。直ぐに車で駆けつけ、ライリーを家に送る途中で、カンガルーが車に轢かれているのに出くわす。瀕死の状態で、楽にしてやった方が良いのだが、どうしてもミアには出来なかった。
その夜、ジェイドに降霊会に行こうとミアが誘う。ジェイドは嫌がるが、ミアの強い願いで仕方なく行くことにする。降霊会に行くと、ヘイリーとジョスが友達を集めており、何人も集まっていた。石膏で固められたような”手”が置いてあり、それを握って「トークトゥミー」と言うと、霊が応えるというのだ。誰もが怖がってやらない中、ミアがやると言い、降霊会が始まった。
ミアは手を握り、言葉を唱えると、目の前にボロボロの老人が現れ、”何!”と手を放してしまう。再度、手を握り、唱えると、今度は水死体のような女性が現れ、「私はあなたを招き入れます」と言うと、霊はミアの中に入り、話しだします。支離滅裂なことを話し、90秒で手を放させて終わりになります。しかし、ミアは93秒まで繋がってしまいますが、それで終わります。
他の人も何度かやり、子供のライリーもやりたいと言い出します。しかし、まだ子供だからダメだと言うのだが、どうしてもと言い、ミアが少しならと言ってしまい、降霊することになる。しかしライリーの身体にミアの母・レアが降りてしまい、ミアが戻すのを止めてしまう。そして…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、恐かったし、面白かったなぁ。”死霊館”などのホラーとは違い、山羊が”悪魔で~す”みたいに出てくるんじゃなくて、ちょっと、”呪怨”とか”リング”に似ている雰囲気があるんです。だから日本では、盛り上がるんじゃないかなぁ。A24他、沢山の映画会社が買い付けに来たそうです。監督たちはA24のファンだったので、彼らと契約し、既に続編の話も決まっているようです。
まず、”手”が出てきます。一見、石膏で作られた手のように見えるんだけど、どうも、防腐処理されて樹脂で固められたらしい、本物の手らしいんです。ヘイリーとジョスは降霊師か呪術師の手だと言っていました。その手ですが、握手をする手の形をしていますが、角度を変えると、仏像の手のように、ほっそりしていて柔らかそうなんです。ちょっとゾッとする雰囲気がありました。そして、表面に沢山の文字が刻まれています。その手の歴史を物語っているのだと思いますが、嫌な感じでした。
その手を握って、「私と話してください」「私の中に招き入れます」という言葉を合図に、霊が現れるんです。苦しんで死んだ霊なのか、何故か、身体が崩れていたり、腐っていたりするような霊ばかりでした。死ねて楽になった霊だっているはずで、穏やかな顔をしていても良いと思うんだけど、どーも、出てくるのは恨みを残していそうな霊ばかり。成仏出来ない霊がうろうろしていて、出てくるんですかね。
そんな霊ばかりなので、ミアの母親の霊が、「霊は人を騙す」と言っていたのだと思いました。確かに、随分と騙しに来ていたようでした。でも、ミアは、母親に逢いたい一心なので、その霊が騙しに来た嘘の霊なのか、助けに来た母親の霊なのか、判断がつかず戸惑うんです。生きている人間には、解らないですよね。でも、ミアの母親の霊は、娘を助けようと、必死で色々と訴えていたような気がしました。
考えてみると、父親がミアと向き合っていれば、ミアが母親に逢いたいと、あんなに強く願うことは無かったと思うんです。ミアの強い願いが、全ての悪を引き寄せて、悪い方向に行かせてしまったのではないかと思いました。母親が亡くなった時に、ちゃんと理解させて、受け入れさせないと、いつまでもこだわって、悪い方へと向かってしまいますよね。
なので、親友のジョイス一家は、本当に迷惑極まりなかったんじゃないかな。ミアがいなければ、彼らがあんなに苦しむことは無かっただろうし、ライリーが被害に遭う事もなかったのだと思います。大体、子供に降霊術なんてやらせちゃダメですよ。日本だって、小学校で”こっくりさん”が流行った時に、学校でやってはいけませんと中止命令が出ましたよね。子供だと、本当に信じてしまい、自分で暗示にかけてしまうことがあるのではないかと思うんです。霊なんて来ないのに、自分で自分の脳に暗示をかけてしまうんです。子供にはやらせてはいけません。
主人公のミアですが、あまり性格が良いとは思えなかったな。だって、ジョイスに無理強いしすぎだし、姉のジョイスがライリーに降霊術をやらせないと言っているのに、家族ではないミアがやって良いと許可をだすんですもん。その家の教育方針があるのだから、他人が言ってよいことと悪いことがあると思うんです。何の責任も取れないのに、酷いなと思いました。
若気の至りというか、ミアは、随分と間違った方向へと向かってしまったようで、選択を誤りましたね。私が思うに、ミアは、既に、母親の死は自殺だったんだろうと知っていたのだと思います。でも、それを信じたくなくて、薬の量を間違えた事故死だと思おうとしていたと思うんです。だから、何をやっても、正しい選択が出来なくなっちゃったんだと思いました。母親の死によって、どこかがズレてしまったのでしょうね。可哀想でした。
それにしても、降霊術が楽しくて、何度もやっちゃうという場面は、少し笑ってしまいました。なんでそんなモノに中毒になってんの?そんなに気持ちイイの?憑依されている時は、意識が無いから、気持ちイイとかは無いと思うんだけどなぁ。色々な霊と話すのが楽しいのかな。いやぁ、楽しくないでしょ。車に轢かれて痛かったとか、海で溺れ死んで苦しかったとか、そんなんばっかでしょ。
あと、ちょっとだけ、残酷な痛いシーンが多いです。スプラッターとまではいかないけど、そんなにやったら脳ミソ出てるよと言いたくなるような場面とかがあって、うーん、観ていて痛かったです。その迫力が凄くて、ホラー以上にホラーだったんだけどね。
この映画、とても良く出来ていて、95分で一気に、霊との戦いを描いて行きます。色々と出てきたモノに関しても、ちゃんとネタ回収をして、スッキリと追われるようにしてありました。そして、まだまだ続きそうな気配でしたね。でも、まず、前日譚が知りたいなぁ。
あの”手”が誰の手で、どうして手だけが、色々な人に渡るようになったのか。まるで、”リング”のビデオのようで怖かったです。手が人に渡ると、手を握った人が不幸になっていくという、恐ろしいお話です。まだまだ、恐怖は続くのでしょうね。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは面白い映画です。洋画ホラーの、悪魔が”メェメェ”出てくるというのとは違い、霊が人間に及ぼす力を描いていて、邦画ホラーに近い気がしました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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