「私がやりました」ブラックコメディにサスペンスミステリー要素をミックスした楽しめる映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「私がやりました」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

パリで有名映画プロデューサーが殺害され、新人女優マドレーヌが容疑者として連行された。マドレーヌはプロデューサーに襲われて自分の身を守るために撃ったと供述し、弁護士ポーリーヌとともに法廷に立つ。正当防衛を訴える感動的なスピーチは裁判官や大衆の心をつかみ、マドレーヌは無罪を勝ち取ったのみならず、スターの座を手に入れる。そんな彼女たちの前にかつての大女優オデットが現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと主張する。

というお話です。

 

 

有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑をかけられたのは、貧乏な若手女優マドレーヌ。彼女は殺していないが、状況的に不利な立場だ。それならと、ポーリーヌと考えた末、あるシナリオを実行することにする。法廷に立たされた彼女は、ルームメイトの新人弁護士ポーリーヌが書いた、「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する完璧なセリフを読み上げたのだ。

 

強姦されそうになり、必死で身を守るために彼を撃ち殺してしまった。女性が男に乗りかかられた場合、それ以外に身体を守る術がなく、仕方なくだったと主張し、裁判員や大衆を味方に付けてしまう。弱い女性の立場を上手く使い、見事無罪を獲得。



 

それどころか、悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、アッという間にスターの座へと駆け上がる。豪邸に引っ越し、優雅な生活を始めるマドレーヌとポーリーヌ。二人とも、仕事も順調になり、それまでとは打って変わった生活に満足していた。

そんなある日、とある女が彼女たちを訪ねてくる。彼女の名前はオデット。一度は一世を風靡するも、今や目にすることも少なくなった、かつての大女優だ。サイレント映画時代に有名だったが、トーキー映画に変わり、ついて行けなかったのだった。

オデットの主張に、マドレーヌたちは凍り付く。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだ。いったい真相は如何に?こうして、女優たちによる「犯人の座」を賭けた駆け引きが始まる。後は、映画を観てくださいね。


 

とっても笑える、レトロでおしゃれで、だけど女性の立場の低さを訴えるような、そんなコメディ映画でした。フランソワ・オゾン監督らしい作品で、フランスでは大ヒットしたそうです。

 

ストーリーは、とっても解りやすく、スピーディに進みます。でも、この展開は、よく考えられているなぁと思いました。殺してないのに、殺したことにしちゃって、正当防衛で押して行くという展開も凄いけど、無罪を勝ち取った後、今度は、本当に殺したっていう人が出てきちゃうというのが笑ってしまいますよね。

 

 

オデットという往年の有名女優は、マドレーヌが無罪となって、有名になったから出てきたんです。もし、犯人として収監されることになったら、出てこなかったでしょうね。彼女が犯人として捕まって、”良かった。これで逃げられる。”と思ったんだと思うのですが、彼女が無罪となり、あまりにも有名になってしまったので、悔しくなったのでしょう。

 

マドレーヌとポーリーヌに、自分が殺したんだからと訴えるのですが、彼女たちも今更どうしようもなく、オデットは、判事の所へ行き、自分が殺したんだと訴えるのですが、既に終わった事件だから、今更無理なので、他の事件でどうですか?と言われる始末。最後の手段として、それをマスコミに持って行くと言われ、30万フラン払ってくれるなら黙っていると、マドレーヌに話します。

 

 

考えた二人は、凄いプランを立てて、全てを丸く収めようとするのですが、このプランが凄かった。これはよく考えられていたなぁ。思いつきませんでしたよ。確かに、このやり方なら、みーんな上手く行きますよね。まぁ、これほど上手く行くとは思わなかったけど、素晴らしく完璧に始末がつくという、良い作品でした。

 

でもでも、ちゃんとエンドロールも観てくださいね。実は、めでたしの後に、ちょっと色々な事が起きていますよっていうお話が出てきます。それを呼んで、もしかしてと想像するのも、楽しいと思いました。それにしても、ホントに上手く出来ていたなぁ。スッキリして、気分が良くなりましたもん。

 

 

そうそう、時代は1930年代のパリなので、衣装もおしゃれだし、インテリアなども、ちょっと豪華な感じで、素敵でしたよ。でも、1930年代と言いながら、現代の問題を、結構、鋭く描いていました。女性の地位の問題や、女性はいつも性の道具のような見られ方をするとか、裁判の陪審員が全員男だとか、そういう女性差別を強く描いていました。そんな社会で、マドレーヌが正当防衛で男性を殺して、無罪になるという事が、とても意味があるように描かれていました。

 

この映画、フランスの古い映画に使われていた手法を、随分と取り入れているようです。私は、古い映画を観ていないので、解説は出来ませんが、古い映画を観ている方には、解るそうです。凄い勢いで展開していくスピードだったり、一時、流行っていたものだそうです。

 

 

オデット役をイザベル・ユペールさんが演じていて、彼女が出てくる事で、既に終わった事件なのに、なんか、大事になってきちゃったという気持ちにさせてくれて、良いキャスティングでした。ダニー・ブーンさんも実業家役で出ていましたよ。マドレーヌ役は、「悪なき殺人」のマリオン役だった、ナディア・テレスキウィッツさんでした。懐かしかったです。

 

このサスペンスミステリーに見せたコメディ、私は好きだったなぁ。申し訳ないけど、ポアロのミステリーより面白かったです。これくらい大胆にかき混ぜてくれちゃう方が、現実から離れているように見えて、いや、結構、本当にこんな事もあるかもしれないなんて思わせてくれる内容でした。やっぱりフランソワ・オゾン監督作品って感じですね。今回は、明るい作品ですよ。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。本当に面白いです。誰と観に行っても、楽しめてスッキリするので、良いと思います。デートには、ちょうど良いんじゃないかしら。センスも良いし、この後に食事とかだと、話が弾みそうです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「私がやりました」