「極限境界線 救出までの18日間」
を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
2007年。アフガニスタンの砂漠で韓国人23名がタリバンに拉致される事件が起きた。タリバンは24時間以内に韓国軍の撤退と収監中の仲間23名の釈放を要求。韓国政府が交渉役として現地に派遣した外交官チョン・ジェホは、アフガニスタン外務省に釈放を要請するが拒絶されてしまう。韓国工作員パク・デシクがアフガニスタンのフィクサーと交渉するも決裂。チョンとパクは人質を救うため、不本意ながらも手を組むことになるが。
というお話です。
アフガニスタンの砂漠で、バスで移動中の韓国人23人がタリバンに拉致される。彼らの要求は、駐屯中の韓国軍の撤退と、刑務所に収監されたタリバン戦士23名の釈放。人質殺害までのタイムリミットは24時間。韓国政府は直ちに外交通商部の次官とチョン・ジェホ室長を現地に派遣。チョンはアフガン外務省にタリバンの釈放を要求するが、一方的に話すチョンに外務省の役員は肯く。だが、記者会見の席でアフガン外務省は、「釈放に応じることはありません」と断言するのだった。
アフガン外務省へ行き、「何故約束を破ったのか」と迫ると「我々はタリバンとこの先も戦わなければならない」と突き返される。韓国国家情報院も動き出し、パキスタンで暗躍していた工作員のパク・デシクが、アフガンの全ての問題を実質的に解決している組織”アフガン部族長会議”に交渉を申し入れる。そこへ、チョンが現れ無理やり合流する。パクは「引っ込んでろ。」と憮然とするが、チョンはイラクでの拉致事件を担当した際に、人質を殺されてしまったパクを信用していなかった。
部族長の開く宴で、有効を示し、翌日開かれた部族長会議で、人質の解放が決定される。ところが、韓国のTVが拉致された韓国人の目的は、キリスト教の宣教活動だったと報道したのがアフガンに流れてしまい、ボランティアだと聞いていた部族長は激怒、交渉は決裂してしまう。
遂に人質の一人が殺され、タリバンは再び収監者の釈放を強く要求。何の手立ても無い彼らの前に、タリバンと取引をしているという男が現れ、金での交渉を持ちかけるが、これは詐欺で、パクの活躍で金を取り戻す。期限が過ぎ、また一人人質が殺され、チョンとパクは信用し協力するしかないと気付く。
韓国のチェ外務大臣がアフガニスタンを訪れ、カルザイ大統領と話し合いを行うが、大統領も釈放を拒否。韓国は軍事作戦を決行、追加で人質を殺害されたら、救出作戦を行うと決定する。つまりは戦争だ。
大臣から役目は終わったと帰国を命じられるチョン。しかし諦めきれないチョンは、韓国大統領秘書に電話をし、タリバンと対面交渉をしたいと直訴。チョンの安全は保障出来ないという条件付きで許可を貰い、砂漠の真ん中のタリバンとの待ち合わせ場所へ向かう。チョン、パク、通訳のカシム、命を懸けた最後の交渉とは。 後は、映画を観てくださいね。
この映画は、2007年に実際に起きた、タリバンの人質事件に着想を得て、脚本が書かれたそうです。実際の事件とは少し違っていますが、このような事件が起きたのは本当の事で、実際の事件が起きた時、渡航禁止命令が出ているのに、イスラム教区にキリスト教の宣教に行くなんてどうかしていると、監督も思われたそうです。その後、この映画の話を頂いて、どう展開させたら、人質への批判が起きずに最後まで持って行けるかという事を、随分と考えたそうです。どんなに酷いことをしたとしても、自国民は国が守るというスタンスで、描いたそうです。
内容ですが、やっぱり、このタリバンに人質に取られた人々に、共感や同情は一切抱けませんでした。2007年と言えば、9.11のテロが起こってイラク戦争が起き、まだウサマ・ビン・ラディンが捕まっていない頃です。タリバンがまだまだ元気で戦っており、日本のカメラマンなども人質に捕られて、殺されたりがありましたよね。そんな時期に、キリスト教の宣教って、”アホですか?”って言っちゃいます。イスラム教どっぷりの地域で、ましてテロがバンバン起きているのに、制止を聞かずに入って行っているんです。
韓国人の宗教観は、絶対的という感じが多いのかしら。キリスト教と言いながら色々な宗派があり、それぞれに強引な海外布教を行っているらしく、各地で問題が起きているようです。その一つが、日本の統一教会になるのかしら。最初は強引で、それに飲まれてしまう人々もいて、お金を集める手段になっているようですね。この23人の人達も、そのような一つだったみたいです。
時々、神は万能で、聖書を出して神の教えを解けば、相手は何もしないと本気で考えている人がいるんですよね。脳が危ない人たちだと思います。神はいてもいいけど、助けてはくれません。助けるのは自分です。自分で自分を助けるんです。なので、危ないところには行かないとか、身体が痛ければ病院へ行くとか、自分で対処するでしょ。そういう事に気付かせてくれるのが神です。ほっんと、宗教は良いけど、人間としての基本は捨ててはいけません。神は心の支えにはなるけど、身体の支えにはなりません。
そんな事も解らない人たちが、アフガンに23人も勝手に入ってしまうなんて、韓国政府も困ったと思います。マジで、いい加減にしてくれよと思ったんじゃないかな。韓国内でも、やはり”自己責任”という意見が多く、身代金に2000万ドル以上を払ったとの報道があり、大批判だったようです。韓国だって、見捨てたいと思っても、それは国家だから、自国民は助けない訳にいかなかったんでしょ。それ、一応、国としての基本ですから。
そして、助けるための交渉役のチョンとパクが、苦労をして、人質解放をタリバン相手に交渉していくのですが、本当に大変そうでした。チョンとパクのタイプが全く違うんです。チョンは、根っからの役人で、1+1は2になると思っている人。でも、テロとの戦いでは、そんな計算は通用しません。諜報員のパクは、そんな世界を沢山見てきている人で、チョンとは話が合いません。
大体、アフガンに行って、人質を助けたいから、捕まえたタリバン兵を釈放してくれと言って、釈放してくれる訳が無い。そんな事をしたら、これからどんどん人質を取って、兵士との交換をする事になってしまいます。そんな事を頼むチョンが間違っています。そして、パクが違う方面から、タリバンへの交渉をするのですが、そこにチョンが割り込んできます。ムカつく男よねぇ。ま、どちらもイケメンだから、文句が言えないんだけどね。
必死で交渉するも、政府やTV報道に足を引っ張られ、何度やっても解決出来ず、人質を助けることが出来ません。そして、23人の内、2人は殺されてしまいます。韓国は、これ以上、交渉しても埒が明かないと思い、武力行使を決定します。まぁ、仕方ないですよね。テロリスト相手に譲歩ばかりしていたら、ナメられてしまい、テロが増えてしまいます。もうすぐ武力行使というところで、チョンとパクが最後の交渉に動きます。
まぁ、ここら辺が映画って感じかしら。でも、よく出来ていましたよ。実際の事件も、これに似たような展開をしたようですので、誰が悪いとか、何が悪かったとかいう事にせずに、最後まで作り上げたのは素晴らしいと思いました。上手くまとめていたし、2人のヒーローの活躍で解決したというようになっていたので、楽しめました。
実際には、21人の人質解放されたようなのですが、タリバンの要求通りにした為に、韓国人が拉致の標的になったとの話もあるようです。実際の交渉には、こんなイケメンヒーローはおらず、政府の高官などが交渉したのだと思います。
それにしても、パク役のヒョンビンさん、カッコいい!チョン役のファン・ジョンミンさんもカッコいいのですが、やっぱり私はヒョンビンさんかなぁ。今回は、無精ひげなどを生やして、砂漠でちょっと汗臭そうな細マッチョだったので、都会の刑事役とかよりも私の好みでした。
この映画、私は、超!お薦めしたいと思います。実際の事件をベースに作りながら、大きく構成を変えて、静と動のヒーローを揃えて、上手くエンターテインメントに仕上げてあったと思います。実際の事件の内容を調べると、韓国内でも色々な葛藤があるようで、監督や脚本の方が随分と考えられて作られたのだろうなという事を感じました。面白かったです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「極限境界線 救出までの18日間」