「コカイン・ベア」
を観てきました。
ストーリーは、
1985年。運び屋アンドリューはセスナ機に積んだ大量のコカインをジョージア州の森に投下するが、自分自身も誤って落下し死んでしまう。雇い主の麻薬王シドは、部下のダヴィードにコカインの回収を命じる。一方、13歳の少女ディーディーは友人と学校をサボって森へ向かうが、そこで大量のコカインを食べて凶暴になったクマに遭遇。沢山の人々を巻き込み、それぞれの思惑が絡みあい、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
というお話です。
1985年のある日。ジョージア州上空を通過するセスナ機には大量のコカインが積まれていた。運び屋アンドリューは、雇い主である麻薬王シドの命令どおり、森にコカインの入ったバッグを投下するが、その直後、自分自身も誤って落下し死んでしまう。
テネシー州ノックスビル。TVのニュースでは、空からコカインが降ってきた、と報道されている。引退間近の刑事ボブは、そのコカインがシドのもので、チャタフーチーのブラッド山近辺に残りがあると読む。シドとの長年に渡る因縁に決着をつけるべく、愛犬ロゼットを新人警官のリーバに預け、ボブは1人、チャタフーチーへと向かう。
ミズーリ州セントルイス。シドは2つの大きな悩みを抱えていた。1つはもちろん、行方知れずのコカインのこと。もう1つは、妻をガンで亡くした息子のエディがその哀しみから立ち直れないことだ。シドは最も信頼するフィクサーでエディの親友でもあるダヴィードに、エディのケアとコカインの回収を命じる。
絵を描くことが好きな13歳のディーディーは、アートキャンプに参加するため、なんとしてもブラッド山の滝を描きたいのだが、看護師の母親サリは忙しくてそれどころではなさそうだ。そこで彼女は友達のヘンリーを誘い、学校をサボって滝を目指し、森へ入って行った。
すると森で大量のコカインを発見。さらにそのコカインを食べて凶暴になったクマに襲われてしまう。 ディーディーが滝に向かったと知った母サリは、森林警備隊員のリズと野生動物管理官ピーターの助けを借りて子どもたちの捜索を開始する。
無人になった森林警備隊のオフィスで、非行少年3人組、キッド/口ひげ、ベスト、ポニーテールがたむろしていると、ダヴィードとエディが現れる。ならず者気取りの3人はダヴィードを脅して金を取ろうとするが、即座に返り討ちに。キッドから「森で大量のコカインを発見し “東屋”に隠した」と聞いたダヴィードは、エディとキッドを連れて森へと入っていく。
それまで何の接点もなかった人々のそれぞれの思惑が絡み合い、事態はどんどん複雑に。しかも、相変わらずクマはコカインを大量摂取してハイのまま大暴れ。最後まで生き残るのは誰だ!? (公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
この映画、実話を基に作られているらしく、ちょっと驚きました。クマって、コカインとかを舐めるんですね。匂いが嫌いで嫌がるのかと思ったら、好んで食べていたようです。きっと、最初に落ちて来て、1パックをかじってみたんでしょうね。そしたら気持ち良くなったから、コカインの匂いに誘われて、色々な人間を襲うことになったようでした。
それにしても、こんな事が実際に起こったというのが、あまりにもあり得なくて驚きました。真面目に映画を作ったとしても、これ、コメディになっちゃいますよ。だって、クマがコカインを欲しがるだなんて、笑っちゃいますもん。でも、考えてみると、こんなにコカインを食べちゃったら、依存性があるモノだから、最後はクマを駆除するしかなかったでしょうね。映画には、クマの子供たちも出てきて、白い粉まみれになって楽しんでたから、駆除されるとなると、可哀想だなと思いました。人間って、酷いですよね。
ま、これは映画だから、実際には、きっと、子熊はいなかっただろうし、クマもこんなに人間を殺すことは無かっただろうけど、それにしても、これが実話を基に作られているというのが怖いなと思いました。
最初、結婚を約束したカップルが、コカイン・ベアに遭遇するんです。もちろん、凄い勢いで逃げるんだけど、クマの速さにはかないません。一人は殺されて、一人生き残るのですが、その人、最後の方に、また出てきます。ちゃんと最後まで、ネタの回収をしてくれていました。
そして、麻薬王シドが部下にコカインの回収を依頼し、子供が母親の目を盗んで森に入り、と話が進んでいきます。そんな中、3人のギャングが森林警備隊の事務所を襲ったり、警察官が犬を預けたりと、なんだか、盛りだくさんになっていくんです。怪我して呼んだ救急車も、クマに襲われたり、もう、大騒ぎでした。
ちょっと、盛り込み過ぎで、話がバラバラしていますが、ちゃんと中心に、コカイン・ベアがいるので、それで繋げていくという手法なのかなと思います。確かに、クマを中心に考えれば、周りで人間がわらわらしてても、別に、コカインさえ手に入れてキメてしまえば気持ちイイという、その欲望だけでクマは動いていますので、何てことないんですよね。
なので、この映画は、コカイン・ベアを知った人間が、慌てて右往左往する姿が、とっても笑えるという映画に作られています。でも、普通なら、クマが目の前にいたら、恐くて固まっちゃいますよね。この黒いクマは、逃げるよりも闘う方が助かる確率が高いって映画の中で行っていたけど、クマと闘うってどーなのよ。もちろん、武器を持っていればまだしも、山登りの恰好で、ぼんやり歩いていたら、そりゃ、無理でしょ。クマの手でザクッてやられちゃって、直ぐに終わりですよ。普通のクマでさえそうなんだから、コカイン・ベアならもっと酷いでしょ。
そして、既にこのクマ、イッちゃっているので、痛さも感じていないと思うのよ。だから、銃で撃たれても、全然平気で向かってくるんです。そして、動きも速いんです。え?って思っている内に背後にいたりして、人間なんて、ホント恰好の獲物なのよ。でね、やっぱり人間を襲った後は、内臓とかを食べてました。どんなにコカインでキメてても、お腹は空くのね。ちゃんと食べてました。子供たちも美味しそうに食べてましたよ。
なんか、クマにコカインを与えてしまうようなアホな人間たちにムカついて、つい、人間なんて、みーんな殺されちゃえばいいのにって思っちゃいました。だって、クマは普通に暮らしていて、コカインなんて口にしなければ、子育てをして、冬用に獲物を狩って、寒くなったら冬眠してとなっていたんでしょ。それなのに、コカインで狂暴化させてしまうなんて、本当に可哀想です。何の罪も無いのに、人間の欲望に踊らされて、生態系を壊されてしまったんです。許せないですよ。
麻薬王は悪いけど、住民は悪くないと言うかもしれないけど、クマが住んでいる近くに人間の住居を作って、クマの生息地に勝手に入り込むんでしょ。クマだって怒りますよ。自分の家に入って欲しくないでしょ。子供だからって、許されないと思います。クマは最初から住んでいて、人間が後から入っていったのだから、人間が配慮するのは当たり前。それが解らないなら、そんな地域に住まない事です。
動物が人間のせいで不幸になっていくのを見るのは、本当に辛い事です。この映画はコメディだけど、でも、実際にコカインを食べさせられたクマはいた訳でしょ。許せないです。ただでさえ、人間が彼らの住んでいる地域を侵略して、勝手に決めた保護地区とかに押し込めているんでしょ。やっぱり、人間が一番地球に対しての害虫なんだろうと思いました。「マトリックス」で、エージェント・スミスが言っていた通り。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。残酷な場面はあるけど、とても面白いコメディとして作られています。その面白さの中に、人間が勝手に自然を壊しているのだという事を、よく描いていました。動物は守らなくちゃ。もう、これからは人間を絶滅危惧種になるくらい減らして、世界を彼らに還すべきなんじゃないかなと思うほどでした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「コカイン・ベア」