「シック・オブ・マイセルフ」
を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
ノルウェーの首都オスロ。人生に行き詰まっている女性シグネは、長年にわたりライバル視していた恋人トマスがアーティストとして脚光を浴びたことで激しい嫉妬心と焦燥感にさいなまれる。シグネは自身が注目されるため、ある違法薬物に手を出し、薬の副作用で入院することになり恋人からの関心は得たものの、シグネの欲望はさらにエスカレートしていく。
というお話です。
ノルウェーの首都オスロ。シグネの人生は行き詰まっていた。長年、競争関係にあった恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴び始める。彼は盗品の家具を使ってアートを作成し、何故か雑誌社の目に留まり、記事になることになったのだ。
シグネは、激しい嫉妬心と焦燥感に駆られ、自分がトーマスの付属品と扱われる事に耐えられない。病気などで注目を集める人を見て、自分も注目を集められないかとネットで調べたところ、ロシア産の薬で全身が爛れていく副作用を持つ薬を見つける。
密売をしている元彼を訪ね、ロシアからその薬を手に入れて欲しいと頼むと、簡単に手に入れてくれた。その日から、その薬を飲み続け、ある日、顔全体が崩れ始める。驚いたトーマスは、直ぐに病院に連れて行くと、原因不明の病気と診断され、トーマスはシグネを蔑ろにしていたことを謝る。
トーマスの関心を惹くことには成功したが、もっと注目されたいと思ったシグネは、薬を飲み続け、症状が悪化する自分をSNSなどで晒し、可哀想なシグネを演じ続ける。そして…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白いんですけど、観ていて、ちょっと怖くなりました。こういう人って、現実にいるようなのですが、もし、自分の近くにいたら、私は付き合えないなと思いました。だって、どんどんグロテスクな姿になっていくのに、私って可哀想でしょと言って、見せつけてくるんです。そういう事って、人に見せつけるもんじゃないし、はっきり言って、シグネの姿は、伝染病のように見えて、恐かったです。確かに、トーマスも、最初は”それうつらないよね。”って確認してましたから。
これこそ、ミュンヒハウゼン症候群だと思うのですが、自分に注目を集めるために、病気になったり怪我をしたりするんです。有名なのは、代理ミュンヒハウゼンですよね。自分の子供に毒を飲ませたり、怪我をさせたりして、その子供をかいがいしく世話をする事で、周りの同情を惹くというものです。子供に害を与える親は虐待なので、引き離すことが出来ますが、自分で自分を傷つけるのは、困っちゃいますよね。止めようが無いんです。
シグネは、昔から嘘をよくついていたようで、家庭にも問題があったようなんです。なので、精神的なものなのでしょう。どうしても注目を集めたいから、嘘をついたりしてしまうようでした。今回の薬を飲んで病気になった件は、病院でも身体を見せるのは嫌だと言って、マトモな診察を受けず、その為に、原因不明とされていたんです。もし、ちゃんとした検査をしていれば、直ぐに薬のせいだと解ったのだと思います。
うーん、私には、ここまでして、自分に注目を集めたいと思う精神構造が解らないんですよね。私は、出来るだけほおっておいて欲しいし、このブログも、あまり人目に付かない為に、深夜に更新することにしていたんです。今は、もう、ブログを書くのも楽しいし、皆さんから、色々なコメントを頂いて、気が付かされることも多いので、見て頂けるのは嬉しい事だと解ったんですけどね。
最初に、恋人に注目が集まって、嫉妬するというのが、よく解りませんでした。普通、恋人が有名になっていけば嬉しいんじゃないの?自分に目を向けてくれなくなるのが寂しいのは解るけど、彼が成功すれば、自分も一緒に幸せになれるでしょ。本当に好きで付き合っていたんじゃないのかな。彼と付き合ったのも、自分の見栄えをよくするためだったのかしら。何処までも、自分中心の人間ですよね。
キツい書き方になっちゃったけど、シグネという主人公をどうしても好きになれなかったんです。美しい容姿も持っていて、仕事もしっかりやっていたし、彼氏が注目されたなら応援すれば良かったのに、自分を傷つけてまで周りにかまって欲しいという自己中の考え方。盗品でアートをつくるという犯罪者の彼氏と付き合っている時点で、もう、一般社会には受け入れられない人物なのでしょう。この年齢で、基本形成がされていない部分が、私には、受け入れられませんでした。
もちろん映画ですので、こういう人間が本当にいて、こんなに苦しんでいるんだという事なのだと思うんです。確かに、集まって話をしていると、いつも自分中心の話ばかりする人とか、人が話しているのにそれを横取りして自分の話にしてしまう人とか、ホントにいますよね。そういう人は悩んでいるのかもしれないけど、自慢話をいつも聞かされたのではたまったものではありません。こちらが耐えられません。どんなに精神の病気なのだと言われても、私は同情する気にはなれません。
私もモットーは、「自分のケツ(尻)は自分で拭く」なので、自分で対処出来ないのなら、人に迷惑をかけず、早く病院で治して貰ってくださいとしか言えません。冷たいと言われようとも、そういう人に対しては、仕事で話を聞く人が対処すべきです。私が彼氏なら、直ぐに別れているけどなぁ。カウンセリングという仕事があるでしょ。そういう人に聞いて貰ってください。
考えさせられる映画でした。もし、自分がもっと人に見て欲しい、注目して欲しいという気持ちになった時は、直ぐにカウンセリングに行こうと思いました。自分を傷つける前に、人を傷つける前に、対処しないと、大変な事になります。ユーチューバーでも、迷惑な事をして逮捕されたりする人がいるので、それって、このシグネに近い精神構造なんでしょうね。精神的な病気なので、病院で診てもらった方が良いと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。”人の振り見て我が振り直せ”というけど、この映画は、そんな事を訴えているように思いました。まず、冷静になって考えて見る事。承認欲求というけど、かまって欲しいだけですよね。それは幼児が泣き喚くのと同じことなんです。気を付けなければね。そんな怖い映画、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「シック・オブ・マイセルフ」